2017年6月8日 16:30
「これは、僕だ」NHK発達障害特集を観て、息子が語ったこと
息子と一緒に発達障害スペシャルを観るという「挑戦」
Upload By 林真紀
いつからでしょうか。私が発達障害について特集している番組を見ていると、現在6歳で発達障害のある息子が一緒に見たがるようになりました。
そのうちに「発達障害」「ADHD」といった用語も息子は何となく理解するようになりました。やがて小学校に入り、特別支援の教室に行くようになったり、放課後児童デイサービスに行ったりするようになり、息子自身も「他の人と自分は何か違うのかもしれない」と漠然と感じているようです。
ただ、これまで発達障害についての特集番組を一緒に見ていても、息子が自分のことを積極的に語ることはありませんでした。それは、これまでの特集番組では「ADHDの特徴は、多動性や衝動性、不注意、集中力が続かない、、」などのように、言葉での箇条書き的な説明が圧倒的に多かったからでした。「多動性」や「衝動性」と言われても、息子にはピンときません。
さらに、「不注意」「集中力」といった漠然とした言葉にとらわれてしまい、「これどういう意味?」「僕は集中力がないの?集中力ってどんな感じ?」といった質問を繰り返していることが多かったように思います。
2017年5月21日、NHKが生放送で、発達障害についての番組を組んだことは皆さんの記憶にも新しいと思います。生放送で、当事者の意見を濃密に織り込んだ構成になっていたこのスペシャルが、NHKにとって大きな挑戦であったことは間違いないと思います。そして私もまた、それを息子と一緒に視聴するという「挑戦」をしたのでした。もしかしたら息子の心に響く何かが得られるかもしれない…そんな一縷(いちる)の期待を持って。
息子の口から出た言葉
Upload By 林真紀
いつものように、なんとなくテレビの前に座り、私の隣で発達障害スペシャルを視聴し始めた息子。番組の中盤にさしかかり、発達障害当事者の方の意見を元に作成された、発達障害の人の見え方や聞こえ方の再現VTRが流れ始めたときに、息子がボソッと口を開きました。
「僕は、ちょっと違う」
「こんな風に、光がまぶしいとかは感じない」
「音の聞こえ方もちょっと違う。音がうるさく感じるのは、怖いときだけ」
私は息子の言葉を聞いて、興奮して思わず「もっと…もっと教えて!」と言ってしまいました。
今までなかなか引き出せなかった息子の見えている世界、聞こえている世界。