2017年6月8日 16:30
「これは、僕だ」NHK発達障害特集を観て、息子が語ったこと
それが、当事者の視点で作られたNHKスペシャルのVTRを見て、突然息子の口から次々に出てきたのです。息子の生きづらさを理解しようと努めながらもどうしても見えなかった息子の世界が、突然私の目の前に開けてきた瞬間でした。
これは、僕
Upload By 林真紀
やがて、番組は進行し、突然息子はあるアニメーションにくぎ付けになりました。
それは、ADHDの女の子の心の中を、当事者の視点から再現した映像でした。息子は言いました。
「これは、僕だ」
足をブラブラ動かしながら授業を聞く女の子。最初は聞こうと思っているのだけれども、次第に教室の中に貼ってある演奏会のポスターに目が移ってしまう…。そのうちに、授業はどんどん進行してしまっている。
「いけない、授業聞かなきゃ」と黒板を見るけれども、今度は前の席の女の子のシュシュに目が奪われてしまう…。そのうちに、「どこ見てるんだ」と先生に注意されてしまいます。その様子が、自分と全く同じだと息子は言います。
「ちゃんと聞こうと思ってるんだよね。すごく分かる。僕は、今日は『バス遠足』って書いてあるプリントが前に貼ってあるのが気になってしまって、気付いたらそれをずっと見てしまっていた。『バス遠足かぁ。バスはどんなバスだろう。
いついくんだっけ。』と考えているうちに、授業が進んでいた。僕はダメな子だなあ、また違うこと考えちゃってた…と思って落ち込んだ。」
「でも特別支援の教室にはそういうポスターとか全然ないから、助かるんだよね」
番組のなかで取り上げられていたADHDの女の子に自分を重ね合わせて、学校生活での困難を詳しく語ってくれた息子。当たり前のように思えるかもしれませんが、息子の学校生活についてこんなに手に取るように知ることができたのは、初めてだったのです。まさに、番組を通して、息子の生きている世界を私は追体験することができたのでした。
「知る」ことが「理解」につながる
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272005268
息子と一緒に見たNHKスペシャルについては、発達ナビでも特集記事が組まれています。記事の中に書かれているように、この番組は、当事者へのインタビューや街中同行、再現VTRなどを通して、当事者の世界の再現・共有を試みたことが、大きな特徴だと言えます。