子育て情報『映画監督、発達ナビ編集長も登壇『梅切らぬバカ』イベントをレポート!映画に込めた想い、「親なきあと」子どもが地域で生きていくためのヒントも』

2021年11月11日 14:15

映画監督、発達ナビ編集長も登壇『梅切らぬバカ』イベントをレポート!映画に込めた想い、「親なきあと」子どもが地域で生きていくためのヒントも

また、三木先生は、地域の反対派を演じる俳優たちの揺れ動く演技もまた見事だったと話してくれました。


脚本について

脚本では、横浜市自閉症協会の中野さんのご意見も伺いながら練りあげたと言います。
例えば忠さんに母親が「(これから)どうしたい?」と聞き「お嫁さんをもらいます」というシーン。そこにもこだわりはあったのでしょうか?

中野さん:私自身、きょうだいに全介助の障害があって。彼女が20歳になったころ、結婚したいと言ったのですが、そんなの無理でしょうと聞き流してしまった。でも今は、どんなに重い障害があってもどうしたいか本人の意思を尊重する”意思決定支援”というのが重要視されるようになっています。そのあたりがちゃんと描かれているなと感じました。

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三木先生もこのシーンについて、とても印象的だったと言います。


三木先生:映画では、母親は「どうしたい?」と聞きながら、「とはいえ母と一緒にいたいと思っているでしょう」という気持をもちながら聞いていたと思う。でも、母の想いと違う形で忠さんの想いが表出されるところがいいと思いました。忠さんが家を出てグループホームに入居したシーン。息子をグループホームに送ったあと、一人スーツケースを転がしながら家に帰っていく母の後ろ姿は、そうした思いを保護者側が飲み込んだんだな、子どもの想いを大切にしたのだな、ということを感じさせてくれました。


親なきあとについて

映画では、中年にさしかかった自閉スペクトラム症のある息子と高齢の母の暮らしを描いており、親なきあとについても考えさせられます。

障害のある息子さんのいる中野さんは、親なきあとへの備えはどのようにしているのかを話してくださいました。中野さん:私はきょうだい児でもありますが、きょうだいは中年になっても実家にいて、母が倒れたときに横浜と実家のある四国を行き来する生活を余儀なくされました。そのような経験からも、息子が20代前半からグループホームに入れました。

グループホームはなかなかあいておらず選択の幅もあまりないかもしれないけれど、早いうちから「ここだけは譲れない」という点を整理しておくことも大切ではないかと思います。

と、グループホームの入居についての実体験を話してくれました。また、グループホームでの生活においては、周囲や支援者の支援や環境調整などが大事だともお話いただきました。

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