子育て情報『【おねしょ・夜尿症のお悩み】子どもの根性や親のしつけの問題ではない、原因や発達障害との関連性――専門家が解説【前編】』

2020年4月6日 14:00

【おねしょ・夜尿症のお悩み】子どもの根性や親のしつけの問題ではない、原因や発達障害との関連性――専門家が解説【前編】

と呼びます。

一般に、ときどきおねしょをしてしまう程度の子どもの比率は、5~6歳で約20%、小学校低学年で約10%、10歳で約5%程度といわれており、成長とともに減少します。また、成人まで続くケースはまれです。

発達障害のある子どもでは、発達障害のない子どもに比べて夜尿症の頻度が高いことが知られています。夜尿症との関連についての報告が多いのは注意欠如・多動性障害(ADHD)ですが、ADHDで夜尿症を合併する割合は20~30%に上ると報告されています[1]。カナダで行われた調査では、6歳児の夜尿症の割合は、ADHDのない子どもで7.8%、ADHDのある子どもで20.9%と、ADHDのある子どもの方が2.7倍多いことが示されています[2]。 


おねしょ(夜尿症)の原因と発達障害との関係

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Upload By 田村 節子

おねしょ(夜尿症)の原因は、「夜間に尿をためる膀胱のサイズが小さい」や「夜間につくられる尿の量が多い」ことと合わせて、「就寝中に膀胱に尿がたまったときの目覚めの悪さ」だと考えられています[3]。

成長に伴って中枢神経機能やホルモン分泌が成熟すると、就寝中の膀胱のサイズが大きくなり、作られる尿の量も少なくなるように調整されるため、夜尿症は徐々に改善します。


発達障害のある子どもでは中枢神経機能の発達遅延により尿意切迫や膀胱の過活動などの排泄機能の異常が生じやすいこと[1]、睡眠の質が悪く、成長期に成熟する成長ホルモンや抗利尿ホルモンの分泌の発達が遅延しやすいこと[4]、感触の鈍麻によって下着が濡れても気持ちが悪いと思わない、お漏らししたことに気付きにくいこと[5]などが報告されており、研究段階ではありますが夜尿症に関係する染色体が発達障害とも関連する(夜尿症に関連する染色体8、23、13、22番がADHDでも関与)ことから[1]、発達障害のある子どもは夜尿症になりやすく、高学年まで続くケースも多いと考えられています。


夜尿症が子どもや家族に与える影響

次に、夜尿症が発達障害のある子どもや家族に及ぼす影響についてです。夜尿症が高学年まで続き、修学旅行などの宿泊が伴うような共同行事が増えてくると、夜尿症は自尊心の低下や劣等感などの心理的ダメージの原因になります[3]。
夜尿症は一般に「そのうち、よくなるだろう」とされがちですが[6]、発達障害のある子どもにとっては、発達障害の症状に加えて、夜尿症があることによる心理的ダメージが加わるため、軽視してはいけません[6]。

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