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発達支援とは?子どもの発達が気になる時の相談先に関するアンケート結果も発達支援とは、障害のある子どもや発達が気になる子どもの困りごとを軽減し、家庭や園・学校などでの日常生活を支援する取り組みです。福祉分野では、児童発達支援や放課後等デイサービスのほか、保育所等訪問支援や居宅訪問型児童発達支援などがあります。児童相談所や市町村保健センター、医師によって療育の必要性が認められた場合に、発達支援を利用することができます。また、児童福祉法に基づく障害児通所支援サービスを利用するためには、自治体から発行される「通所受給者証」が必要となります。お子さんの発達が気になっているけれど、誰に、いつ、どうやって相談すればよいのか悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。発達ナビでは、子どもの発達が気になる保護者を対象に相談先についてのアンケートを実施し、75名の方から回答をいただきました。Upload By 発達障害のキホンお子さんの発達について支援機関・支援者に相談したことがある (93%)お子さんの発達について支援機関・支援者に相談したことはないが、これからする予定 (3%)お子さんの発達について支援機関・支援者に相談したことがない (3%)その他 (1%)「お子さんの発達について支援機関・支援者に相談したことがある」が93%、「お子さんの発達について支援機関・支援者に相談したことはないが、これからする予定」が3%と、ほとんどの方がお子さんの発達について相談したことがある、あるいはこれから相談する予定であることが分かりました。※本アンケートは発達ナビ内の「みんなのアンケート」を母体としています。このため、一般集団のアンケート結果とは異なります。発達ナビ利用者の皆さんは、実際にどのようにして発達支援に繋がったのでしょうか?アンケートに寄せられたリアルな声を一部ご紹介します。【お子さんの発達について支援機関・支援者に相談したことがある】1歳半健診の時に、個別相談を利用したのが最初です。(中略)「2歳になったらもう一度検査してみましょう」と勧められて、そこから月1回開催される市の親子教室に繋げられました。(中略)困り事や悩みに対して、具体的な解決方法を教えてもらえるのが本当にありがたかったです。【お子さんの発達について支援機関・支援者に相談したことがある】娘が幼稚園入園後、「私の育て方の問題で、娘が他園児さんと同様の行動が出来ないのでは…」と不安になりました。市の子ども発達センターに個別面談として相談。(中略)児童心療内科受診につなげてもらい、受診することができ、軽度のADHDとASDと診断を受けました。(中略)市の子ども発達センター、障がい者支援センターにもお世話になることとなり、放デイの利用や相談窓口になっていただきました。小学校入学後は、スクールカウンセラーにもお世話になっています。※発達ナビ内の「みんなのアンケート」に寄せられたコメントを抜粋・編集しております。1歳半健診で個別相談をした、自治体の子ども発達センターに相談した……など、きっかけはさまざまですが、適切な支援に繋がったことで保護者の不安が軽減された様子がうかがえます。続いて、障害のある子どもや発達が気になる子どもが利用できる発達支援についてご紹介します。発達ナビのコラムもあわせてご覧ください。児童発達支援は、発達に課題のある未就学の子どもを対象とした通所支援サービスです。遊びや学びを通して、日常生活の練習や、集団生活への適応訓練など、個別のニーズに合わせた専門家による支援が受けられます。保護者の方への相談援助も行っています。放課後等デイサービスは、発達に課題のある小学生~高校生の子どもを対象とした通所支援サービスです。放課後や休日、長期休暇中などに利用することができ、一人ひとりの状態にあった個別支援計画に沿って集団活動や個別支援を行い、子どもたちの自立や社会参加を促します。 また、放課後に子どもたちを預かることで、保護者の負担軽減につながる面もあります。保育所等訪問支援は、児童福祉法に基づく福祉サービスのひとつです。保育所や幼稚園、認定こども園、学校、放課後児童クラブなどに専門の支援員が訪問し、子どもの集団生活への適応をサポートすることを目的としています。子どもの様子を観察し、先生と連携しながら、個別の支援計画を作成します。参考:保育所等訪問支援の効果的な実施を 図るための手引書|厚生労働省居宅訪問型児童発達支援とは、平成30年度に創設された比較的新しい福祉サービスです。重度の障害等により、障害児通所支援を利用するために外出することが著しく困難な18歳以下の子どもに発達支援が提供できるよう、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士、保育士、看護職員等が障害児の居宅を訪問して発達支援を行います。精神障害等により外出が困難な状態にある就学児や、行動障害により通所支援の利用が困難な児童に対しても、居宅訪問型児童発達支援による支援を行うことが認められています。※地域によっては提供できる事業所がまだ十分でないところもありますので、各自治体窓口にお問い合わせください。参考:障害児支援施策の概要|厚生労働省参考:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関する Q&A VOL.5|子ども家庭庁児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援は、児童福祉法に基づく障害児通所支援サービスです。利用するためには、自治体から発行される「通所受給者証」が必要となります。各サービスの利用にあたっては、申請手続き等が必要になるため、お住まいの自治体の福祉課にお問い合わせください。【専門家に聞く】発達支援にまつわるギモンを分かりやすく解説!発達支援にまつわる保護者の疑問やお悩みについて、鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にお伺いしました。Q:初めての発語が2歳半過ぎと、言葉が遅いことが気になり、発達支援センターに相談しましたが、様子を見ましょうと言われ、定期的に面談をしています。人見知りや場所見知りが激しく、目も合いにくいなど、そのほかにも気になることがあります。このまま様子見を続けていてよいのでしょうか?受診の目安などはありますか?A:限られた情報だけで具体的な受診の目安については回答できませんが、発達が気になる場合は発達支援センターに相談しつつ、児童発達支援など未就学児で診断がなくても受けられる福祉サービスがあります。児童発達支援を利用するためには医療機関で意見書などをもらい、お住まいの自治体の窓口で申請して通所受給者証を取得する必要があります。児童発達支援では個別や集団による言葉や対人関係を含めた発達支援を受けることができます。また、事業所によっては、保護者が子どもとの関わり方を学べるペアレントトレーニングのプログラムなどが提供されていることもあります。Upload By 発達障害のキホンQ:幼稚園の頃から気になる行動が出てきましたが、先生たちからは気にするほどではないと言われていました。しかし小学生になっても困りごとは増え続け、自治体の発達相談を受けたところ、ADHD(注意欠如多動症)の傾向があると言われました。日々注意することばかり続き参っています。どのような解決策があるでしょうか?A:ADHD(注意欠如多動症)の診断はなくともそれに対応した接し方や支援方法をとっていくことで、問題は軽減すると思います。そのお子さんの気になる行動がさらに続くようであれば、自治体での発達相談だけではなく、医療機関で診断を受けてみることをお勧めします。診断があることによって、小学校でも合理的配慮が受けられるようになり、環境調整や個別的な配慮などお子さんの特性に合わせた支援が進んでいくと思います。これらを実施しても行動改善が難しい場合、服薬等についても主治医と相談していかれるとよいと思います。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年03月23日ルールを守るのは正しいこと。でも、こだわりすぎてトラブルのもとに……ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けている息子のトール。特性のひとつなのか、「ルールを守ること」に対して独自のこだわりがあるように感じます。トールがこだわるルールというのは、一般的な交通ルールや、学校での決まりごとなどで、ポイ捨てをしないことや物を大切に扱うなどの倫理的なものも含まれます。それらのルールを守るのは正しいことなのですが、過剰に反応してしまって対応に困る場合もあります。例えば、見ず知らずの人が横断歩道ではない道路を横断しているのを見かけた時、相手が大人でも関係なく注意しようとします。Upload By メイ知らない人にむやみに注意しようとするのはやめてほしいと思うのですが、見て見ぬふりを推奨してしまっていいものかと、かなり悩んだ時期もありました。でも、注意した相手が怒ってしまったり、万が一にも危害を加えられないとも限りませんので、やはり知らない人に注意するのはやめるよう話しています。学校でも、ランドセルを雑に扱っているクラスメイトを注意して揉めたことがありました。その子本人のランドセルなので、トールやほかの子が何か被害を受けたわけではないのですが、ランドセルは大切に扱わないといけないとトール本人が思っているのでしょうか。口を出さずにいられなかったようです。特別支援学級の先生とも話して、もしどうしても何か注意したいことがあったら、それは大人がやることだから、先生や親に言うようにしてほしいと伝えました。トラブルの回避のためにも、そのようにしてほしいと思っています。Upload By メイこれも「こだわり」の特性だった?予定変更で大泣きしていた幼少期またルールとは少し違うのですが、トールは診断を受ける前の小さい頃から、予定を変更することが苦手でした。特に楽しみしている予定だとなおさらで、急にキャンセルになってしまうとなかなかそれを受け入れることができず、大泣きして予定通りに行動しようとしていました。そんなことがあったので、いろいろな予定は前もって伝えず、当日になって確実に行けることが分かってから、トールに伝えるようにしていました。Upload By メイ例えばお友だちと遊ぶ約束があっても、集まるメンバーの誰かが体調を崩す可能性もあるのでトールには伝えず、当日みんな元気で集まることができるのを確認してから伝えていました。そのように、トール本人の中で「遊ぶ予定」を決定事項にしてしまうと、変更するのにすごくストレスを感じていたようでしたので、予定変更をできるだけなくすように声かけに気をつけていました。成長とともにこだわりが和らいできたと思っていたけれど……!?今は小学6年生になったトール。成長とともに、キャンセルも仕方ないこともあると理解したのか、大泣きするようなことはなくなってきました。そのため、もうこだわりはなくなったのかな?と思い、予定は事前に伝えるようになってきていました。しかし、先日久しぶりに、急なキャンセルに抵抗感を示したことがありました。わたしが風邪をひいてしまい、家族でのお出かけの予定の日に治りきらず、来週に延期しようという話をした時でした。トールが楽しみにしていた予定だったので諦めきれなかったのか、どうしても今日行きたいと言われました。なぜ今日じゃダメなのか分からないという様子でした。Upload By メイわたしの体調ももう治りかけていたので、行けそうに見えたのかもしれません。治りかけとはいえまだ楽しくお出かけできる体調ではないと話し、誰かの体調が悪くなった時に、延期できる予定ならほかの日に変更するというのは一般的な行動だということを説明しました。普段は、私や家族の誰かが体調不良の時はとても気遣ってくれるので、少し驚いた出来事でした。成長とともに予定変更を受け入れられるようになったと思っていましたが、実は本人の中では、まだまだ大きなストレスを感じていたのかもしれません。同様に、他人の破る「ルール」に対してもストレスを感じているとすると、トールが日々感じているストレスはわたしの想像以上なのかもしれないと改めて考えました。ルールや決まりごとを守る姿勢は素晴らしいので、ぜひ大切にしていってほしいものの、それが破られることへの葛藤とどう折り合いをつけていくか、これからの課題なのかなと感じています。執筆/メイ(監修:初川先生より)トールくんのルールやマナーへのこだわり、急な予定変更の苦手さのお話をありがとうございます。ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんにはよく見られる様子なので、共感的に読まれた方も多いと思います。ルールやマナーへのこだわりは、メイさんがされたように、「注意するのは大人(先生)の仕事」として、大人(先生や保護者)に伝えるようにしていくことが多いかなと思います。ダイレクトに注意をした際に、残念ながら自身が危険な目に遭う可能性や、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。急な予定変更が苦手なお子さんに関しては、「直前に知らせる」「変更の可能性もあらかじめよく伝えておく」など、お子さんの発達段階や理解度に応じてさまざま工夫できそうですね。さて、ルールやマナーへのこだわりも、予定変更の苦手さもそうですが、本人の気持ちを大人側が受け取っているよということを伝えたいところでもあります。「ランドセルを雑に扱っているのを見ると、悲しくなっちゃうね(・イライラしちゃうね)」、「楽しみにしていた予定だから、今日行けないのは、仕方がないと分かるけど、でも悲しいね」など、お子さん本人の気持ちをあえて言語化して、その気持ちは受けとめているよ、と伝えたいところです。こだわりやパニックなどが生じると、どうしても周りの大人はその事象に「対処」してできるだけ早く収めようとしてしまいます。もちろん対処も予防も大切です。しかしながら、こだわりやパニックが生じるほどに、お子さん本人に湧きあがる強い気持ち自体は悪いものではなく、そしてそれは伝わっているよ・その気持ちは受け止めるよと伝えてあげたいなと感じます(もちろん、それどころではない時もあると思います。大人側の気持ちに余裕があるときからぜひと思います)。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年03月18日育児と仕事、服薬メリデメ、進路と働き方、合理的配慮など……発達障害のお子さんを育てる保護者の方にとって気になる問題は?発達障害のお子さんを育てる保護者の方にとって気になる問題を読者体験談コラムでチェック!2月は、子ども2人が発達障害・仕事復帰への道は?「育児と仕事の両立」についてのコラムや、小1でのADHD(注意欠如多動症)診断時から高1までの服薬生活を振り返った「服薬のメリットデメリット」について、通信制高校に通う場面緘黙の娘さんの卒業後の進路問題「高校卒業後の進路・働き方」、もしかしたら娘はLD・SLD(限局性学習症)なのでは?と感じてから診断・合理的配慮を受けるまでを綴った「学校で受けている5つの合理的配慮」についてなど、さまざまなエピソードをコミックエッセイ仕立てで紹介しています。子どもが小学生になったら「仕事復帰」、願いは叶わずーー。現在高校3年生の娘さん、高校1年生の息子さんは、二人とも小学校1年生でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。行き渋りや早退、学校トラブルなどがある子どもたちへの対応を優先すると、平日仕事をすることはどうしても難しいと感じ、仕事復帰を断念しました。しかし、放課後等デイサービスがきっかけで生活に変化が……!?仕事と育児の両立で悩んでいる保護者の方にぜひ読んで頂きたいコラムです。コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセ……これらのお薬の名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?小学1年生でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さん。服薬も同様に小学1年生から始めました。さまざまな薬を試す中で副作用に悩んだ日々や得られた効果、その後高校生になった息子さんの服薬についての課題や飲み忘れ対策など、服薬について知りたい方にとって参考になりそうな情報が満載です。※服薬については個人差が大きいので、使用の際は必ず医師に相談し、医師の判断に従ってください場面緘黙の娘、高校卒業後の進路はどうする!?現在24歳の娘さん、4歳の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。こだわりが強く、場面緘黙があり、怒りの感情を抑えることが苦手です。小・中学校は学区の学校の通常学級に所属し、週1で情緒障害等通級指導学級(現在の通級指導教室)に通いました。高校は特別支援をしてくれ、通学もできる通信制高校に入学。その後迷ったのは、高校卒業後の進路のことでした。のちのち支援に繋がりやすいことを優先しようと考え、就労移行支援事業所に通うことを選びましたが……気になっている方も多い、将来の就労についてのコラムです。おしゃべりは上手なのに「あ」が読めない……!娘さんが小学校に入学して間もない5月末、国語の音読の宿題に取り組んでいたとき、「あいうえお」の「あ」を読めないことに気づいたハツネさん。「もしかしたらLD・SLD(限局性学習症)なのでは?」と感じ診断・支援のために奮闘をします。LD・SLD(限局性学習症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、DCD(発達性協調運動症)と4種の確定診断が出たことで合理的配慮を受けることに。一体どんな配慮を受けているのでしょうか?ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』は皆さんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントをつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児している皆さんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。皆さんのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知・パートナー(夫婦) 関係・両親(義両親)、親族関係・進学・受験関係・冠婚葬祭関連・反抗期、思春期・自傷・学習関係・不登校、行き渋り・ゲームとの関わり・不器用さについて・ママ友や、ほかの保護者の方とのエピソード・ご近所関係(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年03月08日突然の進路変更で未知の土地、北海道へ……(大汗)。息子が選んだ道なら母も頑張ってみるしかない……か??中学受験を経て、学びの多様化学校である私立中学に通っていたコチ丸。ほぼ不登校だった小学校時代と比較すると、大きく成長を感じてはいたものの、勉強の遅れはなかなか取り戻すことができませんでした。私は、コチ丸の適性や成績などを熟慮した結果、本人の好きなゲーム制作を学べる専門学校と通信制高校が一緒になったA学校を進学先として考えていました。中2の頃から親子で入学説明会などにも参加して、A学校に進学すると疑いもしなかった私。いよいよ中3になって、A学校の入試の申し込みをしようかという矢先、コチ丸は突然、住んでいる愛知県から北海道の公立高校に進学すると言い出したのです。まったく予想もしていなかった進路変更でしたが、コチ丸に詳しく聞いてみると、それには意外な理由がありました。コチ丸が小学校を休んでいた時期、仕事がある私に代わって家で面倒をみてくれていたのは私の祖父(コチ丸にとっての曽祖父)でした。コチ丸は、祖父が好きだった競馬番組を一緒に見ているうちに、「馬を育てたい」という気持ちを抱くようになったと言うのです。そして、馬について学べる公立高校が北海道にあると知り、そこへ行きたいという思いを持つようになった……と話してくれました。とはいえ、北海道という場所に距離を感じていたのはコチ丸も同じで、どこかで夢物語みたいな思いがあり、言い出せなかったようです。しかし、中3になり、いよいよこれが最後の進路希望調査……という時になって、思い余って私にその気持ちを話してくれたのでした。しかし、公立高校なんてそもそも視野に入れていなかった上に、学校があるのはまさかの北海道。一体どうやって受験をすれば良いのか……?右も左も全く分からず、志望する学校や北海道の教育委員会のWebサイトを見ても小難しい言葉が並んでいて、しっかり理解できないままでした。Upload By あきでもまぁ、とにかくやりたいと思ったんなら気が済むまでやる!という、いつものわが家のモットーで、コチ丸が「北海道」という言葉を出した2週間後には飛行機に乗り、見学に向かった志望校。私はどこかでコチ丸が「実際行ってみたら遠いし、公立高校は規則が厳しいからやっぱりあきらめる」とか言い出すのではないかな……とも思ってもいたのです。……が、現地に向かって教頭先生に学校を案内されると、行きたい思いはコチ丸の中でさらに強くなり(笑)、進路は結局、北海道の公立高校に変更になったのでした。Upload By あき勉強は全くできなくても、大丈夫!?馬への熱い想いで勝ち取った学校推薦枠。当然、親子の心配は学力試験でした。立ちはだかるのは偏差値の高い壁……。保険だけはかけておこうと、秋頃にはもともと予定していたA学校を受験。そちらは無事に合格しました。面接のみの試験でしたが、第一志望校の前に受験がイメージできたということと、とりあえずこれで行き場がないということはなくなるなと安心しました(一部戻ってはきたものの、入学金と1年分の授業料も泣く泣く振込みました……)。そして1月、コチ丸は第一志望校の道外からの推薦選抜枠を受験しました。通っている中学校からの推薦があれば、受験内容は内申点と面接のみで良いということだったので、心配していた学力試験は回避することができました。しかし、通っている中学校から推薦してもらうために、コチ丸は中3の1年間はほぼ休まず学校に通い、生徒会長も務めました。小学校ではほぼ不登校、中学入学後も1・2年のうちは週3ほどしか学校に行っていなかったコチ丸にとっては、学校からの信頼を勝ち取るために頑張った努力の1年でした。学校に行けなかった彼にしてみたら、休みたい時も体がだるい時もやりたくないことがある時も……何度も葛藤があった1年だったと思います。親の私は側にいてあげられても、代わってあげることはできない、本人がやるしかない試練でもあり、目標のために本当に頑張ったと思います。当時はコロナの影響もまだ残っており、道外の受験者はオンライン受験もできたのですが、わが家は現地に乗り込んで受験。雪道の中、千歳空港から60駅停まるバスに乗って現地入りしたのは今でも笑える経験です。冬の北海道、半端ない……(笑)。後にコチ丸にわざわざ道外から受験に来たのはうちくらいだったと聞かされました。バスでたどり着いた市内から学校まではさらにタクシーで30分程度かかり、試験が終わる時間も読めないため、コチ丸は1人で学校へ向かい、受験をしてホテルまで戻ってきました。母はホテルで待機している間、不安で落ち着かない時間を過ごしていましたが、当の本人は面談待ちの間に道内の受験生と友だちになり、連絡先の交換までして楽しそうに戻ってきました。北海道へは入学式までなかなか来られないこともあり、まだ合格も分からない入試の日のうちに制服の採寸など一通りのことも街で済ませて帰宅しました。県内だったら私もある程度流れも分かっていたのでしょうが、ルールも全く違う県外の、それも北海道での受験。息子以上に私のほうが戸惑いっぱなしでした……。落ち着いて座ることもままならなかった小学校時代を経て、高校生になるまでに大きく変わったこと。Upload By あき結果は無事に合格。4月、私は会社から1週間ほど休暇をもらい、入学式の数日前から北海道に乗り込みました。これからしばらく会えないコチ丸と3日ほど北海道を旅しながら親子水入らずで過ごしました。入学式の前々日には学校のある市内に入り、寮生活に必要なものをひとしきり買い揃え、その翌日からはコチ丸の寮生活が始まりました。先輩方の視線もあったからか、「もう帰っていいよ」と15年繋いできた手がスルリとあっけなく離れ……そして今、コチ丸は学業成績も上位に入り、学校活動も寮生活でも充実した日々を送っています。授業の受け方1つとっても、小学校の時は落ち着きがなく、座っていることすら困難なコチ丸でしたが、中学では(たまに眠りながらも)席に座ることができるようになり、授業が聞けるようになり、高校では丸1日しっかり勉強に取り組めるようになりました。小学校では自分のことしか見えず、学校の中を縦横無尽に歩き回っていましたが、中学では他者の視点を意識することができるようになってきたコチ丸。