子育て情報『心豊かな生活を送るための土台づくり。わが子の試行錯誤を支え「折れない心」を育む【青年期編】――相模女子大学教授・日戸由刈先生から』

2022年2月15日 14:15

心豊かな生活を送るための土台づくり。わが子の試行錯誤を支え「折れない心」を育む【青年期編】――相模女子大学教授・日戸由刈先生から

の始まりです。まず子どもの側から「親離れ」のサインがあって、それに気づいた親の側にも「子離れ」が始まる。だんだんと、親子関係が変化していくのです。

心豊かな生活を送るための土台づくり。わが子の試行錯誤を支え「折れない心」を育む【青年期編】――相模女子大学教授・日戸由刈先生からの画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=33000003516

前回、子どもに合ったペースは一人ひとり違う、という話をしました。親離れについても、時期ややり方は、子どもによって全く違います。中学生や高校生になっても「親離れ」のサインが見えにくく、人前で親に甘える子もいますが、まったく心配はいりません。「うちの子は、こうなんだ」と思って、それぞれの個性やペースを尊重したいですね。


ただ、子どもの「親離れ」のサインが見えにくいと、親の側が「子離れ」のタイミングを逸してしまうことはあります。たとえば、高校生の子どもが鼻をぐずぐずさせているとき、お母さんがパッとティッシュを取って、「はい、チーン」と子どもの鼻をふいてしまうことがあります。お母さんにとっては、赤ちゃんのころからずっとしてきたことですから、違和感はありません。でも、電車の中など周囲の目がある場所でそれをしたら、周りはびっくりしますよね。

親離れ・子離れとは、単に距離をおくことではなく、親子双方が相手を自分と独立した一人の人間として意識することです。子どもが赤ちゃんのときは、先に親が気づいて鼻をふいてあげていた。いわばディレクター(仕切り役)の役割を、自然ととっているんです。でも、子どもを自分と独立した存在と認識すると、子どもには自分のことは自分で考え、自分でやってほしいと思うものです。
そして、できないことがあれば、そっと手伝ってあげようと思う。ディレクターから黒衣へと、自然と役割の転換が起こります。ちなみに黒衣とは、舞台で役者が演技しやすいように、黒い衣を来て目立たないようにしながらサポートする役割のことです。ディレクターとは、ずいぶん違いますね。

前回、幼少期は保護的な環境が大切、という話もしました。保護的な環境の中で、大人に手伝ってもらってできることが増えるに従って、子どもは「困ったときは、助けてもらえる」という絶対的な安心感を心の中に育んでいきます。そして家庭や学校といった、いつもの慣れた人間関係や場所だけでなく、一人でお店に入ったり、遠くまで外出したり、趣味の仲間を見つけたりと、世界を広げていきます。

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