子育て情報『心豊かな生活を送るための土台づくり。発達が気になる子どもの保護者へ伝えたいこと【幼少期編】――相模女子大学教授・日戸由刈先生から』

2022年2月8日 14:15

心豊かな生活を送るための土台づくり。発達が気になる子どもの保護者へ伝えたいこと【幼少期編】――相模女子大学教授・日戸由刈先生から


「できる」「できない」のギャップが気になったら

私は、発達が気になる子どもたちの幼児期や学齢期の心理的支援の仕事に長年携わってきています。1992年から在籍した横浜市総合リハビリテーションセンターでは、児童精神科医の佐々木正美先生、発達精神科医の本田秀夫先生とともに20年以上、発達障害のある子どもや大人の支援に取り組みました。その中でたくさんのご本人・ご家族との関わりから教わった、ライフステージを通じて大切にしたいことの中から、今回は幼少期の子どもに対して家庭で取り組みたいことをお伝えします。

お子さんが就学を迎える際など、ライフステージの変わり目では特に、お子さんの「できる部分」と「できない部分」のギャップが気になったりしませんか?保護者のみなさんが「できるようになってほしい」「できることを増やしたい」とお感じになるのは当然のことと思います。また「できる」を増やすための働きかけは、お子さんにとってもプラスになります。そこで、働きかけにあたって、ぜひ気をつけてほしいことがあります。それは、お子さんのペースに注目することです。

「マイペース」という言葉がありますね。
私たちは誰もが「自分に合ったペース」を持っています。そのペースは、人によって違います。テンポよくどんどん取り組みたい人、時間をかけてじっくり取り組みたい人…みなさんも自分にとって心地よい、ゆとりを持って取り組めるペースをお持ちではないでしょうか。そのことは、お子さんも同じです。

自分のペースを崩され周りに合わせてばかりの状態が続くと、どうですか?「ゆっくり過ぎて、つまらない」「急かされて、とても焦った」…おそらく、ストレスが溜まることでしょう。マイペースと聞くと、よくないイメージがあるかもしれませんが、マイペースを保障されることは、実は心の健康にとって、とても大切なことなのです。

幼少期(幼児期~小学校低学年)のお子さんは、「自分に合ったペース」がどれくらいなのかを、よく分かっていません。自分のペースが乱れたときに、周囲に対して「もっと早くして」または「ちょっと待って」など、大人のようにパッと伝えることもできません。


ですから、お子さんが自分のことを分かって伝えることができる年齢(おおむね小学校高学年以降)までは、周りの大人がその子の「マイペース」をよく理解して合わせてあげること、すなわち「保護的な環境」

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