席に座って授業をちゃんと受けてみたら、持ち前の興味があることへの集中力と探求心を発揮し、成績はぐんと伸びました。マイペースさはそのままに、穏やかな性格と評されるようになり、今では周りを引っ張っていける存在になってきたようです。気がついたら、短所だと思っていた部分は長所になっていた、そんな気がします。Upload By あき小学校の不登校から学びの多様化学校を経て公立高校へ。順調に聞こえますが、そのなかには常に迷い、悩んで決断してきたコチ丸の姿がありました。発達障害と診断された時は、将来はどうなるのかと母は案じていましたが、自分なりの道をしっかりと模索して、そこへ向けてちゃんと進んでいました。親の私がやれたことといえば、自分も勉強をしてコチ丸に選択肢を示すこと、決断した先に何があっても一緒に受け止めようという覚悟くらいで、結局は見守ることしかしてこなかった気もしますが……。ただ、私もコチ丸が落ち着いていくにつれ、この変わった子育てが面白いと楽しむ余裕が出てきて、今はお互いの相乗効果になっている気がします。ハラハラさせられながらも楽しい進路選択をしてくれたコチ丸に感謝です。執筆/あき(監修:藤井先生より)コラムの続きを楽しみにしておりました。コチ丸さんの悩みながらも、ご自身で決断し、成長した姿をうかがうことができとてもうれしく思います。医師としてまだ20年程度ですが、多くのお子さんと出会ってきました。発達障害と診断され、これからの子どもの将来が心配だと、話される親御さんがいらっしゃいます。しかし、子どもたちは、その子のペースで、親や周囲の大人、学校の友だちなどとの生活を通して、育っていくものだと多くの子どもたちの成長する姿を通じて教えられています。見守るというのは時に難しいですが、必要な支援は整えつつ、お子さんの成長を信じて支えていきたいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年03月07日1歳半健診で発達の遅れを指摘され……。息子の発達障害が分かるまで現在10歳の息子は、2歳でASD(自閉スペクトラム症)、3歳で知的障害(知的発達症)、10歳でADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。こだわりが強い性格です。息子は生後10か月で伝い歩きを始め、1歳4か月で立てるようになりました。ですが、なかなか一人で歩くことができず、言葉もでなかったのです。「発達が遅れているのでは?」と不安を感じていた中で迎えた1歳半健診。そこで「専門の先生に診てもらってください」と指摘を受けました。ショックというよりも、「そうか、一度診てもらおう」と素直に思った記憶があります。Upload By ユーザー体験談小児神経科を受診すると、言葉の遅れがあるため、月1回の言語聴覚療法(ST)をすすめられました。さらに、発達が気になる子どもたちが集まる「地域の遊びの広場」にも月1回参加することになりました。STは、発語につながるなら……と思いながら通いましたが、病院は車で1時間近くかかる場所。運転が苦手な私にとってはなかなか大変でした。それでも、小学1年生の秋頃まで通い続けました。言語聴覚療法(ST)と遊びの広場での学び。初めて見た自傷・パニック息子はSTに喜んで通いました。家にはないおもちゃがたくさんあり、楽しかったようです。「早くやりたい!」という気持ちが強すぎて待つのが苦手で、途中で席を立つことも多かったですが、毎回笑顔でした。「地域の遊びの広場」も息子にとってお気に入りの場所でした。私自身も専門家と話せる機会が増え、その時々の悩みを相談できたのはとても助かりました。ただ、今でも鮮明に覚えていることが2つあります。ひとつは、STの先生に「このまま一生話せないこともあるんですか?」と聞いたときのこと。「……あるかもしれません」と言われて、現実を突きつけられました。私は「いつか話せるもの」と思っていたので、とてもショックでした。Upload By ユーザー体験談もうひとつは、1歳10か月の時のこと。大好きなクレヨン遊びをしていた息子に「お片付けしようね」と声をかけると、大泣きしながら自分の額を床に何度もぶつけ、足をバタバタさせパニックになったのです。初めて見る姿に私は青ざめました。先生は「お帰りしましょう」と一言。クールダウンのためとは分かっていても、「みんなと一緒にいることができない」という現実を突きつけられ、切なかったのを覚えています。Upload By ユーザー体験談不安そうな表情が明るい笑顔に!児童発達支援事業所が成長のきっかけにそんな日々の中、「地域の遊びの広場」の保健師さんから「児童発達支援に通ってみてはどうですか」と紹介され、児童発達支援事業所とつながることになりました。最初に紹介されたのは、車で1時間かかる施設。見学に行き「いいところだね」と夫と話しましたが、遠さがネックに……。施設長さんに相談すると、住んでいる地域にも児童発達支援事業所があると教えてもらい、そちらも見学へ。しかし、残念ながら満員……。悩んだ末、4〜5か月空きを待って、近くの事業所のほうに通うことを決めました。そこでは給食が提供されており、このおかげで息子は偏食が改善されました。さらに「できた!」という成功体験をたくさん積むことができ、自信につながったようです。通い始めた頃の写真を見ると、不安そうな表情。でも、時間が経つにつれ、明るい笑顔にな変わっていきました。Upload By ユーザー体験談「言葉が出なくても焦らない」そんな気持ちを支えてくれた支援息子はなかなか言葉が出なくて、日々とても心配していました。そんな時、支援の方から「今、息子くんはたくさんのことを吸収しています。それが積み重なった時に言葉としてあらわれますよ」と言われ、おかげで「今は吸収の時期なんだ」と自分に言い聞かせ、焦る気持ちを抑えることができました。もし支援に繋がることができなかったら、親子ともにつらい日々を過ごしていたと思います。本当に感謝しています。結局、発語があったのは3歳0か月のとき。現在4年生の息子はおしゃべりもできるようになり、元気に成長しています。今感じている課題はコミュニケーションです。友だちが遊びに来ているのに学校の宿題を始めたり、会話が一方的だったり……。少しずつでも人の気持ちを察することを学んでいってほしいなと思っています。子どもたちはみなそれぞれのペースで成長していくのだなと実感しています。これからも息子のそばでその成長を見守っていきたいです。エピソード提供/ゆきこイラスト/よしだ(監修:藤井先生より)1歳半健診で発達の遅れを指摘され、言語聴覚士さんや児童発達支援施設に通い、息子さんに必要な支援につながってきた貴重なご経験を読ませていただきありがとうございました。お子さんの言葉が出なくて心配されている方の励みになりますね。療育先に悩まれる場合があるかと思いますが、言葉だけでなく、認知面、運動面も含め包括的にみてもらえる児童発達支援施設で療育を受けることは良い選択ですね。地域によっては施設が遠方だったり、空きがなかったりすることがあります。かかりつけの小児科の先生に受給者証用の意見書ないし診断書を書いてもらい、保健センターなどで情報収集を行なって地域での療育先を探されるのが良いです。焦ってもお子さんの成長のペースは一人ひとり違うものです。成長をこれからも見守っていきたいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年03月04日宿題が終わらない・取り掛かれない……保護者はどうサポートする?毎日の宿題に親子でヘトヘト……。宿題に取り掛かるまでに時間がかかる、やっと始めても途中で気がそれてなかなか終わらないなど、日々の宿題にお悩みのご家庭も多いのではないでしょうか。発達ナビのQ&Aコーナーでも、以下のような声が寄せられています。みなさんのお子さんは宿題を家で出来ていますか?小学校3年生のADHDの男の子、特別支援学級(国語、算数のみ)在籍です。家でなかなか宿題ができず1、2年生の頃は授業の中で宿題をやってもらっていました。診断はされていませんが、LDの傾向があり書く事が苦手です。小1の息子がいます。宿題をいつさせるのかが分かりません。(略)16時にすんなりと宿題ができたらいいのですが、フリータイムが長引きなかなか着手できません。小1の娘ですが集中力がなく、学校の準備や宿題などがなかなか終わりません。◯時になったら宿題やろうね、など声かけをしたり、学校の準備も一緒に確認しながらひとつずつやっていますが、すぐに飽きて遊ぼうとしてしまいます。たとえば、鉛筆削りに行くはずが途中でおもちゃに興味が移ってしまい、何をするか忘れてしまいます…まだ1年生なので仕方ない部分もあると思いますが、毎日のことなのになかなか進まないのでどうしたものか…今回はそのような宿題のお悩みについて、鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にお伺いしました。漢字の宿題が大の苦手!?宿題を嫌がる息子にどう対応したらいい?A:宿題の取り組みは、学校から帰宅後のスケジュールを、お子さん本人と一緒に考えることが大切です。宿題の時間だけでなく、お子さんが帰宅後にやりたいことも書き出して、どの順番にするとスムーズに動けそうかを一緒に考えていきます。実践してみて、うまくいったことや難しかったことを一緒に振り返るのもポイントになるでしょう。ただし宿題を嫌がる理由は、お子さん一人ひとりによって異なると思います。その理由を探っていくことも大切です。例えば、手先の不器用さがあって漢字の書き取りに特に苦労している場合もあるでしょう。本人なりに一生懸命書いても、「とめ・はね・はらい」や字の形を指摘されたり、やり直しになったりすることもあると思います。そうすると、お子さんの視点では「せっかく頑張ったのに、認められないし嫌なことがある」という体験になっているかもしれません。頑張ったことがなかなか報われないとなると、宿題が嫌になってしまうのは自然なことかもしれません。ほかにも、放課後やりたいことがたくさんあったり、お子さんなりのルーティンが決まっていたりすることもあるかと思います。例えば、帰宅後ひとまず動画を見ながら一息ついたら、外に友だちと遊びに行って、帰ってくるとお腹が空いているのですぐ夜ご飯を食べる、という流れがルーティンになっている場合などです。ご飯のあとは、一日の疲れがたまっている時間帯なのでなかなか勉強に取り掛かれない、ということもあるでしょう。保護者としては「帰ったらすぐに宿題してほしい」という思いもあるかもしれませんが、帰宅後すぐは休息が必要というお子さんも少なくありません。前提として、子どもたちは学校で頑張ってきているので、お家では自分のしたいことをしたり、ゆっくり過ごして休息をとったりすることは、とても大切です。その時間があるからこそ、また次の日を頑張れるのだと思います。そのため、遊びや休息の時間も確保しつつ、どのタイミングだと宿題に取り組みやすいかをお子さん本人と一緒に考えていくことが大切です。例えば、単に時間で決めるのではなく、子どもが必ず行う活動で楽しみなルーティン(例えばおやつなど)の前に入れるのが良いと思います。一度決めたスケジュールが初めから全てうまくいくわけではないと思うので、やってみた結果を一緒に振り返って調整していくといいでしょう。うまくいった部分はたくさん褒めて、難しかった部分についてどうすれば良いか一緒に考えていきます。手先の不器用さなど「書くこと」の負担が大きい場合には、宿題の内容や量、採点基準などを先生に相談することも大事になるでしょう。Upload By 発達障害のキホン小学5年生の自主学習、ネタが思いつかない?自分で進められるようになるには?A:自主学習や調べ学習のサポートは、お子さんが興味あるテーマを取り掛かりにすることがポイントです。まずはお子さんの興味あるテーマで、調べ学習の進め方自体を学ぶ機会や、取り組めた成功体験にできると良いでしょう。お子さんによっては、宿題がドリルやプリントのほうが取り組みやすく、自分でテーマを決めて進めていくことが苦手な場合もあるでしょう。どう進めたら良いか分からない場合には、進め方自体を教える必要がありますが、すでに拒否感が強いという場合は、テーマ選びが大事になると思います。例えば、スポーツをやっていて、野球が好き・サッカーが好きという場合には、それらをテーマにできると思いますし、ゲームの紹介や攻略法なども取り掛かりやすいかもしれません。こういったテーマで問題ないかどうかは、事前に先生に確認できるとお子さんも安心だと思います。本人が関心のあるテーマで、まずは一緒に調べ学習をして、調べ方やまとめ方などをお子さんが知っていけるといいですね。何度か経験してパターンが分かったり、まとめ方の見本があったりすると、自分でできる範囲も広がってくると思います。また調べ学習について「1.テーマを決める、2.情報を集める、3.まとめる」などステップ化することで、お子さんがどこを苦手としているかがより明確になり、解決の糸口になるかもしれません。「2.情報を集める」については資料やインターネットでの調べ方を教える、「3.まとめ」については最後に端的にまとめる方法を練習するなどのサポートもできるでしょう。分からないことを調べるスキルは、これからの情報リテラシーとしても大切です。Upload By 発達障害のキホンまとめ:宿題のメリット・デメリットや、目的を整理してみよう!お子さんが宿題を嫌がるとき、ご家庭で保護者がサポートするのはとても大変だと思います。全て完璧にやろうとすると親子でより大変になってしまい叱ることも増え、お子さんがますます勉強を嫌がってしまうことにもなりかねません。そのため、宿題は何のために取り組むか?という目的を整理したり、今のやり方のメリット・デメリットを考えてみることも良いと思います。宿題の出来栄えよりも、まずは出すことを目的にする場合と、学校で習ったことの定着を目的にする場合では、重視する部分が変わってくると思います。後者であれば、宿題自体をお子さんに合う難易度や量、取り組み方に調整することも選択肢になってくるかもしれませんね。宿題の取り組みについてご家庭での負担が大きい場合には、学校の先生にも相談していくと良いでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年03月03日道路に飛び出す、物を壊す…強く叱ることで命を守ろうとしていた幼少期Upload By もっつんタクが発達障害の診断を受けたのは小学校1年生の終わり頃のことで、それまでは落ち着きがなくてトラブルが多いのはしつけの至らなさが原因だと思っていました。物心がつく頃から、考えるよりも体が先に動いてしまうタクは、周りの同世代のお子さんよりも手がかかることが多くて、発達に違和感をおぼえていました。ですが、3歳児健診の際に相談しても保健師さんに「考えすぎですよ」と言われ、発達障害の可能性を消してしまいました。幼稚園では集団行動に参加できずに先生に負担をかけることが心苦しくて、常に申し訳ない気持ちでいました。公園に遊びに行った時には、知らない子のおもちゃや三輪車を勝手に使おうとするのでタクを連れて歩くことに負担を感じていた時期もありました。何度も何度も目を見ながら注意したり語りかけたり、遊びに行く前にお約束をしたりと接し方を試していたけれど、毎回のようにトラブルを起こしてしまう……。そのうち私は、親としての無力感やイライラが募っていきだんだん叱り方がきつくなっていきました。特に急に走り出す癖には困らせられました。気になるものがあると周りが見えなくなって走り出してしまうので、道路を歩く際は気が抜けませんでした。何度言葉で説明してもなかなか変わらないので、命に関わるような危険な行動をした際は強く叱るようになりました。義母に言われた「ママは怒らないもんね」にショックUpload By もっつんそれでも、なかなかタクの行動は変わりませんでした。周りに迷惑をかけているのが親としてとても腹立たしかったです。このままだとタクは皆から嫌われてしまうかもしれない……!という心配がどんどん大きくなっていきました。根気強く注意していた私でしたが、周りから見たらタクは「問題がある」と思われるようになっていました。パパも積極的にタクの育児に関わってくれていましたが、どうしてもパパが叱ると「私が」ストレスを感じてしまっていました。私の連れ子であるタクをパパが叱ることに、何故か嫌悪感が湧いてくるのです。叱ってくれてありがたい気持ちと同時に、私の子を叱らないで!という理不尽な怒りが湧いてきていました。とても身勝手な考えではありましたが、可愛いわが子を自分以外の人に叱られたくない!という気持ちから、私一人で背負う!という考えになっていきました。でも、現実には問題行動を減らすことができずに無力感を感じていました。そしてある日、同居していた義母に言われました。「タクには困っちゃうね、ママは全然怒らないもんね」と。義母の目の前で孫を強く叱るのを見ると気分も悪くするかもしれないと思い、気を遣ってきつく叱らなかった私でしたが、まさかそんな風に思われていただなんて……!とてもショックだったし、もっと叱らなきゃいけないのかと暗闇の崖に突き落とされたような気分になりました。児童相談所への通報から一時保護されることに…Upload By もっつんそれから学校や学童でトラブルを起こすたびに、以前よりも強く叱るようになりました。タクが発達障害があると診断されてからは、「タクの行動は特性から来るもの」と分かってはいましたが、少しでもタクに伝わればいいなと思っていたのです。それはパパも同じで、いつの間にかタクが問題行動を起こす度に夫婦そろって強く叱るようになっていきました。丁寧に話をすると、タクはこちらの意図をやっと理解してくれます。しかし、また翌日に同じ間違いを起こすこともしばしばありました。当時の私は「特性だから悪気はないと分かっている……叱りたくないけど、叱るしかない」と思い込み、その考えを抑えられずに苦しんでいました。パパは「特性だからすぐに変わることは難しいかもしれないけど、少しでも親の考えを伝えたい」と感じていたようです。しかし……タクが4年生になったある日。私たちの様子を見た方が児童相談所に通報し、タクが一時保護されるというつらい体験をしました。つらい出来事が私自身の転機にUpload By もっつんタクが将来困らないように、一般常識をしっかり教えたい、命に関わるような危険な行動を止めたい、さまざまな思いが交錯する中でいつしか「強く叱りすぎる」ようになっていたわが家。それは外部から指摘されなければ気付けないような状態になっていました。児童相談所が介入してからは、繰り返し保護者の面談が行われて、認知やコミュニケーションを見直すための援助を受けました。児童相談所に通報されて保護されてしまった時のことは、思い出しても胸が苦しくなる出来事でしたが大きな人生の転機になりました。私自身が病院やカウンセリングに通うきっかけになり、発達に関する勉強をして資格を取得して、タクのことをより理解しようという気持ちが強くなりました。今、わが家はすごく穏やかで、時には喧嘩する時もあるけど何でも話せる家族関係になっていると思います。一人で抱え込まずに、周りの人を頼ってほしいUpload By もっつん発達障害のある子を育てていると、負担がかかる場面も多くて親は常に悩み、疲労困憊な状態が続きやすいと思います。実際に、心身に不調をきたしてしまう人もいます。そして、問題行動の多さから、周りから「しつけがなってない」と思われることもあり、実際に面と向かって指摘されることもあります。そんな時、真面目な人はますます「私がしっかりしなくちゃ!」と自分を追い詰めてしまうのではないでしょうか。つらい時期を過ぎた今だから分かることは、子育ての悩みを自分だけで抱え込んではいけないということです。発達障害のある子の子育てをしていることは恥ずかしいことではないと、当時の私に伝えたいです。義母に指摘された時も、自分自身のできない面を隠さずにさらけ出して関わってもらえばよかった。実親や先生や市の職員さんにも弱音を吐いて、親がカバーしきれない部分をサポートしてもらえば、もっと精神的にも穏やかな子育てができていたのかもしれません。今、当時の私のように悩んでいる方がいたら、決して一人で抱え込まずに、周りの人に頼ってください。そして、自分自身の心も大切にしてほしいと思います。そうすることで、子どもへの関わり方においても気負いすぎることなく、適切に関われるようになっていくのではないかと思っています。執筆/もっつん(監修:初川先生より)ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のあるタクくんを育てる中での母もっつんさんの葛藤、苦しみ、気負いなどつらい時期を経て今感じていることのシェアをありがとうございます。多動や衝動のあるタクくんを守るために、常識的な立派な子に育てるために頑張ってこられたがゆえに、強くりすぎてしまったこと。そして、ステップファミリーがゆえの難しさ、再婚されたパパが自分の連れ子であるタクくんを叱るときの複雑な思い。タクくんが成長とともに「問題がある」と周囲から思われる中で、もっと追いつめられる構図。児童相談所に一時保護されたという保護者からするととても衝撃的かつ大きな出来事。そこからの関係やコミュニケーションの修復やご自身の特性についても捉えなおす機会となったこと。どれもこれも本当に大変な局面だったと思います。もっつんさんが最後に書かれていましたが、1つには、大変な時に弱音を吐く(弱音とは限らずに、大変だと言う)ことがその後の支援を得やすくするきっかけになります。子育ては親が責任もって、他人様に迷惑かけずに頑張るものだという風潮があるために、まじめな方や一生懸命な方は困りごとを抱え込んでしまうかもしれませんね。支援職である私からすると、そもそも子育ては家庭でのみ行えるものではなく、園や学校、地域などさまざまな大人に支えられながら進むものだと感じます。どんなお子さんでも少なくとも園や学校の先生にはお世話になっているはずで、だからこそ、お子さんを真ん中に据えて、育てる上での困りごとや悩みをお子さんに関わる大人たちが一緒に考えていけたらいいなと思っています。また、タクくんの幼少期にもっつんさんは「発達に違和感」を感じられていたとのこと。この違和感も大事にしていただきたいと思います。健診などで相談しても「大丈夫」あるいは「様子を見ましょう」と言われてしまうこともあるかもしれませんが、それでもその後の折々に「違和感があります」と言い続けてほしいと感じます。それを聞いた側(支援者や先生方など)は、そのお子さんをよく見るようになるからです。一番お子さんのことをよく知っている保護者がそう感じるには何かがあるかもしれない。そう思いながら、お子さんのことを見てもらい、保護者のサポーターになっていただけたらと感じます。そして、「強く叱りすぎてしまう」。それほどまでにお子さんの行動を変えたり、言って聞かせたことを実行させたりするのに苦労される場合、あるいは保護者の側が叱らずにはいられないくらいに感情的になるのを抑えられない場合。ぜひとも相談機関や医療機関に相談していただきたいと感じました。地域の子育て支援センターや児童相談所、かかりつけの小児科、小学生以上ならスクールカウンセラーや教育相談室などさまざまな機関があると思います。どこでもいいので、強く叱らざるを得ない、強く叱りすぎてしまうその状況をお伝えいただいて、一緒に考えていけたらいいなと思いました。お子さんに発達障害の特性や症状がさまざまあり、行動面に危うさがあっても、強く叱られ続けていいことはありません。強く叱られることでお子さんが一時的によい行動を取ることができても、別の場面ではまた同じようなエラーや問題行動を起こしてしまうことが発達障害のある子の場合よくあります。それは叱ることが最適解ではないということです。お子さんにどのような対応をしたらよいのか、あるいはお子さんがエラーや問題行動を起こさないようにする事前の工夫はどんなものがあるのか。お子さんはコミュニケーションを学ぶ時期でもあります。強く叱るコミュニケーションをモデリングとして取り入れていくのではなく、よきコミュニケーションを見せていくためにはどんな工夫ができるか。そのあたりをぜひ支援者や先生方と保護者の方が一緒に考えていけるといいなと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月27日おしゃべりは上手なのに「あ」が読めない⁉小学校入学直後発覚した娘の困りごと私には小学1年生、7歳の娘がいます。娘が小学校に入学して間もない5月末、国語の音読の宿題に取り組んでいたとき、娘が「あいうえお」の「あ」を読めないことに気づきました。「どうしたの?これは『あ』だよ」と教えても、娘は「分からないよ!」と困ってパニックに。教科書に並ぶ「あ」「い」「う」の文字を前に、親子でただ戸惑うばかりでした。普段はおしゃべりがとても上手で、コミュニケーション能力も高いのに、なぜ読めないの?私は背筋が凍りました。娘の目には、文字がどんなふうに映っているのだろう、と。Upload By ユーザー体験談娘は1歳半健診の際に発達遅延を指摘されたので、週5日、療育センターに通わせていた時期があります。そのおかげで発達障害についての知識は多少ありましたが、未就学時には診断はつかず、小学校入学前の就学時健診でも、もともとある弱視以外に特に指摘されることはありませんでした。私はすぐにインターネットで検索、「もしかしたらLD・SLD(限局性学習症)なのでは?」