2021年7月5日 06:15
失敗に凹むASD息子を励ましたら「前はもっとダメだったの?」と衝撃を受け…さすがだった夫の声かけ
「最近ダメになってきた」と言うけれど…?
Upload By 丸山さとこ
何をどう言っても大人の言葉をスルーすることに定評のあるコウです。
一歩引いたところからコウを見ている祖母にまで「賽の河原の石積」「のれんに腕押し」「刺さらない」と評される彼の”大人からの指摘”に対するスタンスは、物心がついたころから一貫していました。
そんなコウですが、先日ランドセルを片づけて「完璧だよ」と宣言したあとで溜め込んでいた給食袋を見つけたのをきっかけに「最近の僕はダメだ。どんどんダメになっていってる…」と凹むことがありました。
それを聞いた私と夫の頭上にはハテナマークが浮かびました。最近のコウは、以前に比べれば大分しっかりしていると感じていたからです。夫がそれを伝えると、彼は「え?今でもダメなのに、前はもっとダメだったってこと?」と目を丸くしました。
凹むコウに夫がかけた言葉
「前からそうだったなんて知らなかった」と言うコウに「前からそう伝えていたよ。
成長してそれに気がつくようになったんだろうね」と私と夫が返すと、
「何で早く気がつかなかったんだろう…そのときに気がついていれば、今頃もっとマシだったかもしれないのに…」
と落ち込んで涙ぐみ始めました。
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「大人になってから気づくこともある。今気づいたのは運がいいと思うよ」と話しつつそんなコウを見ていた私は、『今ここで声をかけたら”凹んでケロリ”の定番パターンで終わってしまいそうだな』と感じて、どう声をかけたものか…と固まってしまいました。
せめてコウの自省の邪魔にならないようにと思い静かに見守っていたとき、夫が優しくそっとコウに声をかけました。
「これからやっていけるといいね。ひとつひとつやっていこう」
特別なセリフというわけでもないシンプルなその言葉は、不思議とその場の空気にスーッとしみていきました。
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後悔と凹む気持ちだけがただひたすら続きそうになっていたコウは、夫の言葉を聞いて「そうだね」と落ち着いて答え、涙をふいて宿題に取り掛かることができました。そんなコウと夫の姿を見ていた私は、自分もかつて同じような状況で夫に救われたことがあったのを思い出しました。
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もし慰めの言葉として「そんなことないよ」