2020年8月22日 08:00
発達障害がある子どもの進級・進学――卒業まで同じ環境で頑張らなくてもいい。困っていないかを常に見守り、最適な環境で学べるように
通常学級に通わせる良さ、難しさ
私は息子には特別支援教育しか受けさせていませんので、障害のある子を通常学級に通わせる良さを私は経験したことがありません。ですから本当のところはわかりません。
これは例えば、双子を育てている人が「大変でしょ」と言われても、その人は双子を育てた経験しかありませんから比較するものがなく、答えようがないのと同様でしょう。もしかしたら、一人っ子でも大変な思いをしている人もいるかもしれません。
通常学級に知的障害のある程度ある子どもを在籍させることで、定型発達のクラスメートから多くの刺激を受けることができるという、良い点もあると思います。地域の中に顔なじみの子ども達やその保護者がいることで、災害時など何かあった時にも気にかけてもらえたり、将来地域で暮らしていく時にも何かと安心かもしれません。
けれども、残念ながら、いじめられることもあります。また、着替えなどがうまくできないと、自分から助けを求めなくてもいつの間にかクラスの子の誰かが手伝ってくれた結果、ヘルプを出す経験も積まず、また周りの人にやってもらうことが当たり前になってしまい、自立につながらないケースもあると聞きます。
気をつけてあげたい、おとなしい子
自己主張する積極的なタイプ、受け身のおとなしいタイプなど人間にはさまざまな性格があります。障害のある子も同様です。
クラスメートを突きとばす、教室から脱走する、授業中に大声で叫ぶ――こうした行動がある場合、先生はほうっておくわけには行かず、叱ったり呼びに行ったりしなくてはなりません。行動が目立つので、そうせざるを得ないでしょう。また、本人からの「いやだ」とか「つらい」というSOSがあった時も、担任も保護者もキャッチしやすいでしょう。その問題行動が障害に起因していれば特別支援学級や特別支援教室(通級)へ行くことも検討されます。
けれども、おとなしい子の場合はどうでしょう。授業がチンプンカンプンでも椅子にじっと座っている子、いじめられても黙っているタイプの子の場合、周りは本人がつらい状況にあっても、気づきにくいのではないでしょうか。
クラスメートに危害を加えたり立ち歩いたりしないので、周りに迷惑をかけることもありません。その結果、問題に気づかれず、放置されてしまうケースもあると聞きます。
教育虐待という言葉
教育虐待という言葉を耳にしたことはありませんか?
これは、「あなたのため」