と思いました。もしそうなら、診断を受けられる病院や地域の発達支援に早くつながらなければ、と考えたからです。しかし、ちょうど娘が小学校に入学するタイミングで引っ越したばかりだったため、新しい地域の発達支援についての知識がまったくなかった私。県が公開しているLD・SLD(限局性学習症)を診察してもらえる病院リストに掲載されていた病院をかたっぱしから調べました。ですが——。一日も早く診断をもらい、配慮が欲しい……のに地域の病院は全滅⁉まず、Webサイトがある病院は全てWebサイトを確認。その時点でクリニックは軒並み初診受付をしていないことを知りました。それなら総合病院だと電話をすると、クリニックからの紹介状がないと受診できないと断られました。引っ越ししてきた経緯とクリニックが初診受付をしてない旨を話しましたが、ダメでした。(どうすればいいの!)Upload By ユーザー体験談実は引っ越しする際、この地域の発達支援は遅れている……という嘘か誠か分かりませんが、そんな噂を聞いたことがあった私。こういうところが積み重なって噂になっているのかも……と困惑しました。もう越境するしかない!と、隣接県の病院の調査を開始しました。いちいち医療費還付請求などをするのは面倒ですが、娘の大事な時間には変えられません。そしてついに隣接県のクリニックで予約を取ることができました。幸いにも電車で一時間程度で行ける場所でした。初診で娘の様子や生育歴、簡単な親からの聞き取り調査、娘が書いた学校のプリントなど持っていった結果、すぐにLD・SLD(限局性学習症)の強い疑いあり、とお医者様が判断してくださいました。「発達検査がまだなので診断書は出せませんが、病院と医師の名前を出していいので、学校や住む地域の教育センターに支援・配慮を求めるようにしてください」とアドバイスをいただき、少しでも早く娘に合理的配慮を思った私は、教育センターに連絡し、面談をしました。やっとできた発達検査。LD・SLD(限局性学習症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、DCD(発達性協調運動症)と4種の確定診断が出た娘教育センターで発達検査は実施してないと言われたので、検査は隣接県のクリニックで行うことになりました。毎日毎時間、キャンセルで空く時間はないかと病院の予約アプリに張り付き、なんとか早めの日程で予約をを確保。実施した検査はWISC-VとSTRAW-Rです。検査の結果、ワーキングメモリが低めの総IQ107。知的障害(知的発達症)のないLD・SLD(限局性学習症)と診断がでました。また同時に、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、DCD(発達性協調運動症)も確定診断がつきました。言われてみれば確かにそれぞれの症状はあるのですが、そこまでと重複してると思ってなかったので、驚きました。診断も出たため、教育センターから学校に娘の支援について連絡が行き、夏休み前、特別支援コーディネーター、教頭先生、担任の先生、私の4人で面談が行われ、学校での合理的配慮の始まりとなりました。Upload By ユーザー体験談私がLD・SLD(限局性学習症)を疑い始めてから、わずか3ヶ月でここまで来ました。すごいスピード感です。もし受け身で待っていたら、もしかしたら3学期になっても具体的な支援方法にたどり着けず、勉強につまずきを感じてしまっていたかもしれません。頑張ってよかったと心から思いました。娘が受けている具体的な配慮は5つ!来年度も通常学級でと言われ学校で娘が受けている合理的配慮をご紹介します。・音読は一人でさせない・電子読み上げではない読書を強要しない・タブレットによる黒板の撮影許可・必要な場で担任の読み上げ補助・タブレット端末によるマルチメディアデイジー教科書の使用、それに付随してヘッドフォンの使用許可Upload By ユーザー体験談参考:マルチメディアデイジー教科書|(公財)日本障害者リハビリテーション協会文字で見ると多く感じるかもしれませんが、LD・SLD(限局性学習症)の特性が分かっていれば、思い至るような内容だと思います。実はこれらの配慮は私が調べ、考えました。当時、地域にはLD・SLD(限局性学習症)に対応してくれるところがなく、学びの支援を外部に求められませんでした。本当なら、専門の人に娘の学習支援方法を一緒に考えて欲しかったのですが……頼れる人もいなかったので、自分なりに調べて娘に必要な支援というものを探し続けました。家では毎日数時間、娘の宿題を手伝っています。夏休み中、LD・SLD(限局性学習症)用の触読トレーニング教材に取り組んだら、字そのものを判読する力は劇的に伸びました。文章の理解ではなく「あ」を「あ」と読む力です。文章の理解は読み上げがないと難しいため、私が代わりに読みました。娘はほかにASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、DCD(発達性協調運動症)もありますが、本来の運動能力自体が高く、勉強にも読めない関係以外で困りごともないため、特に配慮はありません。ただ、机の中が片付かない、多動性などがあるため医師に相談し、コンサータを服用して対応中です。「待つ」のではなく、積極的に動いてよかった!やっとLD・SLD(限局性学習症)を支援してくれる放課後等デイサービスも見つかりました地域の病院とつながることができず、相談できる先もなく、ここまでたどり着くのは本当に大変でした。運が良かった部分もあるかもしれませんが、何よりも「待つ」のではなく、自分から積極的に動いて正解だったと感じています。また、小児神経専門医の先生がいる病院に絞って探していたのもあってか、素晴らしい先生に診ていただき、私たち親子が困らないようアドバイスをいただけて本当に感謝しています。先日、学習支援個別計画を立てて支援してくれる放課後等デイサービスをついに見つけました。この放デイは訪問支援も行っているので、学校と保護者の間に入り支援方法を一緒に考えてくれるそうです。ようやく、私が娘に欲しかった学習の支援に繋がれる気がします。2年生への進級も迫ってきましたが、学校からは娘は通常学級でと言われています。娘には、特性を理由に学習したいことを諦めなくていいように、代替法をしっかり学びながら健やかに育ってほしいです。イラスト/SAKURAエピソード参考/ハツネ(監修:室伏先生より)娘さんが、診断に至るまでの経緯や、支援につながるまでのご家族の努力などについて、詳しく共有くださり、ありがとうございました。学習の困難さの原因は、LD・SLD(限局性学習症)以外にも、知的発達症、ADHD(注意欠如多動症)などさまざまであり、その判断には、問診、行動観察、発達・知能検査などを含めた適切な評価が必要となります。LD・SLD(限局性学習症)は、知的発達に比して、学習に必要な特定の機能(読む・書く・聞く・話す・計算する・推論する)に困難さがあることを言います。知的障害(知的発達症)では、全般的な知的発達の遅れがある(全体的にゆっくり)であり、発達・知能検査や読み書きの検査などで学習障害と区別しますが、平仮名を憶えられない、すらすら音読ができない、読み書きを嫌がるなどの症状は、知的障害(知的発達症)、LD・SLD(限局性学習症)のいずれでもみられることがあり、検査を行わないと判断が難しいこともあります。ADHD(注意欠如多動症)では、授業の話に集中できない、自分の興味のあることに興味が惹きつけられてしまうなどの症状が学習の困難さにつながることもあります。それぞれ、適切な支援の方法が異なるため、まずはそのお子さんの困難さの原因を正確に理解することがとても重要になります。LD・SLD(限局性学習症)への支援としては、語彙を増やし、文字と音の関連を理解する力(音韻認識)を高めるトレーニングに加え、合理的配慮を取り入れることも重要です。書いてくださっている通り、読みのサポート(ルビの付与、拡大表示、読み上げソフトやデジタル教科書の活用)や、視聴教材やプリントの活用、タブレットでの黒板の撮影、テスト時間の延長などが望まれます。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年02月25日言葉に頼らないから、だれでも楽しめる!舞台「フクローじいさんとベル子ちゃん」Upload By 発達ナビ編集部2025年2月16日(日)、高槻城公園芸術文化劇場にて、舞台『フクローじいさんとベル子ちゃん』大阪公演が行われました。2022年東京公演、2023年久留米公演に続く、第3回目の公演となる今回は、申込開始から2週間足らずで車いす席を除くチケットが定員に達するなど、注目度の高さがうかがえました。言葉に頼らず、動き、表情、仕草や音楽で表現される本作は、障害の有無、国籍や年齢などに関係なく、だれでも楽しめる「ノンバーバル(言葉に頼らない)」な演劇作品です。劇場で舞台を楽しんでいたのは、0歳の赤ちゃんからお年を召した方まで、実に幅広い年齢層の方々。ベビーカーに乗ったお子さんや、車いすで鑑賞している方もいらっしゃいました。Upload By 発達ナビ編集部また、客席の定員は通常より少なめで、パーソナルスペースを確保しやすいほか、場内の明るさや音量の調整、イヤーマフの貸出、手話通訳・日本語字幕の提供、希望者への台本貸出、ひと休みルームの設置など、細やかな配慮がなされていました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、DCD(発達性協調運動症)、精神障害、視覚障害、聴覚障害、その他さまざまな障害の方からのお申込みも多かったとのことで、このような配慮が舞台鑑賞時の安心につながっていたのではないかと思います。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部演出から公演の運営面まで、演劇の楽しさを一人でも多くの人に伝えたいという思いが随所にあふれている本作。どのようにして、このような劇場空間をつくり上げていったのでしょうか?本作の脚本・演出を担当したゴジゲンの目次立樹さん、国際障害者交流センタービッグ・アイ事業プロデューサー兼副館長の鈴木京子さんにお答えいただきました。「劇場に来られない人にも届けたい」、そんな想いからスタートした作品――はじめに、舞台『フクロ―じいさんとベル子ちゃん』について、上演のきっかけや想いについて教えてください。目次立樹さん:この作品は「いろんな理由でなかなか劇場に来られない人にも届けたい」、そんな想いからスタートしました。自分の町の劇場に、自分が観ることができない作品ばかり並んでいる……それは寂しいですよね。私自身も、小さい子どもを連れて入れないという理由で観劇をあきらめることが多いです。どうにかならないものかと、ぐぐぐ~っと劇場の入り口を広げてみました。そして生まれたのが、全世代が楽しめる、動きだけでストーリーが分かる、子どもに優しい上演時間、(お財布にも優しい!!)、本作です。心置きなく作品と、劇場という空間を楽しんでもらえたら幸いです。――舞台『フクロ―じいさんとベル子ちゃん』上演にあたり、演出面で大切にされたこと・工夫されたことはありましたか?目次立樹さん:情報の出し方ですね。できる限り分かりやすくしますが、全てが全て理解しやすいと、途端につまらなくなってしまいます。観る側の想像を丁寧に掻き立てつつ、その想像を安全に着地をさせる。そのプロセスを繰り返しながら、創作しています。――今回はノンバーバル(=言葉にたよらない)な演劇作品を上演していただきました。今後は、どのような作品をつくっていきたいと考えていらっしゃいますか?目次立樹さん:私個人が作りたい作品よりも、今の時代こんな作品が必要なのでは?という視点を大事にしたいです。舞台を観たい、舞台に立ってみたい、でも機会がない、そんな方々に寄り添えるような創作ができればと思っております。文化芸術を通して共生社会の実現へ。国際障害者交流センタービッグ・アイの取り組みとは?――今回の公演では、車いす席の設置、手話通訳の手配、日本語字幕の表示、イヤーマフの貸し出しなど、さまざまな鑑賞サポートが用意されています。劇場のアクセシビリティに関するお取り組みについて教えてください。鈴木京子さん:国際障害者交流センタービッグ・アイの事業は、すべての人が安心して参加できるよう、「情報保障」を提供しています。車いす利用者向けのアクセスサポート、聴覚障害のある方への手話通訳や日本語字幕・外国語字幕の提供、視覚障害のある方への日本語音声ガイドや解説など、多角的なサポート体制を整えています。さらに、心理的なバリアによって文化活動への参加が制限されがちな方々にも配慮しています。特に2014年から開始した劇場体験プログラム「劇場って楽しい!!」は、知的・発達障害のある子どもや大人を対象とした取り組みです。このプログラムでは、感覚過敏に対応する工夫や、分かりやすい情報提供を行い、障害特性を考慮した公演づくりを進めています。また、この取り組みをさらに広げるため、全国の公立文化施設等と連携し、障害のある人が参加できる事業を運営するための人材育成や施設づくりを推進しています。現在、日本において障害のある人が文化芸術に参加する機会は、物理的・情報的な障壁や心理的なバリアなど、さまざまな要因によって十分とは言えない状況です。そのため、参加したいと思っても情報が届かず、会場に行けない、または内容が理解しにくいといった課題があります。また、文化芸術に参加することで得られる人との交流や楽しみ、自己表現の機会がまだまだ少ないのが現状です。ビッグ・アイは、こうした課題を解決し、地域に根差したインクルーシブな文化芸術の発展をめざすとともに、障害のある人たちが文化芸術を通じて社会に参加する機会を広げ、生活に豊かさや潤いをもたらすことをめざしています。また、文化芸術を通じて、障害のある人もない人も互いに尊重し合い、共に生きる社会の実現に向けた取り組みを進めています。――最後に、ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」は、発達障害のあるお子さんの育児をされている保護者の方や、支援者の方に多くご覧いただいています。皆さまへメッセージをお願いします。目次立樹さん:今、世界中の劇場で、そのスピードは遅いかもしれませんが、さまざまな特性を持つお子さんにも開かれた場所を目指す動きがあると思います。文化芸術に携わる多くの人々の意識が変わりつつあります。私もその変革の一端を担えたらと思っています。おわりに「フクローじいさんとベル子ちゃん」大阪公演の舞台裏、いかがでしたか?つくり手の方々の熱い思いを知ったうえで劇場に行くと、また違った視点で楽しむことができそうですね。今まで興味があっても劇場に行くことをあきらめていた人も、このような取り組みが広まることで、ハードルがぐっと低くなるのではないでしょうか。誰もが気軽に楽しめる劇場が、全国どこにでもあるのが当たり前……そんな未来も近いかもしれません。Upload By 発達ナビ編集部目次 立樹(めつぎ・りっき)俳優・脚本・演出家。1985年生まれ、島根県松江市出身・在住。松居大悟とともに旗揚げした劇団「ゴジゲン」の活動を中心に、数々の舞台、映像作品に出演。主な出演作に、映画『くれなずめ』、映画『アルプススタンドのはしの方』、パルコ・プロデュース「Birdland」、シアターコクーン・オンレパートリー「民衆の敵」など。ほかに、とりアート2021「オト・コト古事記」(演出)、とりアート2023「ゆたかの星」(脚本)など、地元山陰での活動も精力的に行っている。現在、NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』内で放送している人形劇「ファンターネ!」の原案・脚本を担当。Upload By 発達ナビ編集部鈴木京子(すずき・きょうこ)1999年舞台・イベント制作会社有限会社リアライズを設立。2001年同年より国際障害者交流センタービッグ・アイの事業企画に関わる。2011年株式会社リアライズ退社、国際障害者交流センター ビッグ・アイ 事業プロデューサー2018年~国際障害者交流センタービッグ・アイ副館長(現在)ビッグ・アイの仕事をきっかけに障害のある人が舞台芸術に表現者や鑑賞者として参加できる舞台の企画、制作や全国の劇場・音楽堂等の研修会講師、企画・制作等のコーディネートをおこなう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年02月24日「障害児育児と仕事の両立」発達ナビでのアンケート結果、発達ナビ利用者の皆さんから寄せられたコメントも紹介!Upload By 発達ナビ編集部フルタイムで働いている (21%)時短勤務で働いている (13%)パートやフリーランスなど時間の調整が可能な形態で働いている (39%)現在働いていない (21%)その他 (6%)発達ナビでは利用者の皆さんへアンケートにて「障害児育児と仕事の両立」についての体験を募集いたしました。「パートやフリーランスなど時間の調整が可能な形態で働いている」が39%と一番多く、そのあとに「フルタイムで働いている」、「現在働いていない」が21%と続く結果となりました。育児と仕事の両立でどのような葛藤、選択があったのか、アンケート内のコメントを抜粋してご紹介いたします。※本アンケートは発達ナビ内の「みんなのアンケート」を母体としています。このため、一般集団のアンケート結果とは異なります。・パートやフリーランスなど時間の調整が可能な形態で働いている私自身もADHD持ちです。独身時代にフルタイムではない仕事を3つ掛け持ちしてましたが、そのうちの1つを在宅ワークとして細々と続けてます。息子が小さい頃は小学生になったら働きに出ようと思ってましたが、手がかかる息子の対応と、もともと苦手な家事(特に片付けと掃除ができない)をこなすだけで正直いって精一杯です。・パートやフリーランスなど時間の調整が可能な形態で働いている平日週4日で、短時間のパートで働いています。今の職場は、時間や休みが基本固定で、自由に休みの変更ができるところで助かっています。用事はなるべく固定休に入れるようにして、そうでなければ休みを変更したり…。急な呼び出しとかがあっても、融通がきくところで、働きやすいです。・現在働いていないできればパートで働きたいのですが、子供の学校の送迎、宿題や授業のフォロー、行事の付き添いや学校トラブルのフォロー、準備や片付けのフォローで手一杯で、働く余裕がありません。ほっといても改善するとは思えず、今必要な手助けを、と思い、日々寄り添っています。「障害児育児と仕事」関連コラムはこちら苗さんはフルタイムで働いていましたが、息子さんがこども園の年中、発達特性が目立ってきて登園をぐずるようになったことに伴い、働き方をフリーランスに変えました。児童発達支援、宿題対応……お子さんと過ごす時間も増えフリーランスになって受けた恩恵もたくさんありましたが、それと同時に代償になったものも多かったとのことでした。あきさんのお子さん、コチ丸くんは生まれてすぐから敏感だったと言います。昼間は抱っこして寝かしつけても布団に置くとすぐに泣き出したり、ちょっとした物音にも敏感で起きてしまったり……。毎晩寝る前には1時間近く泣いていたこともあり、あきさんのメンタルはますます弱り産後うつ状態に。そんな現状を打破できたのは、生後8週から預かってくれる保育園を見つけたことでした。風邪から肺炎を繰り返し……保育園、辞めるしかない!?星きのこさんのお子さんのきいちゃんはダウン症の診断を受けています。0歳の時に保育園に入りましたが、度重なる体調不良のきいちゃんを見て、星さんは自分の仕事のことよりも「きいちゃんの母であることを優先しなければ」、「とにかくきいちゃんの健康を守らなければ」と思い、「保育園は辞めるしかない」と気持ちが固まってきていました。しかし、新たに担当になった保健師さんに言われた言葉にハッとして……。かなしろにゃんこ。さんは発達障害のある息子さん、リュウ太くんを育てる中で危険な遊びをする子どもを見張ること、宿題をなかなかやらない子を促すこと、特性から就寝前の本読みが1冊で終わらないことなど……何かと子育てに時間をとられてしまうことが悩みでした。それに加えて仕事もしていたので、急ぎの仕事に対応する日は深夜2時に寝るなんてことが続き、完全に寝不足で精神状態も不安定に……。そうなると親子での喧嘩も増えてしまい悪循環になっていき……このままではダメだ!と感じたかなしろさんの打開策とは?誰もが働きやすい世の中へ現在では共働きのご家庭が増加傾向にあり、2022年のデータでは1,200万世帯を超えているとも言われています。そんな中、お子さんの障害があることで働き方やキャリア形成、お子さんの将来への不安などを感じる方も多いことと思います。このような状況を変えていくために、「育児・介護休業法」の改正が2024年5月に成立しました。これにより育児と仕事の両立ができ働きやすい世の中になっていくことを願うばかりです。参考:育児・介護休業法について(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月23日平均的な成長をしていた乳幼児期。しかし発語が遅く、1歳半健診で様子見にわが家の息子のトールは、小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。生まれた時には特に異常はなく、おすわりや寝返り、身長・体重なども、ずっと平均的なスピードで成長していました。しかし、言葉に関しては通常の目安とされる時期になっても出てくる気配がなく、1歳半健診の頃にもまだ発語がありませんでした。1歳半健診の事前アンケートで、「わんわんなどの意味のある単語をしゃべりますか」という質問項目があったのですが、それだけ「いいえ」の回答になりました。1歳半健診で保健師さんと相談した結果、発語の遅れがあるので定期的に様子を見ましょうということになり、2〜3か月に1回のペースで自治体の保健師さんと面談を行うことになりました。Upload By メイ癇癪、多動、他害……言葉の発達以外にも気になる点がその頃のトールは、自分のやりたいことへの欲求が強く、止められるとひどく癇癪を起こしたり、外に出掛けると私から離れてすぐに自分の行きたいところに走って行ってしまったりしていました。私はそんなトールと1日中2人きりで過ごしていたので、対応の仕方など悩みも多く、保健師さんとの面談ではいろいろな話を聞いてもらっていました。Upload By メイ発語に関しては、目安の時期からは遅れたものの、だんだんと出てくるようになりました。平均的な発達の子どもが2語文を発するようになる頃には、トールも意味のある単語をしゃべるようになっていました。保健師さんも、平均的な発達の時期から遅れてはいるけれど、トールなりのスピードで少しずつ成長が見られるということで、現時点ではまだ療育は考えず、このまま様子を見ていくことを勧められました。わたし自身は、トールの発語が遅いことを、そんなに悩んでいませんでした。当時は、トールの他害や癇癪が激しかったこともあり、年齢の近い子どもとの交流がほとんどなかったので、周りの子どもとトールを比べることもありませんでした。ただ、トールがほかの子よりも癇癪などが激しいということは、わたしも自覚していたので、何かしなければいけないという気持ちはありました。本などで発達障害のことも知っていたので、もしかしたら発達障害か、そうでないとしても同じような特徴を持っているかもしれないと思っていました。Upload By メイ発達の遅れや特性に気づきながら、療育を受けなかった理由そこまで考えていてすぐに療育などにつながらなかった理由は、やっぱり保健師さんからの、まだそこまで考えなくてもいいんじゃないかという意見が大きかったです。しかし、それだけが理由ではなく、わたし自身も積極的に療育に連れて行こうという気持ちになれませんでした。療育のイメージが湧かなかったというのもありますが、療育に行くとどうしても年齢の近いほかの子どもたちとの交流があると思ったからです。癇癪が激しく、他害が出やすいトールを、同じ年代の子の輪の中に連れて行く気力が、その頃の私にはどうしても出てきませんでした。そんなわけで、トールの発達の遅れや特性の強さには気がついていたものの、当時は療育機関には通いませんでした。その代わり、本などで発達障害のことを自分なりに勉強し、声かけの仕方などを工夫し、対応を変えていくようにしました。当時の決断に後悔なし!小学6年生になった今感じることもっと早く支援に繋げてあげるべきだったという意見もあるかもしれませんが、わたしはそういう後悔はしていません。あの頃の自分にできることを、自分で選んでしていたと思うからです。今、トールは特別支援学級に在籍していて、放課後等デイサービスに通っています。私以外にも支援という点でトールに関わってくれる人がいることは、とてもありがたいことだと感じています。周りの人の力も借りながら、これからもトールの成長を見守っていけたらと思っています。Upload By メイ執筆/メイ(監修:新美先生より)1歳半健診のときに発語の遅れがあったものの、実際に診断を受けたのは1年生のときだった経緯について詳しく教えていただきありがとうございます。トールくんは1歳半で発語の遅れがあり、その時から保健師さんと面談をされてその都度の相談をされていたのですね。その後ことばは増えていったものの、メイさんとしては癇癪など発達特性の強さを感じて、本を読むなどして対応のしかたを工夫されていたのは素晴らしいですね。発達障害の診断時期については、一般的に早期のほうがよいと言われることもあるのですが、実際にはケースバイケースです。発達障害の診断はあいまいなところも多く、生来の特性の強さだけでなく、環境との兼ね合いで本人や周りが困っているかという要素に左右される面もあります。発達障害は「治す」という性質のものでもないので、がんなど治療可能な病気とは、早期発見の必要度は全く異なるものです。一般的に早期発見、早期療育がよいと言われるのは、ご本人の特性に合った対応が早く分かったほうが、ご本人や保護者・周囲の方たちにとって困ったり、不安に思ったりすることが減るという意味合いが大きいです。メイさんの場合、保健師さんに相談したり、ご自身で本を読んで工夫をしたりして十分対応できていた時期には、療育を求める必要性を感じていなかったのでしょう。その時期に、受診や検査を受けることを強く勧められても、かえって戸惑われたかもしれません。振り返っても、後悔なしと言い切れるのは、メイさんがトールくんの子育てをしっかり考えて必要なことをご自分で決めてきたからなのでしょう。素敵です。診断は一概に何歳ぐらいがいい、いつまでにと決められるものでもなく、それぞれにちょうど良い時期やタイミングがあるので、地域の体制としては、検査や診断が受けたいというニーズがあった際にはできるだけ速やかに、しかるべき機関につながれる体制をつくっておけることが理想だとは思っています。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月18日息子の特性と診断までの道のり現在高校1年生の息子は小学1年生の6月、ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。知的障害(知的発達症)はありません。「元気で活発な男の子」だと思っていましたが、年長の時に担任の先生から「落ち着きがない」と指摘を受けました。小学1年生で児童精神科を受診、初診日からコンサータの内服を勧められ、びっくりした覚えがあります。今回は息子の服薬歴、そして今の服薬状況についてお話いたします。どなたかの参考になれば幸いです。※服薬については個人差が大きいので、使用の際は必ず医師に相談し、医師の判断に従ってください初診でコンサータを勧められた息子は「勉強に集中できるなら、お薬飲みたい!」初診時、息子は診察室に興味津々でした。部屋にある箱庭やおもちゃが珍しかったようで、医師から「座るように」と言われ一度は座るものの、直ぐに立ち上がって診察室をうろうろ。そんな様子を見て「多動性がかなり強いですね。指示がなかなか入りませんね」と先生。放置すれば多動性と不注意で、登下校時に交通事故にあったり、学校の窓から落ちたりと事故が起こる可能性が高いと指摘されました。まずは内服して、多動性を抑えましょうと勧められました。Upload By ユーザー体験談息子には「授業に集中して勉強するために、お薬が必要なの。それと、あなたはときどき信号機を見ないで横断歩道を渡ろうとしてしまうよね。この薬を飲むことで落ち着いて行動できるようになるから、交通事故も防げるよ」と説明しました。息子は、自分の特性を何となく理解したようで、「勉強に集中できるなら、お薬飲みたい!」と言い、こうしてコンサータの服用を始めました。ただ、息子には副作用が強く出たのです。Upload By ユーザー体験談コンサータの副作用で1か月で体重が5kgも減。ストラテラやインチュニブを試すも効果が出ず医師から副作用が出る可能性はもちろん説明をされていましたが、息子の場合、かなり強く出てしまいました。腹痛、食欲不振で給食が半分以下しか食べられず、1か月で体重が5kgも落ちてしまいました。息子は「給食を全部食べないと最後のデザートを食べてはいけないという決まりがあるから、僕はいつも食べられない……」とベソをかいていました。給食の時間は、息子にとって、とても苦痛な時間になってしまったようです。私も養護の先生から、毎年の健康診断後に呼び出しがあり、「家でちゃんとバランスのよい食事をとっていますか?」と指導をされました。体重は5kg落ちてからその後は減っていないとはいえ、私としては、偏食の息子に合わせて食べられる魚料理をできる限り多めにつくったり、ソースがほかのものに混ざるのを嫌がるため注意深く盛り付けをするなど頑張っていたので、否定されているようで悲しくなりました。Upload By ユーザー体験談薬を変えようとストラテラ、インチュニブを試したこともあったのですが、薬を変えると多動が顕著になり、救急外来を受診するほどの大けがもしてしまったため、コンサータの服用を続けるしかありませんでした。新薬ビバンセの治験が開始。少しでも副作用がなくなれば……という思いで参加息子が高学年になった頃、新薬ビバンセの治験が始まりました。医師から勧められ、少しでも副作用が軽減されれば……と参加を決意しました。幸いなことに息子にビバンセは合っていたようで、腹痛などの副作用が軽減されました。息子は「お腹が痛くないからうれしい」と話し、私も本当にうれしくて……。しかし、長年の小食生活が影響してか食事量が増えず、なかなか体重は増えませんでした。ですが、少しずつ食べられる量を増やしていけるようになったので、本当に良かったと思っています。これ以降息子はビバンセを服用し続けています。高校生になった息子と課題。わが家の飲み忘れ対策診断を受けた時は、「成長とともに、多動が落ち着いてくる場合もあります。そうすれば、内服を中止することもできます」と説明を受けましたが、高校生になった現在も薬が息子にとっての「命綱」であると実感しています。毎朝ビバンセを内服していますが、土日などは飲み忘れがちで、「なんだか息子がイライラしてるなぁ……。」と思って確認をすると、飲んでいなかったということがほとんどです。Upload By ユーザー体験談そういう場合、すでに癇癪を起こしている状態ですが、内服忘れに気づいたときには、早急に飲むように促しています。息子自身も、薬を飲まないとイライラすることが分かっているので、素直にすぐ飲んでくれます。今は、1週間分の薬を私が薬箱にセット。息子には、夕食後に翌日1日分の薬を箱から出してセットしてもらう訓練をしています。しかし、セットも忘れるし、飲み忘れもあるため、親なきあと、息子自身が病院を受診したり薬を管理することは難しいのかもしれないと感じています。中学3年の冬には精神障害者保健福祉手帳3級を取得しました。将来を見据え、障害者雇用やグループホームの利用も視野に入れています。これからも息子の成長を見守りながら、彼の特性に寄り添い、息子が安心、安定して、少しでも自立した生活を送れるよう、家族一丸となって支えていきたいと考えています。イラスト/keiko※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:鈴木先生より)コンサータの食欲低下の副作用が80%程度だとするとビバンセは60%程度でコンサータよりは食欲低下の度合いが低いと一般的には言われています。それでも食欲の低下が気になるようでしたら私の外来では、モサプリドなど胃食道逆流を防ぐお薬を併用しています。ストラテラは食後であれば吐気を抑えられますが食事抜きで服用すると副作用の吐気が出て食欲低下につながります。どうしても体重が気になる場合は胃腸系副作用の少ないインチュニブに変更しています。コンサータとストラテラで内服する薬の数が多い場合は怠薬につながるため1日1回1カプセルで済むビバンセに変更することが多いです。ビバンセは夕方の効果がコンサータに比べて良いと言われています。コンサータ・ストラテラ・ビバンセはカテコールアミンの補充ですが、インチュニブはシナプス間の情報伝達促進の作用があります。前三者はシナプス前(神経伝達物質)に働くのに対し、後者はシナプス後(受容体)に働き、作用する場所が異なります。そのため、ビバンセ+インチュニブの組み合わせで治療しているお子さんも多いです。コンサータやビバンセは資格のある医師と薬剤師しか処方できず、登録カードをつくる必要があります。ビバンセは18歳未満から服用していれば18歳を過ぎても服用し続けられます。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月17日触れて感じよう!東京都渋谷公園通りギャラリー『今村遼佑×光島貴之感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展』2月15日~5月11日開催Upload By 発達ナビニュース東京都渋谷公園通りギャラリーでは、2月15日(土)~5月11日(日)に『今村遼佑×光島貴之感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展』が開催されます。本展は、美術作家・今村遼佑さんと全盲の美術作家・光島貴之さんの二人の対話から生まれた作品と、感覚をめぐるリサーチの記録を中心に構成されています。世代も制作スタイルも異なる二人が、2022年頃から模索してきた美術作家としての個々の感覚の違い、そしてそこから生まれた新たな表現を、ユニークな作品へと昇華しています。鑑賞者がさわることのできる作品が多数展示される今回の展覧会。今村さんの作品「プリぺアド・トイピアノ」は、おもちゃのピアノに触れると、鍵盤の数と同じ32個の仕掛けが3つの展示室のどこかで動きます。また、光島さんの作品「さやかに色点字 ― 中原中也の詩集より」は、釘やカッティングシートなど、手ざわりの異なる多様な素材の組み合わせに触れることで、光島さんの感じた世界をたどることができます。このように直感的に楽しむことのできる作品の展示のほか、今村さんと光島さんによるトークイベント、プリペアド・トイピアノ演奏会、お二人が共同制作した作品「触覚のテーブル」を用いたワークショップ、バリアフリースポーツ「スルーネットピンポン」体験会など、参加型のプログラムも多数用意されています。一人ひとり異なる「感覚」を、数学の問題に用いられる「任意の点P」になぞらえ、それぞれの〈感覚の点P〉を通して、多様な世界の在り方を体感する……そんなユニークな試みの数々が楽しめる展覧会を、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。【詳細】今村遼佑×光島貴之感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展会期:2025年2月15日(土)~5月11日(日)開館時間:11:00~19:00休館日:月曜日 (2月24日、5月5日は開館)、2月25日、5月7日会場:東京都渋谷公園通りギャラリー展示室1・2、交流スペース入場料:無料※クリックすると、発達ナビのWebサイトから『東京都渋谷公園通りギャラリー』のWebサイトに遷移します。講師への質問タイムも!ぜんち共済が『~「働きたい」を応援したい~「障害者の就労」座談会』オンラインセミナーを2月22日開催Upload By 発達ナビニュース近年、障害に関係なく、誰もが希望や能力に応じて職業を通して社会参加できる「共生社会」実現のため、法定雇用率の引き上げや支援策の強化が実施されています。今回、ぜんち共済が2月22日(土)に開催する『~「働きたい」を応援したい~「障害者の就労」座談会』では、松田成広さん(株式会社東急百貨店 人事部障害者雇用促進 シニアアドバイザー)、野路和之さん(NPO法人わかくさ福祉会 理事長/障害者就業・生活支援センターTALANT センター長)、氣田陽介さん(東京都立練馬特別支援学校 進路指導部 進路主任/一般社団法人日本FIDバスケットボール連盟 理事)の3名を講師に迎え、雇用側企業・支援者・特別支援学校の先生というそれぞれの立場から、異なる視点で「障害のある人の就労」について語り合います。将来的に就労を希望するお子さんの保護者の方だけでなく、すでにお子さんが就労している保護者の方、学校の先生や支援職の方、企業の採用ご担当者など、さまざまな方にとって役立つお話が伺えそうです。講師への質問も受付中とのことですので、気になる方はぜひ申し込んでみてはいかがでしょうか。【詳細】~「働きたい」を応援したい~「障害者の就労」座談会日時:2025年2月22日(土)10:00~11:45参加費:無料視聴方法:YouTubeライブ主催:ぜんち共済株式会社※2月21日(金)までに申し込みをいただいた方は、アーカイブ配信(一部編集の可能性あり)をご視聴いただけます。※クリックすると、発達ナビのWebサイトからぜんち共済株式会社セミナー申し込みWebフォームに遷移します。学習支援教材体験やセミナー、ワークショップも!『できるびよりフェスタ2025』3月9日開催Upload By 発達ナビニュース子どもの「できた!」を全力で応援する教材・教具の開発製造、子ども発達支援に関する情報発信などを手がける「できるびより」(株式会社オフィスサニー)が、東京・浜松町で『できるびよりフェスタ2025』を3月9日(日)に開催します。「できるびより」では、支援が必要な子どもたちの学びに役立つ支援教材や製品を、実際に見たりさわったりしながら体験できる「支援教材・グッズ体験会」を全国各地で開催してきました。今回のイベントはその拡大版として、体験会のほか、作業療法士や教育関係者によるセミナーや研修会、企業出展コーナー、ぬりえやアクセサリーづくりのワークショップなど、親子で楽しみながら学べるプログラムが盛りだくさんとなっています。読み・書き・計算を始め、定規・コンパス・なわとび・リコーダーといった道具の使い方、整理整頓……など、お子さんのさまざまな「苦手」をサポートする製品を試したり、学校やお家でもすぐに実践できる支援方法を学べるチャンスです。新年度に向けて、お子さんの「できた!」につながるヒントを見つけに、ご家族で足を運んでみてはいかがでしょうか。【詳細】できるびよりフェスタ2025日時:2025年3月9日(日)10:00~16:00会場:東京都立産業貿易センター浜松町館4階展示室北(東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝)※クリックすると、発達ナビのWebサイトから株式会社オフィスサニー「できるびよりフェスタ2025」Webサイトに遷移します。世界が注目する自閉症アーティストの個展『by GAKU@YUGEN』2月7日~2月24日開催Upload By 発達ナビニュース東京都・南青山のYUGEN Galleryにて、ASD(自閉スペクトラム症)のアーティストGAKUさんによる個展「by GAKU@YUGEN」が2025年2月7日(金)より開催されます。アーティスト『GAKU(ガク)』こと、佐藤楽音(さとうがくと)さんは、3歳の時に知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。その後、療育の機会を求めてご家族と共にアメリカ・ロサンゼルスへ移住、14歳まで過ごしました。日本に帰国し、16歳の時に訪れた岡本太郎美術館で作品を目にして以来、夢中で絵を描くようになったと言います。アート表現という新たなコミュニケーションツールを手に入れたGAKUさんは、これまでに800点以上もの作品を制作し、「LeSportsac」「THE BODYSHOP」「GODIVA」といったブランドとのコラボレーションや、海外での大規模インスタレーションを手がけるなど、世界が注目するアーティストに成長しました。本展では主に、GAKUさんが2020年から2023年にかけて制作した作品が展示されます。強いこだわりから色を丹念に塗り重ね、大小さまざまな円と力強い線で構成されるGAKUさんの作品は、ポップで鮮やかな色遣いや、見るだけで笑顔になるようなユーモアが感じられる作風が特徴的ですが、この時期にしか描かれていない白と黒を基調とした作品など、GAKUさんの「野心的なチャレンジ」があらわれている貴重な展示にも注目です。【詳細】by GAKU@YUGEN会期:2025年2月7日(金)~2月24日(月・祝)開館時間:平日:13:00〜19:00土日祝:13:00〜20:00(入場は閉場30分前まで)※最終日のみ17:00終了休館日:なし会場:YUGEN Gallery(東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F)入場料:無料※状況により、会期・開館時間が予告なく変更となる場合があります。※クリックすると、発達ナビのWebサイトからYUGEN GalleryGAKU個展「by GAKU@YUGEN」Webサイトに遷移します。鹿児島発クラフトビール×アール・ブリュット『ひふみよブリューイング』が醸す世界に酔いしれよう!Upload By 発達ナビニュース鹿児島県鹿児島市にある小さな醸造所「ひふみよブリューイング」。生きづらさや貧困、障害といったさまざまな困難や背景のある人が主役となり、個性を生かしたクラフトビールづくりに取り組んでいます。ひふみよブリューイングでは、主に規格外の農作物をクラフトビールの副原材料として利用し、新たな味わいを作り出すことに挑戦。ビールのラベルグラフィックには、障害者や難病を抱える人のアール・ブリュット作品を採用し、個性あふれる魅力的なデザインを乾杯の後まで楽しむことができます。障害者就労継続支援事業所と協力して、醸造過程で発生する麦芽粕を高品質の飼料や肥料に転換する試みに取り組むなど、将来的には鹿児島でソーシャルファーム(社会的企業)となることを目指しているひふみよブリューイング。鹿児島市の繁華街天文館にはひふみよブリューイング直営のビアバー46かごしまクラフトがあり、国内外からさまざまな方が訪れ、個性的なクラフトビールと店内に展示されているアール・ブリュット作品を楽しんでいます。鹿児島を訪れたら、国境を越えた共感を生んでいるビアバーで乾杯したいものです。ビールを飲んで共生社会の実現に貢献できるなんて、いつもの一杯が特別なものに感じられそうです。醸造所の直売所ではできたてのクラフトビールを楽しむことができますが、オンラインショップや鹿児島市のふるさと納税でも購入可能とのことですので、お酒好きの方へのギフトとしても喜ばれるのではないでしょうか。※クリックすると、発達ナビのWebサイトから『ひふみよブリューイング』のWebサイトに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年02月15日子どもが小学生になったら「仕事復帰」。願いは叶わず私は妊娠中の悪阻がひどかったこともあり妊娠中に退職してからは、復職せず子育てに専念してきました。子どもたちが2人とも小学校に上がったら「仕事復帰するぞ!」と目標を掲げていましたが、2人ともに発達障害と診断されました。現在高校3年生の娘、高校1年生の息子は、二人とも小学校1年生でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。行き渋りや早退、学校トラブルなどがある子どもたちへの対応を優先すると、平日私が仕事をすることはどうしても難しいと感じました。夫からは「お金は何とかするから、できるだけ子どもたちを優先させて欲しい」と言われていたため、私は子どもの対応を最優先する生活を選びました。夫も会社に家族のことを相談、残業を減らして私や子どもたちへの支援に積極的に参加してくれました。そんな私が仕事復帰するまでと、それに対する子どもたちの反応についてお話します。息子の癇癪で学校呼び出し。娘は母子登校、帰宅後パニックになることも娘が小学校3年生、息子が1年生になったら仕事に復帰しよう……そう思っていましたが、その頃は働くことなど考えることができないほど、子育てで精一杯の毎日を過ごしていました。息子は癇癪があり、物を投げたり叫んだりして、授業を中断することが多々ありました。通常学級に所属していたため、担任の先生一人では対応できず、教頭先生が息子に個別で対応をしてくださいました。それでも私のところに早退の連絡が入り、学校に駆けつけることも……。Upload By ユーザー体験談娘は、小学校への行き渋りがあり、娘のペースで母子登校する時期がありました。登校してしまえば何とか学校生活を送ってくるのですが、心への負荷が強いようで、帰宅後にはパニックが起こり大変苦労しました。Upload By ユーザー体験談当時の私は必死でした。学校との面談も多く行い、学校とは連携を密にしていました。放課後等デイサービスがきっかけで私の生活に変化が!先生やスクールカウンセラーさんとも相談する中で、生活リズムをつけるために放課後等デイサービスを利用するのがいいのではないかという話がでました。基本的に家に居たがる傾向が強い子どもたちでしたので、行ってくれるか不安でしたが、放課後等デイサービスは学校よりも自由度が高いスケジュールの中で動いていくので、子どもたちにとって、過ごしやすい空間だったようです。予想に反して、スムーズに慣れていってくれました。そして見事に生活リズムがつき、その結果、私の時間に余裕ができたのです。隙間時間に、何かできないかな……と考えた時に、諦めていた「仕事」のことが浮かびました。仕事復帰したい!という気持ちが芽生えると、止まりませんでした。職場に「子どもたちに障害がある」と伝えるも、理解されていない……?私が働きたいと思った理由は、私が「○ちゃんのお母さん」と呼ばれる存在ではなく、一般社会に私個人として繋がりが欲しいと思ったからです。実際に今仕事をしていているのですが、職場で「△さん!おはよう」と言われると、不思議と元気が出ます。私自身が元気で気持ちにゆとりがあると、子どもたちにも優しく接することができます。「働くこと=お金を得る」ことだけでなく、私自身の気持ちの安定のためにも、社会で働くことは必要でした。Upload By ユーザー体験談私は看護師の資格を持っています。まずは短時間のパートを探して就職しました。「子どもたちに障害がある」ことは職場にも伝えました。ですが、職場仲間にはあまり理解されていなかったように感じています。子どもの癇癪やパニックで仕事を休む……となると、みんな不思議そうな顔をしていました。子どもが大きくなるにつれて、「中学生でもまだ親の手助けが必要なの?」と聞かれたこともあります。確かに定型発達のお子さんだと中学生になると友だちと出かけたり、一人で買い物にいったりすることは普通だと思います。でもわが家は……と落ち込むこともありました。ですが、今の職場は休みが取りやすいこともあり、5年以上勤続できています。働く私への子どもの反応また、娘は、クラスのお友だちに「私のお母さんは看護師なんだよ。頑張ってるんだよ」と自慢したようです。母の背中をみて、成長してくれると嬉しいなぁと感じました。Upload By ユーザー体験談上司からは「常勤にならないか」との話も出ていますが、子どもたちのことを考えると、緊急時に動きやすいほうが、ありがたいと思いパートを続けています。子どもたちも成長し、娘は大学進学が決まりました。息子は高校卒業後は専門学校で自分の夢を叶えるため勉強を続ける予定です。障害者手帳を持っているので、将来はグループホームへの入所も検討しています。まだフルタイムでは働くことは難しいですが、少しでも外で働くことは私にとって欠かせないものになっています。子どもたちがこのまま手を離れていったら私の働き方も変わるかもしれませんが、しばらくは家庭と仕事のバランスを取りながら、生活していきたいと思っています。イラスト/星あかり※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:室伏先生より)復職されるまでの経緯やお気持ちを詳しく共有してくださり、ありがとうございました。今はお仕事をする余裕がないけれど、本心ではお仕事をしたいと思っているご家族にとって、この記事は大きな希望の光になったのではないでしょうか。お子さまが安心して通える放課後等デイサービスを見つけられ、お母さまも活き活きとお仕事に取り組めるようになったとのこと、とても素晴らしいことだと思います。育児のためにやむを得ず退職や休職を選ばざるを得ないご家庭も少なくないと思います。放課後等デイサービスは、ご家族の負担を軽減してくれる大切なサービスですが、通える日数が限られているお子さまや、ニーズに合った施設を見つけることが難しい場合もあると伺います。放課後等デイサービスに限らず、発達障害児支援のさらなる充実により、ご家族の負担が少しでも軽減されることを願っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月14日入学早々、進路を見据えて生活していかなくてはいけない学びの多様化学校小3の時にASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断されたわが家の息子・コチ丸は、小3から小学校卒業までほぼ不登校の状態で過ごした後、中学受験を経て学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の私立中学に入学しました。学校では入学当初から、「本校に入学した生徒は、一人ひとり通う理由もさまざまです。卒業後の進路をどうするか、早い段階から考えて行動して下さい」と言われていました。コチ丸の通う私立中学は同じ県内に系列の私立高校があったため、そちらに進学する子が多い印象でした。コチ丸も中1の時は、そこへの進学も視野に入れており、先生方からも「コチ丸は比較的安定して学校に通えているので、そのまま進学してみんなをまとめてくれたら助かる」という、うれしい話をいただいたこともありました。一概には言えないかと思いますが、コチ丸の通っていた中学は、「学校に毎日通えるようになること」が大きな目標であったため、基本的には宿題もなく、授業の進め方も私が公立中学に通っていた時とは全く違いました。私個人の感覚からすると、授業といっても勉強より遊びに近いのでは……?という印象でした。いじめなどの理由で学校に通えなくなってしまったけれど、将来的には大学まで進学したいと希望している子どもの保護者の中には、高校受験を見据えて学校以外に塾に通うなどして、学習面のサポートしている方もいました。わが家はというと……中1の終わりになんとなくコチ丸が受けた全国学力テストの散々な結果を見て、一般入試での高校進学はほぼ諦めていました(笑)。Upload By あき今の高校の仕組みは?まずは親が興味を持って進路について勉強することが大切!中1の終わりに差し掛かった頃、友だちが増えてきたコチ丸は、自分の貯めていたお年玉やお小遣いを使ってパソコンを自腹で買い、友だちとオンラインゲームをするようになりました。中学に入って、食事と寝る時間だけはちゃんと守るという約束で、ゲームの時間制限はしなくなったので、コチ丸は帰宅後から就寝まではほぼゲームをして過ごしていました(笑)。そして当時の私はというと、もし高校に入学するのが難しいなら違う進路も探さなくては……という思いで、時間があればインターネット検索をして、中学校から先の進路について模索していました。併せてシングルでコチ丸を育ててきていた私にとっては、それにかかる学費も大問題でした。小学校の頃は公立中学に進むことが当たり前と考えていたわが家が、中学受験をして私立中学に通っているだけでも予定外の出費だったので、ここから先はできたら「高等学校等就学支援金制度」の対象となる学校に進学して、恩恵にあやかりたいという思いも強かったです。Upload By あき最初は県内の私立高校に進学する道を模索していましたが、やはり受験からは逃れられず、どうしても付きまとってくるのは偏差値の問題……。そして学びは好きだけど勉強は好きではないコチ丸。興味のない勉強ばかりが続く高校に通っても続かないことだけは想像がつきました(笑)。コチ丸自身が自発的に学びたいと思ったことを学ばなければ意味がないということと、卒業後に専門的な仕事につけるような学びができたとしたら、普通科高校以外の選択肢もありだなと思っていました。そんな中で気になったのが、通信制高校とゲーム制作を学べる専門学校を同時に受講できる私立のA学校でした。当然学費も2倍かかりますが、高校卒業と専門学校卒業の資格が同時に取れるなら、高校以降の学費をまとめて払うと思えば、なんとかなるのでは……と思いました。私自身も高校卒業後は専門学校に進んでおり、自分の好きなことだったら勉強も頑張れるのではないかという思いもあり、ゲームが好きなコチ丸に「こんな学校があるよ」と話をしました。同じ頃、探究心旺盛なコチ丸は、ゲームで遊ぶうちに自分でもゲームをつくってみたいという思いが芽生え始め、3Dキャラクターをパソコンでつくる勉強を始めていました。初心者向けのプログラミング教室は自宅から片道1時間以上かかる場所でしたが、コチ丸が好きなことならと通い始めることにしました。そんなタイミングだったので、ゲーム制作という仕事が想像しやすかったのか、コチ丸もA学校に興味を持ってくれました。ADHD(注意欠如多動症)のコチ丸に負けず劣らず、せっかちな性分の私。中学受験の経験も相まって、ともかく体験入学に行ってみよう!となり、中2の早い段階から学校の説明会や体験入学には親子で何度も参加しました。実際に学校へ行き、最新設備の整った場所で体験授業を受ければ子どもは大興奮、親のほうもついその気になるのですが、反面、そんな設備が使えたり有名人を呼んで特別講座を開いたりできるくらいの学費を払うってことだよなーと現実も見え隠れ……(笑)。体験に来ているほかの親子の様子を見ると、ゲームが好きだから一刻も早く技術を身に付けたい!という子ももちろんいましたが、逆に現時点で中学校に通えていないから仕方なく……という親子も何組か来ていました。体験入学を何度か重ねる中で、楽しいゲーム制作の傍ら、おまけのように説明される通信制高校のカリキュラムは意外に大変そう……自己管理が苦手なコチ丸が続けていけるのか心配でした。Upload By あき突然の進路変更!しかも全くノーマークだった進路選択に戸惑う母……(大汗)そうはいっても時間は流れ、進路を決断する時は迫ってきます。通信制高校については親の私が一生懸命サポートするしかないな……という気持ちと同時に、もし通いきれなかったらまた考えるしかない!という気持ちの両方を持って、中2の中頃からはA学校に進むことを信じて疑いませんでした。そんな中、わが家を揺るがす大事件が起きたのは中3の始め頃。「俺、北海道の高校に行きたいんだよね」と突然コチ丸に言われたのは今でもハッキリと覚えています。「北海道」!「高校」!まさに青天の霹靂です。何を今さら?(大汗)という思いも正直ありましたが、コチ丸の思いを聞き、意思がしっかりしているのを確認した上で担任の先生にも相談をしました。ここでもわが家のせっかちな性格が功を奏し(?)、それから2週間後には北海道行きの飛行機に乗っていました(笑)。なぜ突然北海道の高校だったのか……。コチ丸がその高校に興味を持ったきっかけ、そしてその後の受験までの道のりについては、また改めて書かせていただきます。Upload By あき執筆/あき(監修:藤井先生より)私立のA学校に行くのかなと読み進めていたのですが、最後の最後に北海道とは驚きました。あきさんが、コチ丸さんの思いに寄り添いながら学校選択をされていたことで、コチ丸さんも心強かったのではと思いました。今はWebサイトで全国の学校の情報を集めることができるようになりましたが、実際に体験授業を受けたり、見学したりするのはとても大切ですね。北海道の高校についての続きも気になります。楽しみにしております。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月08日朝の準備は忍びのものでスタート朝、家の中がまだ静寂に包まれている時間に、私は息子ハジュのための準備を始めます。ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如多動症)のハジュは、時間や予定をきっちり守るのが大好きな性格です。そんな彼が落ち着いて一日を始められるように、私もできる範囲でサポートしています。私の朝は、アラームが鳴る前に起きるところから始まります。長年の経験で、アラームが鳴る直前になぜか目が覚める能力を身につけました。ハジュがまだ眠っている間に、忍びのごとく、できるだけ静かに起きてキッチンに向かい、彼の好きな朝ごはんを用意します。目玉焼きと野菜ジュースがハジュの定番メニューです。Upload By スパ山ハジュが起きると、テレビの星座占いを見るのが日課なので、チャンネルを合わせて準備しておきます。彼はこれを楽しみにしていて、欠かしたくない大切な時間です。その後、タブレットで今日の気温や日の入り時間を確認します。ただし、タブレットの充電が100%でないと不安になるので、前日にきちんと充電しておくのが大事です。もし忘れると、「充電が足りない!」と泣き出してしまうこともあります。ルーティンの試練朝食が終わると、ハジュは身支度を始めます。トイレ、歯磨き、着替え、水筒をランドセルに入れる、髪を結ぶ、そして7:55きっかりに玄関で靴を履く。これがハジュにとっての"完璧な順番"です。この流れを崩すと不安になってしまうので、私はできるだけ彼がスムーズに準備できるように手伝っています。トイレを促したり、着替えを用意したり、水筒をキッチンの所定の場所に置いたりと、先回りして動くことが多いです。Upload By スパ山とはいえ、ルーティンが崩れるとひと騒動です。ある朝、うっかりアラームをかけ忘れ、そんな時に限ってアラーム前に目覚める能力も発動せず……。私は寝坊をしてしまい、目を覚ますとハジュがすでに起きていて、「星座占いを見逃した!」と大慌て。私が「大丈夫、1時間後にまたあるから、ほらご飯食べよう?」と提案しても、「何位だったのか分からないと困る!」と泣いてしまい、結局スマホで急いで検索しました。起きて数分で、私はゲームで言うHP(体力)が削られました。とほほ。突然のルーティン変更と謎の儀式(笑)さらに、ハジュは時々、突然ルーティンを変えることがあります。新しいルーティンを覚えるのも一苦労です。最近追加された"水筒をランドセルに入れる前に振って泡を確認する"という工程を忘れた時、「泡見てないよ?」と、キッチンからやり直しになります。それ以来、 (泡を見るって何なんだ……?)と思いつつ私は毎朝「泡よし!」と確認する謎の儀式を取り入れました。Upload By スパ山ハジュの成長と親としての喜びしかし、そんなハジュも少しずつ変わってきています。以前は、準備が間に合わないと感情を爆発させることが多かったのですが、最近では「水筒をお願いします」と頼んだり、「着替えがないから自分で選ぶの?」と言えたりと、柔軟に対応できるようになりました。私自身も、ハジュができることが増えたおかげで、気持ちに余裕が持てるようになりました。朝の準備がスムーズに進むことで、私のHP(体力)も削られずに済んでいます(笑)。ハジュが少しずつ自立に向かって進んでいる姿に親としての喜びを感じます。Upload By スパ山ちなみに、長女や次女は…長女も実は自分のルーティンをしっかり持っています。順番が狂うと、その日はスイッチOFFになってしまうこともありましたが、成長する中で、自分のペースを守るコツや、崩されないための秘技(?)を自分なりに編み出したようです。最近では、もし順番が崩れても「まあ、なんとかなるか……」と自分で気持ちを立て直せるように。成長したなぁ、と感心しています。それでも体調不良などの“イレギュラーイベント”が発生する時は、私が「今日はいつもとちょっと違うから、これを先にやるね」と事前にアナウンスを入れておきます。すると「うん。いいよ」と落ち着いて対処できるので、事前の見通しって大事だなぁと実感します。一方、次女はと言えば……そういう順番とかルールとか、まったく気にしません!(笑)。とても自由にやってくれるので、その気ままさにたまに振り回されることもありますが、それが彼女の個性なんだなと微笑ましく見守っています。ハジュの朝のルーティンは、単なる習慣ではありません。それは彼が安心して一日をスタートするための大切な基盤であり、私たち親子の絆を深める時間でもあります。これからも彼のペースに合わせながら、一緒に成長していきたいと思っています。執筆/スパ山(監修:森先生より)スパ山さん、お子さんのルーティンについての体験談をありがとうございます。 ルーティンを日々こなす中でも、ルーティンが変化していったり、思わぬアクシデントが起きることで、かえってお子さんの成長が感じられてうれしいですね。さて、「ルーティンをこなすと安心する」というのは、誰しもあることかと思います。 たとえば「野球選手が試合前に素振りをして精神を統一する」とか、「受験生が毎回テスト前に深呼吸する」というようなことですね。 落ち着くための、いわばおまじないのようなルーティンを持っている方は多いのではないでしょうか。特に発達障害の傾向のあるお子さんでは、日々のルーティンが決まっていることも多いですね。学校に行って小さな社会に触れることは、お子さんにとっては大冒険です。外の世界では何が起きるか分かりませんから、安心して過ごせる家庭の中で「決まった手順」を踏むことで、外の世界に出る心の準備をしているのかもしれません。お子さんのルーティンを尊重することは、お子さんの気持ちを尊重することです。できる限りルーティンを守ってあげると結果的に準備がスムーズに進むことが多いでしょう。 とはいえ、保護者の方の生活もありますし、時間や体力、天候などもろもろの状況がルーティンを許さないこともあり得ます。 お子さんの求めに必ず毎回応えられるわけではないですよね。「ルーティンが崩れても大丈夫だった」という成功体験を積むと、お子さんはさらに自信を持って成長します。ルーティンをうまく使いながら、無理なく子育てをしていきましょう。これからもスパ山さんとお子さんが一緒に成長していけることを願っております。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月07日学校から持ち帰り忘れる……忘れ物が多いとき、どう対策する?学校からの配布物や宿題、週末の体操着など、家に持ち帰るべきものを学校に置いてきてしまう――。持ち物の管理が苦手で、よく忘れ物をするお子さんへの対応に悩むご家庭も多いかもしれません。発達ナビのQ&Aコーナーでも、以下のような声が寄せられています。直近では、学校からの持ち帰り物を忘れることが非常に多く、本人&母共に困っています。例えば、連絡帳(書いたのにおいてくる)、傘(雨の日家から差していける傘がない)、ノート・教科書(宿題ができない)、筆箱(鉛筆削りなど毎日のタスクができない)等上記の連絡帳・筆箱…など毎日定常で持ち帰る物も忘れてくるのが特徴です。また、毎日全部忘れてくるわけではなく、筆箱がない日、ノートがない日…など日によってバラつきがあります。あるあるですが、小学一年の我が子、忘れ物が多いのです。毎日ランドセルに付箋で持ち帰るものを書いていますが、3日間書き続けて言い続けてやっと持って帰ってくるような感じです。朝の提出物は全て連絡帳袋に入れ、これも付箋で「朝、連絡帳袋の中身を全部先生に渡す!」と書いていますがそれでも出し忘れることがあり…まあ、付箋を見忘れている&本人の中でランドセルの一部になってしまっている、または帰り支度の時にぼーっとする or 他のことをやっていて慌てて帰り支度をして忘れてしまうのだと思います。先生も帰りの支度の声かけはしていただいていますが、持ち帰るものまでは見ていただけず。でも、私もそこまではお願い出来ないと思っているので何とか自力で解決したいのです(>人<;)かろうじてランドセルは背負ってますが、手に他の荷物はもちませんし、教科書、連絡帳などは学校に置きっぱなしです。本人いわく、手荷物は、他のもの(通学路で拾う石ころや棒切れ)が持てないから持ちたくないし、忘れちゃう。連絡帳とかは面倒くさいし、学校で忘れる。とのこと。リスト作って確認しても、家から出るところまでは何とかなりますが、学校から帰り(学童クラブへ)は本人任せです。ちなみに私は働いているので、フォローできません。似たようなタイプのお子さんは、学校からの帰りに、どうやって持ち物や連絡帳を維持されてますか?今回はそのような持ち物管理のお悩みについて、鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にお伺いしました。学校からの持ち帰り忘れが多い中学生の息子。ADHD(注意欠如多動症)の忘れ物対策は?A:忘れ物対策は、学校から帰る前に持ち帰るものを点検する習慣付けや、持ち物をできるだけ一つにまとめるなどの工夫を、お子さんと一緒に考えていくことが大切です。家から学校に持って行くものはある程度保護者がサポートできますが、学校から持ち帰るシーンは保護者が直接関われないので、なかなか対策が難しいですよね。理想としては、学校で帰りの支度をする時間などに、持ち物を点検する習慣が付けられるといいですね。そうすると忘れ物をしにくくなると思います。例えば大人でも、出発前に「財布・携帯電話・カギを持ったか?」などを無意識に点検している方も多いのではないでしょうか。同様に、毎日持ち帰るものについては、点検することを1つずつ習慣化できると良いかもしれませんね。習慣化をサポートする際は、日によって持ち帰るかどうかが変わるものよりも、毎日必ず持ち帰るものから始めることがポイントです。スモールステップでまずは1つ、決めた道具を持ち帰ることを目標にしていきます。例えば、持ち帰るものを「連絡帳」と決めたら、ランドセルやカバンを開けたときに目に入る位置に「連絡帳を入れる」と書いた紙を貼るなどして、思い出せる工夫も大事になってくると思います。不注意による忘れ物は、注意したり叱ったりしても、なかなか改善することが難しいでしょう。「忘れないように頑張る」などの意識付けよりも、お子さん本人と一緒に工夫を考えていくことが大切です。例えば、宿題で必要なことが多い国語・算数は毎日全て持ち帰るというお子さんもいます。日によって持ち帰るかどうか変わるよりも、多少重くても毎日持ち帰るほうが忘れなくて良いという場合もあるでしょう。本人が使いやすい連絡袋にするのも一つの方法です。ファスナー付きだと開けることに手間取る場合はクリアファイルのほうが良いかもしれません。クリアファイルもあえて透明なものではなく、本人が好きなキャラクターや目立つ色のほうが目に留まりやすいかもしれませんね。発達ナビライターの丸山さとこさんは、息子さんの忘れ物やなくし物対策として、「なくすこと、忘れることを前提に準備」という対応をしたそうです。そのため、コウの入学に伴い『なくし物・忘れ物対策』として、私は大量の学校用具を用意しました。主に大量購入したものは、筆記用具・給食袋・ハンカチとティッシュ・水筒・歯磨きセットです。特に、消しゴムや鉛筆などの小さな消耗品は大量にストックが余っても困ることはありませんので、箱単位で多めにストックしておくよう心がけていました。残念ながら「予想よりストックは使わなかったな。余って困ったな~」と思う機会は全くなく、筆記用具はどんどん足していくスタイルのまま、コウは小学校を卒業しました。給食袋は4袋学校に置き忘れたことがありましたし、水筒は3本で足らずにペットボトルを持たせたこともありました。「持って帰るものを忘れないようにする」と大きな目標にするのではなく、お子さんが特に忘れやすいものや、忘れたときに困る度合いが大きいものから、1つずつ対策を考えていけると良いですね。Upload By 発達障害のキホン持ち物の管理が苦手で、大事なプリントも親に渡してくれないときは?A:プリント類を保護者に渡してくれないという場合には、まずはお家のなかで連絡袋を出す場所を決めて、帰宅したらすぐにランドセルから連絡袋を出すことから始めていくと良いかもしれません。学校でも、連絡帳を出す箱、宿題を出す箱が決まっていて、登校したらすぐ決められた箱に出すことを毎朝のルーティンにしている場合もあります。お家でもリビングの分かりやすい場所にトレーなどを置いて、その横にお子さんの好きなおやつなどを置いておいて、「帰宅したら連絡帳を出してその日のおやつゲット」という流れにするのも一つの方法です。また、プリント類を保護者に渡してくれないのは何が原因か?どこでつまずいているのか?を改めてお子さんと一緒に確認していくことも大切です。プリント類を保護者に渡すまでのステップの例としては、1:学校で配られたプリントをすぐに連絡袋に入れる2:連絡袋をランドセルの中に入れる3:帰宅後にランドセルから連絡袋を出す4:連絡袋から保護者に渡すべきものを選別し、保護者に渡しに行く大きくこの4つがあると思います。前述の連絡帳用トレーを置く工夫は、ステップ3〜4を行いやすくする工夫になりますが、お子さんはどこでつまずいているでしょうか。ステップ1でつまずいている場合にも理由はいくつか考えられると思います。例えば、「持ち帰るべきプリントと、学校に置いておくプリント」を選別することが難しい場合、「配られたプリントはすべて連絡袋に入れる」と手順を減らす工夫も選択肢になるでしょう。あるいは、実は連絡袋自体、家に忘れてしまうので学校で入れる袋がない、なんてこともあるかもしれません。このように今一度お子さんと一緒に手順を振り返ってみることで、お子さんに合う手立て・必要な工夫が見つかりやすくなるでしょう。Upload By 発達障害のキホンまとめ:持ち物管理アプリの活用にもチャレンジ学校からの配布物については、最近はスマートフォンのアプリ経由で、保護者に直接データを送信する学校も増えてきているのではないでしょうか。デジタルな方法が普及することで、ご家庭の困りごとが減っていく面もあるかもしれませんね。小中学校の校内では難しいかもしれませんが、大人になるにつれて、スマートフォンやスマートウォッチのリマインダー機能、音声デバイスの活用など、デジタルを駆使していくことも、忘れ物を減らすことに役立つと思います。持ち物管理アプリやリマインダーなど、まずはご家庭のなかで少しずつデジタルな手段を取り入れてみても良いでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年02月04日発達障害のある私。大学入学、そして退学。障害者雇用、就労移行支援、就労継続支援A型、B型、通信制短大……とさまざまな道をたどりました30代の当事者です。24歳の時、ASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の診断を受けました。境界知能です。ADHD(注意欠如多動症)の傾向もあります。また軽度脳性麻痺があるため、身体障害者手帳を持っています。特性としては、言語が比較的得意、目からの情報処理の力が低く、抽象的な指示が苦手……などといった点があります。周りからは「真面目で頑張り屋」と言われる性格です。私は高校3年生の時法律に興味を持ち、法学部への進学を決めました。自宅から通える大学のオープンキャンパスで「ここなら頑張れそう」と感じ、志望校としました。でも、入学後わずか半年も経たないうちに、対人関係でつまずいてしまいました。大学中退後は、障害者雇用、就労移行支援、就労継続支援A型、B型、通信制短大……とさまざまな道をたどりました。今回はそのお話をさせていただきます。人間関係がストレスに。通学時、大学の最寄り駅で糸が切れてしまった私1年次からゼミがある学校だったのですが、ゼミ内での人間関係がとてもぎくしゃくしてしまいました。何とか通学しよう、勉強を続けたいと頑張ろうとしましたが、ある日、大学の最寄駅で糸が切れてしまいました。「もう無理だ」と感じ、身体が動かなくなってしまったのです。Upload By ユーザー体験談その時、思わず電話したのは、卒業式の時に『何かあったらいつでも先生に連絡してきなさい』といってくれた高校時代の担任の先生でした。朝早い時間帯でしたが、藁をもすがる気持ちで電話をかけると、電話に出てくれた先生は、私の様子でただごとではないと察したのか、『とにかく休め、今はとにかく休め』と電話越しに強く言ってくれたのを覚えています私はそのまま休学することになりました。Upload By ユーザー体験談「休学と退学のメリットとデメリットを書き出してみては?」とのアドバイスを受けてしばらく休んだ私、やがて『この先どうしようか?』と考えられるようになりました。そこで、休学してやり直すか、思い切って退学するか、とても悩みました私は高校1年生の頃から社交不安症で、メンタルクリニックに通院していました。その時からの主治医に相談すると、「休学と退学のメリットとデメリットを書き出してみて、メリットが大きい方を選んでは?」とアドバイスをいただきました。担任の先生は『休学してやり直しても良いんだぞ、そういう道もある』と言ってくれましたが、私なりに考え、納得して、退学を選びました。それでも、応援してくれた先生方に申し訳ない気持ちや、志した道を途中であきらめざるを得なかったことへの悔しさは消えませんでした。大学中退後の模索。障害者雇用、就労移行支援、就労継続支援A型などでの働き方と感じたこと大学を辞めてから、私はさまざまな働き方を経験しました。それぞれで行ったこと、感じたことをお話しします。私は身体障害者手帳を持っていたので、障害者雇用でいくつかの人事総務系の仕事に就きました。雇用形態は契約社員かパートです。高校では挨拶の大事さを学んでいたので、挨拶だけはどこに行っても褒めていただきました。あとはWord、ExcelなどのOffice系のソフトにも高校から触れていたので、その点も困らずに済みました。会社によっては任せる仕事がないのか、電話の応対以外はただぼーっとパソコンを眺めたり、書類整理の単純作業が多かったです。逆に信頼していただけたことでは、いろいろ任せていただき、その結果キャパオーバーに……。さまざまなことがありました。この時、私は抽象的な指示が通りにくいと感じるようになりました。少しでも強みが増えればと、ビジネス系の検定を取得しました。※「Word」「Excel」は、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における商標または登録商標です。就労移行支援は複数利用しました。どこも出だしこそ順調なのですが、「通院後にも来て欲しい」とか「目標を高く持って欲しい」と少しずつ要求が高くなると、体力的にも精神的にもついていけなくなりました。また、「相談しすぎです」というスタッフと「もっと頼ってもらっていいい」というスタッフの板挟みになったり、ほかの利用者さん同士の口論で過呼吸を起こしたこともあります。実習で、「姿勢が悪い」とフィードバックを受けたこともあります(脳性麻痺の特性で座位の保持が大変なのを、支援する側も、企業側にも理解いただけていないことを痛感しました)。Upload By ユーザー体験談A型では事務補助全般をやらせていただきましたが、個人情報を扱っている入力メインの職場だったので常に緊張感がある職場でした。当時新規で新たに施設を増やしたところだったので、スタッフも利用者も皆手探り状態で、ストレスを強く感じました。学びなおしへの一歩、通信制短大を卒業このように働く中で私は発達障害の可能性を指摘され、24歳でASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の診断を受けました。境界知能や視覚認知に困難さがあることも分かりました。その後、精神保健福祉手帳を取得しています。医師から「一般的にこんな簡単に仕事を辞めない」と言われ、自分の社会性の弱さに気づかされましたが、逆に「これで自分の特性を知ることができた」とほっとした部分もありました。そんな中も、私は法学を学び直したいという気持ちが消えませんでした。ただ、独学で法律を勉強するのは難しいとわかっていたので、次に興味のあった、高齢者福祉と心理学を通信制短大で学び、何とか2年間で卒業することができました。基本的にスクーリングは金土日の週末で開催され、さまざまな年齢や立場の方が参加されていました。「一緒にがんばろう!」と過ごす3日間はとても貴重な時間でした。中でも特に手話のスクーリングは印象的で、最後の単位認定試験が手話の自己紹介だったので、仲良くなった方々と何度も練習したのが良い思い出です。また学生同士の集まりも多く、年齢的にまだ一番年下くらいだった私は、いつもありがたいことにいろんな先輩に可愛がっていただけました。周りには短大を卒業後、そのまま大学3年次に編入される方も多かったのですが、私は経済面に加え、残り2年間をこのまま突き進むには体力面で不安があるため、一旦編入は見送りました。選択肢はAかBだけではなく、Cを作ることもできる今、私は創作活動を中心とする就労継続支援B型事業所で、イラスト制作やピアノ演奏に取り組んでいます。最近ではクリスマスカードが商品化され、これからもっと多くの作品を作っていきたいと思っています。これまでの経験で感じているのは、「選択肢はAかBだけではなく、Cを作ることもできる」ということです。そう考えることで、開く道があるのだと思います。大学への登校中、「もう無理だ」と糸が切れたあの日から思いもしなかった道を歩む自分がいます。今後の目標は、通信制大学で学び直し、最終的に卒業することです。Upload By ユーザー体験談今も自分の特性に悩むことは多いです。でも「頑張る」のではなく、自分が笑顔でいられることを指標にした「顔笑る(がんばる)」気持ちで、一歩ずつ進んでいこうと思っています。エピソード提供/YOSHIMIイラスト/マミヤ(監修:初川先生より)卒業、そして福祉的就労の今という流れを共有ありがとうございます。さまざま大変な思いをされたり、理解されないつらさもありながらもご自身がつらくない道を開拓され、また学びたいことを大事に持ち続けられていることが印象的です。発達ナビをご覧の保護者の方には、高校・大学や特別支援学校高等部などをお子さんが卒業したら、そのままどこかしらに就職し、そこでずっと働いていくものだというイメージを持たれていることもあるかもしれません。もちろんそうした場合もありますが、お子さんの発達的な特性や得意不得意と仕事やその職場が合っているかどうかは、予想しきれない面もありますし、つらいところで無理して働くことがよいわけでもありません。さまざまな経験の中で、自分にはこれが合っている、これができる、こうしてくれると助かるということをつかみながら、仕事や職場を変えることもあることは知っておきたいところですね。また、仕事をするうえでは、発達的な特性や得意不得意がなかなか作用してくる面もあります。指示の出し方1つにしても、言葉での指示がよいのか、文字による視覚的なものがよいのか。1つずつがよいのか、あらかじめリストのように見通しを持ちつつまとまった指示出しがあるとよいのか。そうしたあたりについて、今は民間事業者でも合理的配慮が義務になりましたが、まずは本人が自分の特性や得意不得意をわかったうえで、事業者や企業側と話し合っていくプロセスを経由するということです。YOSHIMIさんも語られているように、経験の中でこうしてくれると助かった、こういった配慮がないと難しかったなどを、できれば学齢期から積みながら仕事選びや大学での学びの継続等に活かしていけるとよさそうですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年01月29日小学校での生活を振り返ってUpload By もっつん息子のタクは小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断されました。小学校の6年間は長いようであっという間でした。子育てと仕事、タクのサポートや習い事など大変かつ充実した日々を送っていました。高学年の頃のタクの学力は、真ん中くらいだったのではないかと思います。好きな教科や分野はすごい記憶力を発揮してどんどん理解できるのに対して、苦手意識のある教科はほとんど学習拒否状態でした。例えば算数の暗算や公式の暗記は得意ですが、筆記が苦手なので途中の式を何度言っても省略して減点になってしまったり文章問題になると意図が読み解けずに固まってしまったりすることがありました。そんなタクをなんとか机に向かわせてくれたのが、特別支援学級という居場所でした。授業参観で何度も見学に行きましたが、タクに構いすぎず放任しすぎずちょうど良いタイミングでアドバイスの声かけをしてくださる先生を見て「さすがだなぁ」と感心しました。おかげで学力テストを受ける際は得意教科は通常学級で受けることができました。仲が良い友だちと点数を競い合ったのは、タクにとって学習への自信がつくきっかけになったと思います。学習面以外でも学校での過ごし方は高学年になるにつれて、分かりやすい問題行動は目立たなくなっていきました。家庭で全力で向き合ってきたことに加えて、特別支援学級で過ごした時間がタクの情緒も成長させてくれたのだと思います。通常学級に戻りたいと思っていたあの頃Upload By もっつん小学1年生の後半にスクールカウンセラーの先生と相談しながら特別支援学級へと転籍を決めたわが家ですが、「学力と生活態度次第で通常学級に戻れるかもしれない」ということだけが当時の私には希望のように思えていました(入学した時が通常学級だったのでタクの本来の居場所だと思い込んでいました)。早く通常学級で過ごせますように……と思いながら、3年生・4年生と進級する度に引き続き特別支援学級が相応しいと学校から知らされる度に落胆していました。今となっては特別支援教育への知識や理解が乏しく、気持ちの余裕がなかったからそんな思考になっていたのだと分かります。ですが、当時はマイナス思考になってしまうことについて、さらに悩むというループに入ることもありました。そして5年生・6年生へと進級する頃にはだんだん受け入れられるようになっていきました。途中で何度も大きなトラブルが起きて投げ出したいほどつらい時期もあったけどなんとか乗り越えて、ありのままのタクを受け入れる覚悟が積み上がってきたのではないかと思います。中学校進学に向けて6年生の後半に学校で面談した際に「中学校も引き続き特別支援学級が相応しい」と言われた際には何の躊躇もなく受け入れられました。タクにとって過ごしやすくて、実力を伸ばしてくれる環境が何よりも大切だと実感した結果だと思います。ちなみにタク本人は「どっちでもいい」と言っていました。タクにとっては特別支援学級で学習することはとても自然な日常になっていたので、中学でもこの調子で過ごしてほしいと思いました。中学校でも特別支援学級?Upload By もっつん小学生から中学生になる際に心配なことはたくさんありました。学習内容が難しくなり授業時間も伸びるので、今まで以上に困難を感じるのではないか?慣れ親しんだ支援の先生とタイプが全然違う厳しすぎる方針だったらどうしよう?あとは中学卒業後の進路について特別支援学級だということが不利にならないか(内申点の有無など)。私たちが住んでいる地域は、子どもの数が少なく進学先は地元の公立中学校の1択で同級生全員持ち上がりでしたが、中学生特有の人間関係の複雑化によるいじめなども心配していました。入学前には特別支援学級の担任になる予定の先生と面談をしました。中学の特別支援学級の教室も少人数制でクールダウンのためのソファが置いてありました。内申点についてはいろいろな対応をとっている学校があるかと思いますが、タクの通う中学では通常学級と同じように評価されるということでした。心配事がたくさんありましたが、直接教室を見学して話すことで心配事をどんどん消化することができました。事前に小学校から引き継ぎがあり、タクの大まかな性格や、学力を把握してくださっていました。そして小中交流授業の際に、すでにタクは担任予定の先生と挨拶を済ませていました。改めて私からもタクの得意不得意や要注意してほしい点などを直接伝えることができて、面談をやってよかったなと思いました。中学校は学習量が増えていきます、求められる自主学習Upload By もっつんタクが中学校に進学した頃は世の中はちょうどコロナ禍で、行事や面談が簡略化されたりリモートに切り替わっている時期でした。濃厚接触者とみなされた方もいらっしゃるので、慎重に慎重を重ねて入学式は何度かに分けて少人数で行われました。PTAなどの仕事も控えめだったので私としても助かりました。入学してみて小学校との一番の違いは学習量の多さだと思いました。中学校は毎月のように定期テストや実力診断テストがあります。それは(個別に配慮はありますが)特別支援学級でも同じでした。クラス全体での成績の順位も具体的な数字で出るので、本人のやる気がかなり重要だと思いました。宿題は自主学習を提出することになっていたのですが、自ら課題を考えてこなすのが苦手なタクは、市販のテキストを使って勉強していました。それをそのまま提出しても自主学習とみなす配慮をいただき助かりました。勉強は好きじゃないようでしたが、先生やお友だちに恵まれて過ごすことができました。たくさんの人のサポートのおかげで充実して過ごせた事に感謝Upload By もっつん中学生活を振り返ると、大変なトラブルも何度かありましたが、きっと楽しく生活できたのではないかと思います。これまで、タクの気になる行動に対して、私も間違った接し方をしてしまった事もありますが、その時はタクの子育てや躾を自分でしっかりしなくちゃいけない!と過度にプレッシャーを感じすぎていたのが原因の一つになっていました。一人で抱え込もうとして失敗したのをきっかけに自身の通院やカウンセリングを受けて、中学校生活では自分自身の恥を捨てて多方面に相談するように意識しました。学校外で起こったトラブルも包み隠さず、速やかに先生に報告して翌日から注意して見てもらったりと協力してもらいました。児童相談所と家庭支援センターで定期的に面談をしたり、教育委員会の窓口に行ったりしたことがあります。ただでさえ思春期に差しかかると子育ては難易度が増す傾向にあるので、たくさんの人の力をお借りするのが大切だと思います。わが子がより充実して幸せな人生を歩むためという視点を忘れなければ、「支援を受ける・制度を活用する」という選択はすごく素敵なことだと思います。タクは中学校の3年間で身長もぐんぐん伸びたし内面も成長してくれたと思います。今は中学・高校卒業後にやりたい道も定まってきたようです。やりたい事が見つかってからはあれだけ苦手だった勉強を自主的に勉強をするようになり、自ら湧き上がってくるヤル気の大切さが見えました。これからもタクのことを応援していきたいと思います。執筆/もっつん(監修:新美先生より)息子さんの中学進学時について詳しく聞かせてくださりありがとうございました。通常学級と特別支援学級を比べて、なんとなく、通常学級のほうが上、できれば通常学級に行きたいけどやむを得ず特別支援学級に行っているみたいなイメージを持ってしまうことはあるとは思いますが、本来そこに上下関係はなく、お子さんにとって一番学びやすい、過ごしやすい場所を選ぶという意識が大事ですよね。通っていると、お子さんの様子を見て、こうしたことが実感できてくるのかなと思います。タク君は、小学校中学校と特別支援学級の先生やそのほか周囲のさまざまなサポートもあって、大きく成長されたのですね。お子さんの成長には、家庭の支えが何より大事ですが、家族以外の他者との関わりも非常に大事です。苦手なことや、心配な行動があっても隠したりごまかしたりしないで、さまざまな方に関わってもらうことが、ご本人の成長につながることは多いですね。素敵なエピソードを聞かせてくださり感謝です。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月26日具体的な解決策が満載!『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に体調管理するための本』Upload By 発達ナビBOOKガイド大人になってから発達障害の診断を受けたという方の中には、日頃から疲れやすさや体調不良に悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。実は、多動性や不注意、こだわりといった特性や、感覚過敏や感覚鈍麻が、その原因のひとつかもしれません。本書では、発達障害当事者の方が抱えやすい「睡眠」「食生活」「病気」「健康」「生活の乱れ」「メンタル」などの悩みについて、体調管理をしやすくなるためのアイデアを数多く紹介しています。例えば、デジタル機器を使った管理方法や、100円ショップのアイテムで実践できる内容など、紹介されているアイデアはご自身のペースで取り入れやすいものばかり。こんなサービスがあるんだ!こんな便利なものがあるの?と新たな発見があるかもしれません。ぜひ本書を参考にためしてみてはいかがでしょうか。早期発見で適切な支援へつなげる!『学習障害(LD)がわかる本 気づいて、支えるために』Upload By 発達ナビBOOKガイド学校に行くのを嫌がる、勉強をやろうとしない……そんなお子さんの困りごとの背景には、もしかしたら学習障害(LD・SLD/限局性学習症)があるのかもしれません。学習障害(LD・SLD/限局性学習症)は、発達障害の一つです。読み書きや算数といった、学習の特定の分野で困りごとが起こります。知的な遅れはないため、幼児期では気づきにくく、就学後に初めて「みんなと同じように読み・書き・計算ができない」という事態に直面してから判明する場合も多いため、適切な支援がないまま勉強が嫌になり、登校渋りにつながることもあります。本書は、学習障害(LD・SLD/限局性学習症)に関する基礎知識だけでなく、学校で受けられる合理的配慮、家庭でのサポート方法、お子さんの困りごとに合わせた具体的な学習の工夫なども紹介しています。学習障害(LD・SLD/限局性学習症)への理解と適切な支援に役立つ一冊です。自分らしさに自信を持って『あなたがあなたであるために 補注新装版 自分らしく生きるための自閉スペクトラム・ガイド』Upload By 発達ナビBOOKガイド2005年の初版刊行以来、累計発行5万部のロングセラーとして親しまれてきた『あなたがあなたであるために 補注新装版 自分らしく生きるための自閉スペクトラム・ガイド』が、この度補注新装版としてアップデートされました。本書は、臨床医として多くの子どもたちに関わってきた著者による、ASD(自閉スペクトラム症)の当事者、主に中高生を対象に書かれたガイドブックです。ASD(自閉スペクトラム症)を脳の特徴として捉え、自分自身や周囲の人との付き合い方、暮らしやすくするための工夫を解説しています。本書の大きな特徴は、ASD(自閉スペクトラム症)の特性のポジティブな面が強調されていることです。個性を大切にしながら、その人らしい人生を謳歌していくために、まずは自分自身を知り、サポーターを見つけ、暮らしやすくなる工夫を実践していく……そういった一連のプロセスについて、分かりやすい言葉で、具体的な手立てが記されています。もっと自分自身のことを知りたいと思い始めたお子さんに、おすすめしたい一冊です。読む楽しみを一人でも多くの子どもに!『学校の「読書バリアフリー」はじめの一歩学校図書館10の事例』Upload By 発達ナビBOOKガイド目が見えない・見えにくい、活字の図書を読むのが難しいなど、さまざまな事情で本を読みたくても読めない子どもたちがいます。そんな「本の飢餓」の状態を解消するために、いま「読書バリアフリー」へのニーズが高まっています。2019年、「読書バリアフリー法(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)」が施行されましたが、今でも十分な環境整備が進んだとは言えない状況です。本書では、読書バリアフリーを学校で推進するための環境づくりのポイントや、読書バリアフリーに取り組んでいる学校図書館の10の具体的な事例を、実際の写真と共に紹介しています。また、学校の先生方から寄せられた疑問について、Q&A方式で分かりやすく解説しています。さらに、高知県と高知市の図書館等複合施設「オーテピア」が備える多様なバリアフリー図書、国立国会図書館の取り組み、日本点字図書館・サピエ図書館の教育機関との連携などをコラムで取り上げ、読書バリアフリーについてより理解を深めることができます。「みんなが読める」を理想で終わらせないために、読書バリアフリーにどのように取り組んでいくべきか示してくれる一冊です。誰もが読書をできる社会を目指して~読書のカタチを選べる「読書バリアフリー法」~(啓発用リーフレット)|文部科学省LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年01月25日「こども園に行きたくない」にショック!フルタイム勤務を辞めた私特別支援学級に通う7歳の息子がいます。医療機関での診断はまだ受けていませんが、3歳で受けた発達検査の結果などを見ると、ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の特性がそれぞれあるような気がしています。私は、息子が生まれる前からフルタイムで働いていましたが、息子がこども園の年中になった頃、発達特性が目立ってきて、登園をぐずるようになったことに伴い、働き方をフリーランスに変えました。目立ってきたのは「不器用さ」と「認知のゆがみによるネガティブ思考」です。息子が年中さんになったあたりから、周囲の子たちに比べて不器用さが目立ってきました。教室に飾ってあるお絵かきや塗り絵が飛び抜けて拙かったのを覚えています。縄跳びは今もできませんし、ボール遊びも苦手でした。息子は自分でもそれが分かるみたいで、「下手だからやりたくない」という発言が増えていました。また、この頃から被害妄想的な発言、「○○くんが僕のこと笑ってる。僕のことをバカにしてる!」などと主張することが増えたのです。ですが、園への送迎の時に友だちとのやり取りを見ていても、先生から園での様子を聞いても、そのような事実はなく、何やら本人が誤解しているという感じでした。Upload By ユーザー体験談そして息子は「こども園に行きたくない」と言うようになりました。これまでにはそんなことはまったくなく、楽しそうに登園していたので、少なからずショックでした。何となくの直感なのですが、「ここは適当にやり過ごしてはいけない。息子が今抱えているしんどさに気づかないふりをして無理にこれまで通りのペースを保とうとすると、あとで余計にこじれるのでは」という気がしたのです。持ち帰り仕事で私が深夜に作業していることも、息子への対応で苦慮していることも夫は心配してくれていたので、「当面はフリーランスで働いて、環境を整えながら過ごしたい」と言っても、特に反対はありませんでした。Upload By ユーザー体験談児童発達支援、宿題対応……フリーランスになって受けた恩恵時間調整がしやすい働き方に切り替えたことで、就学準備や息子のケアに充てられる時間が確保でき、平日昼間の児童発達支援利用もできるようになったので、息子の不安定さは目に見えて落ち着きました。現在息子は小学校1年生で、知的障害特別支援学級に在籍していますが、担任の先生やお友だち達にも恵まれ、心理的安全性を確保しながら過ごせているためか、勉強も意欲的に取り組めていて、いい感じに子育てできていると思います。今息子が苦戦しているのは「宿題」です。1問解くのに時間がかかっているのですが、問題が分からないというよりは宿題に取り掛かるための気持ち作りに時間がかかっている印象です。息子は私が隣にいることで宿題への負担が軽減されているようなので、私は「待つ」姿勢に徹して一緒に宿題を見ています。宿題を見る時間をじっくり取れるのも、時間に比較的融通がきくフリーランスだったからかなと思います。その結果、時間がかかりますが、息子は「宿題しんどいな~」と言いながらも必ず最後まで取り組むことができています。授業参観などでは先生の質問に積極的に発言し、担任の先生からも「授業に楽しんで参加できていますよ。朝のスピーチなども自分から進んでやってくれるし、とてもいい状態です!」とのお言葉。年中時代のネガティブ&無気力な姿を見ていただけに、その言葉がとても嬉しかったです。Upload By ユーザー体験談いいことばかりじゃない⁉経済的な不安しかし、その代償と言いますか、今、私の貯金が大大大ピンチです。仕事に充てられる時間が激減したため、今は会社員時代の貯金を取り崩している状態です。夫婦の生活費はほぼ折半ですが、私が育児にかける時間が多いため、負担割合は「夫6:私4」としています。それでも、貯金が底をつくのは時間の問題です。今後の働き方を再検討しなければなりません。Upload By ユーザー体験談子どもが生まれる前、夫に代わって私が生活を支えていた時代があったので、夫は私に「働き方を変えて、もっとしっかり稼いで」とは言いにくいんじゃないかと思います。とはいえ、「休みの日は、もっと俺が息子を見るわ。息子の送迎とかも、できる限り協力するし」と言われるので、私にもうちょっと働いてほしいと思っているのかな~とも感じています。今は、息子の登校に付き添いをしていたり、平日の午後に、送迎が必要な個別療育の放課後等デイサービスに通っています。まとまった収入を得やすい週5の時短勤務や、フルタイムなどの働き方にシフトすると、おそらくこれらを続けることは難しく、こだわりの強い息子を説得するのは大変だろうなぁ……と悩みは尽きません。あと、転職適齢期を大幅に過ぎた自分が、どこで働くかという問題もありますよね(汗)。母子分離不安がある息子。障害者手帳の取得も視野に入れてさらに、働きかたを変えていくための第一歩は、息子の「母子分離不安」を軽減することです。息子は「6年生になるまで一緒に登校して!」と言うほど、私への依存が強い状態。どうしたらいいか考えていたのですが、今後障害者手帳の取得に向けて、児童精神科を受診しようと思っています。これまでは特に必要性を感じる場面がなかったので手帳の取得を検討していなかったのですが、手帳取得によってなにか現状が変わればいいな、との思いからです。手帳取得によって手当が得られるわけではないことは知っていますが、収入を増やすことと支出を減らすことについて、いろいろな角度から考え続けたいと思っています。エピソード参考/苗イラスト/keiko(監修:室伏先生より)息子さんの特性や、お母様のお仕事についての悩みなど詳しく共有くださり、ありがとうございました。フルタイムからフリーランスでのお仕事に変更される時には、大きなご不安やさまざまな葛藤があったことと思いますが、「ここは適当にやり過ごしてはいけない」と息子さんに全力で向き合われてきたお姿、とてもかっこいいなと思いました。発達障害のあるお子さんへの経済的な支援の一つに、特別児童扶養手当があります。特性はあるものの生活への支障がそれほど強くないお子さんや、知的障害(知的発達症)の軽いお子さんでは手当を受けるのが難しい場合が多いですが、生活に一定程度以上の困難さを伴う場合には手当を受けることができます。児童精神科の受診には、手帳の取得や、手当に関する相談以外にも、医師、医療スタッフによる問診、お子さんの観察、発達・知能検査などを通して、ご本人の特性の理解を深めたり、その子に合った支援の方法を一緒に考えることができるというメリットもあります。息子さんとお母さまが共に安心して過ごせる道が見つかりますことを、私もお祈りしております。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月21日小3から特別支援学級に転籍し、ありがたかった個別の配慮ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けている息子のトールは、小学2年生まで通常学級に在籍し、小学3年生から特別支援学級に転籍しました。トールは特別支援学級に行くようになって、イライラしたり不安を感じたりすることが減っていったように思います。通常学級では、人の多さや周りの物音に過敏になって、ストレスを溜めているようでしたが、特別支援学級ではそれが解消されていました。また、特別支援学級の先生は、トールのその日の調子に合わせて宿題を出してくれるので、宿題のことで家でイライラするようなこともなくなっていきました。Upload By メイまた、トールの様子に合わせて1日のスケジュールを柔軟に変更してくれることもありました。トールは国語と算数だけを特別支援学級で受け、それ以外は通常学級で受けていたのですが、今日は朝から不安感やイライラが強いな……と感じた日は、そのことを先生に伝えておくと、通常学級に行く時間を減らして特別支援学級で少しゆっくり過ごすなどの対処をしてくれました。そのように個別に対応してくれるので、配慮してほしいことやトールのことで悩んでいることを、担任の先生に話しやすくなったのは大きな変化でした。トールにとっても、時間をかけてじっくり話を聞いてくれる担任の先生は、とても大きな存在になったと思います。Upload By メイまた、特別支援学級の先生の話し方や子どもたちへの声かけの仕方は、わたしにとっても参考になる部分が多く、発達障害に理解のある先生と日々を過ごせることに、大きなメリットを感じています。心配だった友だち関係や勉強面……特別支援学級へ転籍した影響は?転籍前に心配していた、通常学級の子どもたちとの関わりですが、やはり転籍前と比べて関わりが減ったのは事実です。通常学級の子どもたちが休み時間に遊びに誘ってくれることもあったようですが、トールは元々一人で過ごすことが好きなので、特別支援学級で落ち着いて静かに過ごすことが多いようです。交流学級(特別支援学級に籍を置きながら、通常学級で授業に参加すること)でどのように過ごしているのか心配もありましたが、授業参観や運動会、修学旅行などで、通常学級の子どもたちと仲良く話していたり、みんなとの楽しそうな写真を見たりすると、トールなりの距離感で周りの子どもとの関係を築いているのだと分かり、安心しています。Upload By メイまた、勉強面に関しても、通常学級の子どもたちから遅れることなく受けられています。テストも同じものを受けていて、平均よりも良い点数を取れている教科も多いとのことです。最近は特に熱中している分野があり、その分野のテストではいつもとてもいい点数をとっていて、自分で検定に挑戦するなど、日々知識を深めています。Upload By メイ自分らしく過ごした4年間。中学校でも特別支援学級へ最初は不安の多かった特別支援学級への転籍ですが、トール本人にとっても、親であるわたしにとっても、とても良かったのではないかと思っています。トールはもうすぐ中学校の特別支援学級に進学します。慣れ親しんだ小学校や担任の先生と離れることに不安はありますが、仲良くしてくれる同級生のお友だちと一緒に進学できることや、去年まで小学校の特別支援学級に在籍していた先輩がすでに中学校にいてくれることは、トールにとってもわたしにとっても大きな安心になっています。中学校もトールにとって楽しい場所になるよう願いながら、わたしもサポートしていけたらと思っています。執筆/メイ(監修:新美先生より)通常学級から特別支援学級に転籍したことについて詳しく教えていただきありがとうございます。通常学級は35人程度の生徒が一つの教室で、基本的に同じことを同じやり方で授業を受けたり活動したりします。このため発達障害特性があると、多くのお子さんにとってはそれほど気にならないことがストレスになったり、ベストパフォーマンスが出しにくいことがあります。トール君の実例からも分かるように、特別支援学級だと、自分のペースに合わせてある程度時間配分したり、活動のしかたを柔軟に調整したりなど、通常学級より合理的配慮を受けやすいですね。また、人数が少なく先生との距離も近いので、先生とコミュニケーションも取りやすいのもメリットです。先生も特性についての理解が厚いとより、相談もしやすいですね。学童期のうちに自分の特性に合った環境や活動のやり方を自分で選んだり調整する練習ができることや、他人と自分のことについて相談する練習ができることは、大人になってからの自立のためにとても役に立つスキルを練習していることにもなります。不安だった転籍も、親子ともにとてもよかったと思えたのは何よりです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月16日息子に発達障害があると分かってからも、相談できるママ友がいなかったもともと人見知りで、人付き合いがあまり得意ではない私。コチ丸が小学3年生でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた時も、相談できる相手は昔からの友だちのみでした。しかも私は出産が周りより早かったこともあり、育児の相談というよりも愚痴を聞いてもらうという感じで、解決にはなりませんでした。コチ丸と年が近い子どものいる……なんなら同じ悩みを抱えているママ友ができたら現状を相談できたり、理解してもらえたりするのになーとどこかでは思っていましたが、当時の私は普段仕事をフルタイムでしていて、ほかのお母さんと顔を合わせる機会も滅多になく、会っても何を話せば良いのか分からず挨拶をするのが精一杯でした(というのも今となっては言い訳だったのかなと思ったりもしますが……)。人付き合いが苦手な母。できたらPTAも避けて通りたい……(願)。しかし小学校には人付き合いを避けられないものがありました。そう……PTAです。コチ丸が通っていた小学校は田舎の小さな学校だったため、どう足掻いても6年間のうちに1度はPTAの役員が回ってくるようになっていました。しかし、コチ丸は3、4年生の頃から学校を行き渋り出したため、必然的に私の足も学校から遠のき、なんとなくほかのお母さんたちとも(自分が勝手に)壁を感じるようになりました。振り返ると、やはりどこかで「わが子は学校に行ってないし、自分はフルタイムで働いているし……できるだけ距離を置きたい」という思いが強かったんだと思います。たまたま小学校の人数が増えてきた年に、コチ丸の学年に役員の順番が回ってきたため、私は結局6年間PTA役員をすることはありませんでした。コチ丸はといえば、小学校にはそんなに行っていなかったのですが、不思議と友だちがいて、何人かでお泊まり会をしたり、友だちのお母さんに映画や遠出に連れて行ってもらったりしていました。ありがたいとは思っていたものの、逆にわが家で他所のお子さんの面倒をみるという流れに発展することもなく、顔を合わせたら挨拶をする程度で、「仲が良い」ママ友付き合いはついに小学校卒業までありませんでした。Upload By あきママ友付き合いが苦手な私も性格や物の見方を大きく変える中学校生活に……。そんな息子以上に頑固で頑なな私(笑)ですが、コチ丸が中学受験して私立の「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」へ入学することになった際に、1つ決めたことがありました。それは、中学校の親の会(いわゆるPTA)の役員になるということでした。コチ丸の決断にとことん関わって応援するため、中学3年間、私は親の会の役員として活動しました。その時はコチ丸の中学校生活をサポートしたい一心だったので、あまり考えていなかったですが、結果的に私自身の性格をも変える、大きな分岐点になりました。役員会は月に1~2回程度、丸1日行われるので、当然会社は休むことになります。私は有給を消費しながら、役員会がある日はコチ丸と車で学校まで通学し、1日役員の仕事をしてコチ丸とまた車で帰るという3年間を過ごしました。会社にはずいぶん無理を聞いていただきました。特に最後の1年は成り行きとはいえ、なんと私が親の会の会長をやらせていただくことになり、行事の度に休むうちに、ずっと溜め込んでいた有給休暇は中学校生活が終わる頃にはゼロに等しかったです……。それでも役員会の最中に親同士で子育ての悩みや進路について話したり、時には飲みに行ったり(笑)、この3年間でママ友が一気に増えたのは心強いことでした。また、会長になって、人に支えてもらいながら自分が主導して物事を動かしていくこと、時には人に頼ることなど、いろんなことを学ぶ時間になりました。なにしろ、会長をやっている以上、責任もあるので、人見知りだから……とも言っていられなくなりました。中学最後の文化祭で、親子で生徒会会長と親の会会長として、お互いの成功を手を叩いて讃えあったことは今でもうれしくて忘れられない、健気な母です(笑)。きっとコチ丸は覚えていないかもしれませんが……(涙)。Upload By あき最後に卒業式で会長として挨拶をした際には、舞台でわが子への想いも伝えることができ、ママ友、先生、会社の人たち、そしてこんな機会を与えてくれたコチ丸にも感謝ばかりでした。Upload By あき結果的に親子関係や自分の性格まで変わり、経験値を上げる素晴らしい体験に。当時を振り返って一番良かったなと思うのは、中学校でコチ丸と頻繁に顔を合わせたり、役員会のある日は1時間半近く、車で一緒に中学校に通ったりする中で、小学校の時以上に親子の時間を持てたことでした。コチ丸もまた、入学当初は親がそばにいる環境が安心感につながっていたのではないかと思います。コチ丸が通っていたのは学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)ということもあり、親の会は子どもたちの中学卒業後もサポートしていくという考えで、子どもたちが二十歳になる際に中学校で行う「二十歳を祝う会」の実行委員として、役割はまだ続いております。そして未だに役員を一緒にやったママ友たちと飲みに行ったり遊んだり……。卒業後の子どもたちより会っているかもしれません(笑)。最近では、PTAは悪しき風習なんて言われているところもありますが、3年間、とことんPTAをやってみた感想は、「やってみてよかった」です。大変なことも理不尽なことも、学校側や親同士の大なり小なり衝突もありましたし、公立や私立などで考え方や運営もさまざまだとは思いますが、母親自身が成長したり、新しいアイデンティティの場を持ったり、子どもとの関わりを深めるのに上手に活かしていけば、親子で成長する貴重な場になるのではないかと感じました。人付き合いを避けることばかり考えていた頃と比べると、自分でも驚くほどの変わりようですが、たくさんのママ友だちに恵まれている今、そんなふうに思っています。Upload By あき執筆/あき(監修:初川先生より)ママ友付き合いが苦手ながらも中学でPTA活動を始めたら「やってみてよかった」と思うに至るまでになられたエピソードのシェアをありがとうございます。ママ友がいたらいいとご自身で思ってらしたり、あるいは知識としてママ友がいると何かと助かると聞いたことがあったりしつつも、実際にはママ友づくりが難しいというお声はよく相談場面で話題に上がります。「こんな話できるのはここ(相談)だけなのでありがたい」といった感じで、なかなか(障害のある)お子さんのことをほかの保護者に話せなかったり、そもそも女性コミュニティでの付き合いが苦手であったりする方もおられます。その一方で、ママ友をつくろう、仲よくしようとすると難しくとも、PTAをやってみたら意外とよかったという話もよくうかがいます。役割がある、仕事があることでコミュニケーションが取りやすくなりますし、学校に頻繁に出入りすることで先生方と話す機会が増えたり、お子さんの様子を目にすることも増えたり、顔見知りのクラスメイトが増えたり。あきさんの場合には、一大決心されて中学校からPTA活動をされたとのこと。中学校という新しい環境で、PTA活動をされるのには不安もあったと思いますし、あきさんも書かれていたようにお子さんも新しい環境に入る時期なので良かった面もあったようですね。そして3年時には会長にまでなられて、大活躍の3年間でしたね。あきさんが書かれた通り、仲間ができ、作業中に自然と会話も増え、仲良くできる保護者さんが増えたのは何よりです。今は共働きのご家庭も多いですし、活動に参加したくともできない事情がある場合もあると思います。時代に合わせてPTAも変化している時期でもあります。ご自身に合った形で、無理なく関われる関係性づくりがなされるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月12日毎月お小遣いが足りない!と言う息子Upload By かなしろにゃんこ。息子のリュウ太には、ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の診断があります。中学時代のリュウ太は、お金の使い方がひどいものでした。リュウ太の仲の良い友だちには両親の帰宅が遅いということで、毎日1,000円のお小遣いをもらっている子もいました。一方、リュウ太のお小遣いは毎月3,000円。周りの友だちより少なかったかもしれませんが、わが家は、母の私が家で仕事をしているため、お腹が空いたときはオヤツなどを用意できるので、毎月3,000円で十分だと思っていました。しかし、リュウ太はそれがかなり不満だったようで「お小遣い5,000円にアップしてくれよ!友だちはみんな毎月5,000円以上もらってるのにさー」とお小遣いの値上げ要求を頻繁にしてきました。ですが、小遣いの金額は夫が決めていたため、私はリュウ太の要求に応えることはできませんでした。Upload By かなしろにゃんこ。そのリュウ太は、学校から帰ると友だちと週に3回は出かけるようになりました。帰宅後に「どこに行ってきたの?」と聞くと「友だちとゲームセンターに行ってきた」と言うのです。リュウ太は、ゲームセンター通いをするほどお金を持っていないはず……?週3のゲームセンター通い、お金は一体どこから?……なんと、リュウ太は私の財布からお金を持ち出していたのでした(私はお金の管理を細かくしていないため、持ち出されたことにしばらく気がつきませんでした……)。ゲームセンターで遊ぶために500円や多いときは2,000円を私の財布から持ち出していたようでした。ほかにも、私は電車に乗るためのICカードに数千円チャージしていたのですが、リュウ太はそれも持ち出し、飲み食いに使っていたようなのです。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。ICカードのチャージや財布の中の紙幣が少なくなっていることに数回「あれ?」と思ってはいたのですが、犯人と決めて子どもを疑うのは良くないと思っていました。しかし、とうとう私はリュウ太がお金を持ち出している現場を目撃してしまったのです。私は、リュウ太を叱り、どうしてお金がそんなに必要なのかを聞いてみました。Upload By かなしろにゃんこ。すると「お金がない日は、ゲームセンターで友だちや周りの人がプレイしているところを覗きこんで楽しんでいたけど、自分はもっと上手にプレイできるし、仲良くなった他校の友人を競い合ったりしたくなった」と言います。そして、(みんながゲームをしているのに自分だけできないのは惨めな気分。どうしてうちは貧乏なんだろう……お小遣いをくれないならこっそり持ち出すしかない……)という考えに行きついたそうなのです。Upload By かなしろにゃんこ。「お金って大事、お金を稼ぐのって大変なんだとか、そんなこと言われても分からない」「ゲームセンター通いは今一番やりたいことだからやめられない!」と言うので、リュウ太のこれまでを振り返っても無理に言い聞かせたり、止めてもやめることはできないだろうと思いました。勝手に持ち出すくらいなら……「親への借金」という苦渋の選択Upload By かなしろにゃんこ。きっとお金の持ち出しは繰り返されてしまう。だったら「お金を貸して、高校生になったらアルバイトをしてもらって返済してもらうしかない」と思いました。やりたいことを意地でも貫く性格なので親が根負けしてしまうんです……。きっといくら言っても止めてはくれないだろう……というあきらめの気持ちがありました。お金のことで親子喧嘩も頻発し、その喧嘩が原因で学校の課題をやらなかったり、生活態度が悪くなったりとほかの問題も大きくなっていたため、私はお金を貸すことを決めました。私の心が楽になるための選択だったかもしれません。それから、リュウ太には毎月お小遣いでは足りない分を上限2,000円で貸すことにしました。高校生になりアルバイト代で借金返済。一方で……リュウ太は、高校生になりアルバイトをはじめてから順調に返済し、中学時代に作った親への借金は3年間で返済できました。幸いなことにアルバイトや部活など、他に楽しいことができたためゲームセンター通いもなくなりました。Upload By かなしろにゃんこ。一方、親のお金の持ち出しはなくなったかというとそうでもなくて、高校生になってもバイト代が入る前のカツカツなときは私の貯金箱から持ち出していました。年齢とともに徐々に減っていき、20歳になる頃にやっとしなくなりました。息子との長い戦いでした。親子であれど人のお金を持ち出すのはよくないので、せめて親に借金することで自覚を持ってほしかったのです。今でも中学生の息子にお金を貸したことが良かったのか悪かったのか分かりません。わが家の苦渋の選択だった気がします。みなさんはマネしないでくださいね。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)思春期の親子のそれぞれの思いの葛藤の中で親自身も追い込まれてしまうことがあります。客観的にみると子どもさんも「無制限」ではなく「5000円」という本人なりの妥協ラインを示してきていますが、「さらにエスカレートするのでは」などの不安から親としては感情的に容認したくないという気持ちになってしまうかもしれません。かなしろさんも回想しておられるように親から借金をして、お小遣いを前払いするのは当時としてはやむを得ない決断であったと思います。アルバイトを始めて、労働に対する報酬としてのお金の価値や実感が得られたことで浪費癖も少しずつ改善していったのかもしれません。お小遣いが不足している場合、暴れたり癇癪をすることでそれが得られるのではなく、家庭の中でお手伝い労働をすることで得られるような「出来高払い」を組み合わせるなどのアイデアもあるかと思います。それぞれのご家庭で状態は異なるので唯一の正解はありませんが、お金を与える/与えない、という二分的な条件ではなく、暴れることでお金を得るのではなく、特定の労働や努力の対価としてお金が得られるなどのルールを本人と一緒に考えていくのがよいと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月11日「アクセプタンス&コミットメント・セラピー、ポジティブ行動支援、WISC研修、、、 そしてLD/ADHD体験!?:宮崎を選んだわけは?」日本公認心理師ネットワークが、2025年1月7日(火)19:00~20:00にオンラインで無料イベント「アクセプタンス&コミットメント・セラピー、ポジティブ行動支援、WISC研修、、、 そしてLD/ADHD体験!?:宮崎を選んだわけは?」を開催いたします。無料イベントへのお申し込みはこちら : 日本公認心理師ネットワークでは、2025年1月25日(土)、26日(日)の2日間、初の宮崎県宮崎市で4つの対面型研修を行います。研修に先立ちまして、キックオフイベントとして、研修開催地として「宮崎」を選んだわけや、企画内容・企画前後での宮崎でのおすすめの過ごし方についても紹介します。「なんだろう」と思っておられる方も、「どうしようかなあ」と迷っておられる方も、「宮崎」について知りたい方も、ぜひご覧ください!宮崎県で行う4つの企画①2025年1月25日(土)14時~17時開催「今、注目の「アクセプタンス&コミットメント・セラピー」と「ポジティブ行動支援」を学ぶ」②2025年1月25日(土)17時30分~19時30分開催「LD・ADHD等の心理的疑似体験プログラム in 宮崎県」③2025年1月26日(日)9時30分~12時30分「見ながら学ぶ初心者のためのWISC-V (宮崎)」④2025年1月26日(日)9時30分~12時30分「ACTを体感する in 宮崎〜マインドフルに歩く・聴く・撮る〜」4つの企画に関する特設サイトはこちら : キックオフイベントの内容(予定)・企画の経緯・開催地として宮崎を選んだ理由・各企画の紹介・各企画前後のおすすめの過ごし方の紹介などスピーカー安東大起(日本公認心理師ネットワーク主宰・兵庫県公認心理師会常務理事・公認心理師・臨床心理士)香川葉月(公認心理師・臨床心理士・宮崎県宮崎市出身)見逃し配信について参加をお申し込みの方全員に、見逃し配信を行います。視聴用URLは、ライブ配信終了後1週間後に、Peatixよりメッセージでお送りいたします。端末の設定により、迷惑メールフォルダに振り分けられることがありますので、ご注意ください。視聴期限は、2025年1月25日(土)23:59です。お問い合わせ先日本公認心理師ネットワーク事務局Mail: japancertifiedpsychologist@gmail.com お申し込みはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2025年01月04日【放デイ・児発探しは大変だった?何か所利用してる?】皆さんのアンケートの結果発表!発達ナビ会員から寄せられたコメントも紹介!Upload By 発達ナビ編集部施設探しはおおむねスムーズにいった:51%施設探しは大変だった:37%その他 :12%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートでは「施設探しはおおむねスムーズにいった」を選んだ方が51%、「施設探しは大変だった」を選んだ方が37%という結果となりました。約半数の方がスムーズに探すことができた一方で、大変だった方も40%弱いらっしゃったようです。Upload By 発達ナビ編集部発達支援施設を1か所利用している:39%発達支援施設を2か所利用している :26%発達支援施設を2か所以上利用している:17%発達支援施設を利用していない:17%その他 :2%「1か所利用している」を選んだ方が約39%、「2か所利用している」を選んだ方が約25%、「2か所以上利用している」という方は約16%となりました。1か所以上利用している方は約41%と多いようです。施設探しについては以下のようなコメントが寄せられています。・施設探しはおおむねスムーズにいった私が仕事をしているので、毎日入れる新規の事業所を紹介してもらいました。当時の相談支援の方がすごく仕事のできる人だったなと思います。今はもう週1でしか行ってませんが、良かったです。・施設探しは大変だった就学前に、10カ所くらいの放デイに、まずは電話で問い合わせしました。最初の電話の時点で、ほとんどが満員で門前払いのような対応でした。’この状況だと空きが出ないから、見学に来ても意味がないかもしれません。’と言われたり。そのうち4割くらいが、’満員なので、かなり空きを待つ状況になると思いますが、見学は予約ができます。’と言われました。併用利用については以下のようなコメントが寄せられました。・発達支援施設を2か所利用している放デイ、2個所使っています。ちょっと人多いけどしっかり体動かせる系と、動きは少ないけと人少なめな所、と。デイでのちょっとしたことで「もう行かない」と言い出すので。複数使ってると、いい気分転換?になるようです。・発達支援施設を2か所以上利用している集団療育メインのところ、個別療育メインのところ、と棲み分けして児童発達支援を利用しています。集団に関しては、親子同伴のところだけ通所していましたが、本人の体力がついてきた年中から、一人で日中を過ごす生活メインの療育にも通い始めました。合計3カ所ですが、それぞれの色や雰囲気が違うので、本人なりに気分を変えながら、楽しみを見つけて利用しています。お住まいの地域や担当の相談員によって、施設探しの難しさには違いがあるようです。また、施設の利用に悩まれている方は、ご家庭の事情やお子さまの特性に合わせて、1か所に限定せず複数の施設を併用することもいいかもしれませんね。では以下から施設に関する記事をまとめてご紹介します。どうやって探した?通った変化は?児童発達支援に関するコラム、基礎知識はこちらからプクティさんのご長男は、幼稚園でのさまざまな困りごとがきっかけで、年中の夏頃から発達支援施設に通い始めました。ご長男が小学校へ入るまでに通った2か所の発達支援施設についてご紹介いただいています。鳥野とり子さんの息子さん・ねこ太くんは1歳11か月で発達遅滞と診断されたため、2歳4か月から児童発達支援施設に通うことになりました。通い始めて息子さんに起こった変化、そして保護者としての思いも語っていただいています。にれさんのご長女・まゆみさんは1歳8か月から療育を始めました。その際、どんな風に児童発達支援施設に通い始めたのか、相談支援員、施設での面談なども振り返っていただきました。児童発達支援とはどういう施設なのか、利用の仕方、料金などについて知りたい方は、以下の施設記事をご覧ください!児童発達支援(児発)とは?支援内容、探し方、料金や保護者の声も小学校入学後も支援に繋がりたい!放課後等デイサービスに関するコラム、基礎知識はこちらから特別支援学級に進学したプクティさんのご長男。「放課後の居場所」を学童にするか、放課後等デイサービスにするか悩まれていました。プクティさんたちの選択と、現在の変化についてご紹介いただきました。集団活動が苦手で先生からの集団への指示が通りにくく、スーパー不器用な息子・スバルくんには習い事は難しいと諦めていた星あかりさん。しかし、放課後等デイサービスを探し始めると、諦めていたあれやこれを経験できる素敵な施設を見つけ、舞い上がって契約したのですが……。放デイ探しの反省点をお話いただきました。小学2年生から放課後等デイサービスを利用しているSAKURAさんのご長女・あーさん。中学生になってから、勉強や部活で忙しくなり、長い休み期間などに、数日しか通えなくなりましたが、あーさんにとって放デイは大切な場所でした。小学校~中学校での放デイ利用についてのエッセイです。放課後等デイサービスとはどのような場所か、利用までのステップ、料金といった基礎知識についてはこちからご覧ください。放課後等デイサービス(放デイ)とは?支援内容、探し方、料金や保護者の声もLITALICO発達ナビ「施設情報ページ」をご活用ください!LITALICO発達ナビの施設情報ページでは、日々新たな発達支援施設が掲載、利用者の声も更新されています。施設ブログでは、各施設の日常もお届けしています。「以前探した時は施設が近くになかった……」「なかなかお子さまに合う施設が見つからない」という方がいらっしゃいましたら、是非ご利用ください。発達ナビ|施設情報ページ(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月03日2024年版!人気の発達ナビ読者体験談10選昨年も発達ナビ会員の皆さんの体験を参考に制作をした「発達ナビ読者体験談」をたくさんご覧いただきありがとうございました。このコラムでは2024年に人気のあった読者体験談をピックアップしてお届けします。施設入所で絶縁を決意、勉強のつまずきと就職、志望校選択トラブル、子どもの居場所探し、特別支援学級への転籍、「親なきあと」に向けての準備、問題行動の多かった子どもの変わるきっかけなどなど……さまざまな体験談に加えて、大反響のあったマンガ「発達障害の子どもと私たち」シリーズもご紹介いたします。※コラムのView数は2024年12月23日時点のものです小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さん。小学校までは通常学級に所属していましたが、小学校5年生の時、コロナ禍による休校をきっかけに『いつから学校に行けるのか?』とパニックとなり、昼夜逆転や家庭内暴力が始まり、中学1年生の冬から児童養護施設に入所を選びました。しかしそれを知った実母は激怒して……。小さい頃から「もしかしたら特性があるのかも?」と感じる場面はあったものの、通常学級で過ごしていたやぎ母さんの息子さん。中学校入学以降はあれよあれよと成績が下がっていき、高1でASD(自閉スペクトラム症)の診断。今は就職についてまさに立ち向かっている息子さんですが、やぎ母さんが後悔していることはーー。「これを渡したからと言って合格と思わないでほしい」中高一貫校に通う中学2年生のりぃさん親子が中学受験の際に面接官の先生から言われた言葉です。発達障害を理由になにかを断られたという経験がなく、衝撃・混乱。志望校選択を間違えた?と感じたりぃさん親子が最終的に選んだ中学進学先は……。小学校に入学後、1年生のうちは通常学級に、2年生からは特別支援学級で卒業までお世話になろうと思っていたお気楽ママさんの息子さん。明るくて元気で人懐っこい性格の息子さんがたくさんの友達と楽しく過ごしてくれたらという思いからの選択でした。しかし、入学後学校で癇癪を起こされては対応できないと言われ、限られた時間の登校、オンライン授業や放課後登校という生活をすることになり……。小学校入学後「ほかの子と違う対応をすることは特別扱いだからできない」「配慮はできない」といわれ、毎日先生から怒られるばかりの日々になってしまったAAAさんの息子さん。学校へ対する不安が大きくなり、1年生2学期に自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校へ転校をしました。大きな決断でしたので不安もありましたが、ここで転機が訪れました。4歳で知的障害(知的発達症)と診断された現在33歳の息子さん。中学生からレスパイトを利用し、20歳でショートステイに登録、現在はグループホームで暮らしています。小さい頃はできないことも多く、悩んだこともあったとのことですが、嘆くより「どうしたらできるようになるか」「こんなことができるんだ」と思うようにし、息子さんと一緒に成長してきた経験をご紹介します。学校からの連絡がない日はない!問題行動が多かったしのっぺさんの息子さん。そんなしのっぺさんの育児の転機は小学2年生の時に先生に言われたとある一言だったそうです。学校で荒れていた息子さんが、あることをきっかけで前を向くようになりました。小学校5年生の一卵性双生児の男の子の母であるくまごろうさん。診断はありませんが、二人ともADHD(注意欠如多動症)、さらに弟の方にはASD(自閉スペクトラム症)の傾向があると感じているそうです。そんな息子さんたちは1歳の頃から集団行動を全拒否!もしかして発達障害なのでは?と心配していました。大反響!不登校、親の苦悩、勉強についていけない…マンガ「発達障害の子どもと私たち」シリーズをまとめ読み!マンガ「発達障害の子どもと私たち」は、発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたセミフィクションストーリーです。3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けたはるきは小学校3年生の5月の下旬頃から「学校を休みたい」というようになりました。なぜはるきは学校へ行けなくなってしまったのか?はるきの気持ち、そして保護者の決断は……。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けたみきは、小4で「学習の壁」にぶつかり登校渋りが始まりました。集団授業についていけないなか、特別支援学級への転籍を希望するのですが、結果は……?全4話をまとめ読み!2025年も発達ナビでは読者の皆さんのエピソードを募集しております。現在の募集テーマはこちらです。・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルお寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんなどにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、なかなか相談できずにいたご家族の中での悩みや保護者間のトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月02日2024年、発達ナビライター陣に新たに加わった7名をご紹介します!2024年、発達ナビでは新たに7名のライターを連載メンバーに迎えました。改めて新ライター陣のプロフィールと、それぞれのおすすめコラムをご紹介します。3人のお子さんを育てているねこじまいもみさん。繊細な長女さん、ASD(自閉スペクトラム症)の長男さん、言葉がゆっくりな次男さんと、3人それぞれに違った特性があります。小学3年生でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた長男さん。最初に違和感を覚えたのは1歳半頃で、同じ場所を行ったり来たりする「常同行動」をしていたことでした。そのほか、幼い頃の気になる行動についても振り返っていただきました。サチコさんは長女・次女・夫の4人家族です。現在4歳の長女・マユユちゃんは、2歳で軽度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。社会性・ことばの遅れ、切り替えの苦手さから癇癪を起こすことがあり、3歳頃から療育に通い始めました。マユユちゃんが赤ちゃんの頃から育てにくさを感じていたサチコさん。当時は理由が分からないままヘトヘトになっていたとのことですが、今思い返すと合点のいくことばかりだったそうです。ASD(自閉スペクトラム症)、強度行動障害と診断されている息子さんと、ASD(自閉スぺクトラム症)の娘さんを育てている花森はなさん。お子さんの不登校や行き渋りで感じたことなどを書いていただいています。現在中学3年生の息子さんは、ASD(自閉スペクトラム症)と強度行動障害がありますが、この診断が出るまでには、初診から約3年かかったそうです。息子さんが小学3年生で突然不登校となり、「発達障害があるかもしれない」と考え始めた頃を振り返っていただきました。もっつんさんの息子さんのタク君はASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)、ご自身も大人になってから発達障害の診断を受けています。タク君は現在中学3年生。穏やかな今に至るまでの、苦労を乗り越えてきた育児について書いていただいています。未就学期のタク君は他害や多動が激しく、どこに行っても振り回されていたもっつんさん。周囲からポジティブな言葉をかけられても、悩みは消えずに大きくなるばかりだったと言います。シングルマザー歴13年のあきさん。もうすぐ高校2年生になる息子・コチ丸君は、小学校の頃は問題行動が目立ち、ほとんど学校に行かない日々でした。そんな状況ががらりと変わるきっかけとなったのは、コチ丸君が中学受験を経て、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)へ進学したことでした。保育園の先生から、コチ丸君の落ち着きのなさや気になる行動について報告を受けるたび、「自分の育て方のせいなのでは…」と自信をなくしていたあきさん。試行錯誤してきた育児について、そして今やすっかり落ち着いたコチ丸君の様子を書いていただきました。トール君、リンちゃんの兄妹を育てているメイさん。トール君は1歳半健診で言葉の遅れを指摘され、小学校1年生でASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断されました。娘のリンちゃんは3歳児健診で発達検査を受け、その後ASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。転勤などでなかなか支援に繋がることができず、育児に悩みながらもお子さんたちと向き合って過ごしてきた日々を書いていただいています。トール君が1歳頃のある日、スーパーでの買い物中に癇癪を起こし、2時間も泣き続けて家に帰れなくなったことがありました。頼れる人のいないワンオペ育児の中、メイさんは心身ともに疲れ切ってしまい……。発達障害と診断される前のエピソードです。ASD(自閉スペクトラム症)の長男りーくん(6歳)、発達のゆっくりな次男かーくん(3歳)、そして三男おーくん(1歳)の3人の息子さんを育てるかしりりあさん。長男りーくんは、2歳頃から発達の遅れを感じ、療育園に通い始めました。次男かーくんも言葉の遅れがあり、長男りーくんと同じ児童発達支援に通っています。三男おーくんは、1歳半健診で発達の遅れを指摘されています。発達支援施設や特別支援学校などの支援者と共に、子どもたちの成長を温かく見守る日々を書いていただいています。1歳半健診で長男りーくんの発達の遅れを指摘され、大きなショックを受けたかしりりあさん。しかし、周囲のサポートを受け、りーくんのペースに合わせた育児を始めることに。療育の相談も受け、まずは家庭でできることを試してみることにしました。インターネットで情報を集めながら、りーくんの成長を信じていましたが、心のどこかでは不安も抱えていました。発達ナビ、新しい仲間とともに進化中! 発達特性を知り、子育てをもっと楽しくいかがでしたでしょうか?新連載ライター陣には、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、言語発達の遅れなど、さまざまな発達特性を持つお子さんと向き合う中で、ご自身が学んだこと、工夫したことなどをコラムでご紹介いただきました。来年も発達ナビでは、役立つ情報を読者の皆さまにお届けできるよう、ますますパワーアップしてまいります。どうぞご期待ください!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月31日【発達障害のある子どもの思春期、どうだった?】お子さんの思春期での困りごと、アンケートの結果は?発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介!Upload By 発達ナビ編集部思春期ならではの困りごとがあった :72%思春期には困りごとは減った、なかった :11%その他 :17%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートでは、「思春期ならではの困りごとがあった」を選んだ方が72%、「思春期には困りごとは減った、なかった」を選んだ方が11%、「その他」を選んだ方が17%という結果となりました。70%以上の方が、思春期ならではの困りごとを経験されているようです。姉弟ともに、思春期&反抗期の真っ只中です。娘(現高三)は、少し落ち着いてきたかな。中学生時代は、「おはよう」の挨拶もありませんでした。パニックを起こせば直ぐに自傷行為が始まるので、注意の仕方や口調に、慎重にならざるを得ませんでした。息子(現高一)は、反抗期真っ只中です。(中略)最終的には癇癪を起こし、家の壁を蹴り、穴を開けたり。物を壊します。息子の力には、私はかなわないので、かなり、なめられています。なので、注意すべきことや指導は夫に任せることにしました。息子の反抗期は、まだまだ続きそうです。小学校低学年が1番大変でした。親子でどう対応したら良いのか分からず八方塞りでした。思春期は、息子が不登校になる事もありましたが…。親子の会話が無いといった事は無く意思疎通は出来たので、その点では良かったです。(中略)あの頃は病んでいたな…俺。って笑い話が出来る程落ち着きました。現在、高校2年。進学して自宅を離れたいと言ってはいますが、何事も経験!!って前向きな発言でしたので。応援したいと思っています。思春期中(中学)息子は思春期の中でも穏やかな方みたいですただ、周りはかなり思春期真っ只中の環境を乗り切るのは…かなりのタフさが必要。背の伸び方がヤバイ髭もニキビも全てが変わってくる感じです…注意が必要なのは起立性うちは、酷くはないですが立ちくらみ、めまいがあります難しい年頃ですね。寄せられたその他のコメントなどもアンケート先でご覧いただけます。ぜひ参考になさってくださいね。2024年に読まれた思春期にまつわるコラムを一挙ご紹介!ここからは、2024年によく読まれた「発達障害のある子どもの思春期」にまつわるコラムをご紹介します。安田ふくこさんの長男・ハルくんはASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。中学生になり、慣れない制服や校則など、新しい環境に戸惑いを感じていました。さらに、部活動での上下関係や暗黙の了解、定期テストなどにも苦労して……。寺島ヒロさんの息子、タケルくん(ASD/自閉スペクトラム症)は中学受験に成功し、中高一貫の進学校に入学しました。しかし学校は自宅から遠く、早朝からの通学で電車の便も少なく、少しでも遅れると遅刻に……。しかも、タケルくんは音に敏感で、小さな変化にも体調を崩しやすく、学校でパニックを起こしたり、途中で帰宅したいと言ったりすることが頻繁にありました。寺島さんの負担は決して小さいものではありませんでしたが、それでも、小学校の頃と比べると「精神的には楽になった」と言います。丸山さとこさんの息子・コウくんは、中学3年生になり高校受験を控えています。小学校の頃から「宿題を出さない」ことで苦労してきましたが、中学3年生になって、夏休みの宿題を早めに終えるという大きな進歩がありました。しかし、依然として宿題の提出忘れが多く、成績も伸び悩んでいました。高校受験まであと半年となった頃、コウくんは体重が増えたことをきっかけに、自ら「ADHD(注意欠如多動症)の治療薬を増量したい」と相談してきて……。花森はなさんの息子さんは、ASD(自閉スペクトラム症)と強度行動障害と診断されています。小学3年生から登校渋りが始まり、特別支援学校中等部に進学した後も不登校になり、高等部進学への不安を抱くようになりました。特に、高等部卒業後の進路について、一般企業への就職が難しくなるのではないかという心配を抱えていました。そこで花森さんは、息子さんの将来の選択肢の一つとして、福祉事業所合同説明会に参加してみることに。説明会を通して、就労支援に対する認識が大きく変わるきっかけとなったそうです。かなしろにゃんこ。さんの息子、発達障害のあるリュウ太くんは、小さい頃から人間関係がうまくいかず悩んできました。特に小学校時代は周囲との衝突が多く、ケンカになることもしばしばあったと言います。しかし、中学生になると、友だちの趣味に合わせて会話をしてみるなど、相手への配慮を心がけることを意識するように。試行錯誤しながら、周囲の人々とのコミュニケーションがうまくいくようになったリュウ太くんの「人付き合いのコツ」は、同じように悩んでいる人も参考にできそうです。発達障害のある子どもの思春期は、親も子も成長のチャンス!2024年、発達ナビでは発達特性のあるお子さんを持つ親御さんからの共感の声が多く寄せられました。特に「思春期」は、親子ともに大きな試練となる時期であることが分かりました。読者アンケートでは、挨拶をしない、パニックを起こす、反抗的な態度をとるなど、さまざまな困りごとが挙げられた一方で、思春期を乗り越え、親子関係が良好になったという声も聞かれました。また、コラムでは、小学校と中学校のギャップ、不登校、高校受験、人間関係など、親御さんの葛藤や、それを乗り越えるための工夫など、たくさんのエピソードを聞かせていただきました。発達障害のあるお子さんの思春期は、決して楽なものではありませんが、子どもも保護者も成長できる大きなチャンスでもあるのかもしれません。無理せず、周りの人にも頼りながら、お子さんをサポートしていきたいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月30日【新版K式発達検査、WISC(ウィスク)など】発達検査・知能検査受けたことがありますか?アンケートの結果は…発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介!発達検査とは、子どもの心身の発達の度合いを調べる検査のことです。質問や観察、実際に道具を使って実施するなどさまざまな方法があります。知能検査は、主に物事の理解、知識、課題を解決する力といった、認知能力を測定するための心理検査の一つです。発達検査や知能検査を受けることで、子どもの特徴を客観的に知ることができ、今後の関わり方のヒントにすることができます。このコラムでは発達ナビ会員の皆さんにお答えいただいた「発達検査・知能検査」アンケートの結果や寄せられたコメントを紹介。また、発達検査や知能検査に関するコラムなどについてもまとめました。Upload By 発達ナビ編集部発達検査、知能検査を受けたことがある:95%発達検査、知能検査を受けたことがない:4%その他:1%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートは「発達検査、知能検査を受けたことがある」を選んだ方が95%と大多数を占める結果となりました。検査などを行い、お子さんの発達について向き合う様子が伺えます。(略)姉が小四、弟が小二で発達検査を受けました。娘は、頭の回転は良いけれど、視覚的認知やワーキングメモリーが低いとのこと。息子は、集中力が続かないが、得意なことへの集中力への強みがあると。IQも判定してもらい、しっかりと文書化してもらったので、担当医やスクールカウンセラーに提出して、関わり方のポイントのアドバイスがもらえるようになりました。それ以降、検査はやっていませんが、子供達の特性を早めに知ることが出来て、良かったと思っています。新版K式発達検査は息子がこども園年少の頃から、半年に1回程度の頻度で受けていました。息子の特性を検査結果で示してもらうことで、夫や両親にも説明しやすくなり、園の先生との情報共有にも役立ったので、とても助かりました。(略)息子が園児時代は…スコアの数字に振り回されまくりました。「数字」って、素人にはメチャクチャ強烈なインパクトなんですよね。判定員(心理士)の先生方は、数字は伝えるけれど、それよりなにより「中味」をとてもとても丁寧に説明してくれているんです。どういうところが得意なのか、どういうところが苦手なのか。苦手部分を得意なところで「カバー」するにはどうしたらいいのか?日常生活ではこういうところに困りそうだけれど、こういう「強味」があるから、こう工夫したらどうだろう?小さいころは「数字」しか頭に残ってなくてですね…後から「数字」に囚われたことを後悔しました。ただ、小学生になってからは…親の方も「特性把握」が進んだこともあり、Wiscの結果は「ですよねーw」という、「息子の特性再確認」みたいな状態でした。(中略)「言語理解(話言葉)が苦手」な息子の名言……(当時小学校低学年)「口から出る言葉は、空中に消えて無くなって、見えへんようになるからワカランねん。そやから、大事なことは書いて見せて」この結果から、「大事なこと」は「目に見える形で伝える」が基本です。息子とは大事なことほど「LINE」でやりとりです。寄せられたその他のコメントなどもアンケート先でご覧いただけます。ぜひ参考になさってくださいね。新版K式発達検査、WISC(ウィスク)、田中ビネー知能検査…さまざまな検査についての詳しいコラムはこちらから発達検査は子どもの社会性や認知、言語などのさまざまな領域の発達度合いを測っていく検査です。園などから発達検査をすすめられると不安な気持ちになるかもしれません。発達検査を受けるかは任意ですので、家庭で話し合って選択していくとよいでしょう。発達検査を受けることで、子どもの特徴を客観的に知ることができ、今後の関わり方のヒントにすることができます。また、検査結果は療育支援にも活かすこともできるなど、受けることのメリットは多くあります。発達検査は発達支援や育児支援、学習支援などさまざまな支援の場におけるアセスメント・ツールとして活用されています。その中でもさまざまな支援の場で使用されることの多い新版K式発達検査は、子どもの心身の発達の状態を観察し、支援に役立てるための検査で、検査課題への子どもの反応から、発達の状態を多面的に評価します。このコラムでは発達検査と知能検査の違い、新版K式発達検査の特徴や適用年齢、実施時間、費用や受ける前の心がまえなど解説いたします。子どもの支援に役立てるために実施される新版K式発達検査。このコラムでは、・新版K式発達検査、準備するものや心構えなどは?・新版K式発達検査、結果の見方は?など、気になる新版K式発達検査への疑問について鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授で公認心理師の井上雅彦先生にイラストを交えて分かりやすく回答いただきました。知能検査は一人ひとりの特性を把握するための手段として、発達支援や学習指導、就学相談などで活用されています。知能検査は種類が複数あるとともに、その問題の内容が非公開なこともあり、内容について分からないという方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、「ウェクスラー式知能検査(WAIS・WISC・WPPSI)」「田中ビネー知能検査」「鈴木ビネー知能検査」などの知能検査の種類、受けられる機関や費用、結果の活かし方のほか、知能指数などについて解説します。WISCは5歳から16歳の子どもを対象とした日本で広く使われている知能検査の一つです。WISC検査ではさまざまな問題が出題され、その回答結果によって子どもの知的機能を数値化しています。目にすることも多いWISCですが、どこで受けたらいいのか、どのような問題が出されるかなど分からないという方もいると思います。このコラムでは検査の概要や結果の見方、受けるメリットデメリットを解説します。田中ビネー知能検査は、子どもの知的側面の発達状態を客観的に捉えるための検査です。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)、LD・SLD(限局性学習症)など、発達の遅れや偏りのある子どもの状態を把握し、支援方法や指導内容を検討することにも使われています。このコラムでは田中ビネー知能検査の特徴や適用年齢、実施時間や費用、検査結果の説明などについて解説をします。発達検査、知能検査の結果を子どもの支援につなげていくために発達検査、知能検査の結果はさまざまな支援・相談の場におけるアセスメント・ツールとして活用されています。発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートの結果では「発達検査、知能検査を受けたことがある」を選んだ方が95%という結果にもなりました。発達検査、知能検査の結果を有効活用してお子さんの日々の過ごしやすさにつなげていけると良いですね。<(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月29日