2022年3月1日 06:15
身体への自傷から言葉による自傷へ、自閉症の息子の自傷行為は形を変えて――心の安定のためにできること
火に油を注がないように
もし、「家出する!」と言ったとき、「気をつけていってらっしゃい」と家出を推奨するような言葉をかけたとしたら、特性のある息子は字面通り受け止めて、出て行ってしまうかもしれません。ですので、そのような言い方はしないようにしています。
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また、以前、次のように言ったことがあるのですが…
「なんでそんなこと言うの!」
「いい加減にしなさい!」
これらは、火に油を注ぐ結果になってしまい、息子は激しい癇癪を起こしてしまいました。
切り替えの手段を探す
私は、身体への自傷も言葉での自傷も、自分の混乱した心の安定を図るためにやっているような気がしています。そんなとき親が止めようとすればするほど、混乱して自傷が続くことがあります。
先に述べたように、癇癪をおこし自傷までするときは、共感する言葉をかけるのも一つの方法ではありますが、状況によっては、その言葉がけ自体が刺激になることもあるかもしれません。そんなときは時間経過によりクールダウンするのを待つしか方法がありません。
わが家は共感の言葉でも息子が落ち着かないときは、黙って見守りながら、ぬるめの湯加減のお風呂を用意し、入浴を促します。
息子の場合は、風呂につかり気分が変わると、気持ちの切り替えがしやすくなるようです。
お子さんによって、切り替えられるきっかけはそれぞれだと思います。それを一緒に探してあげるのも大切なことだと感じています。
執筆:立石美津子
(監修者・鈴木先生より)
思い通りにならないときの癇癪は自閉スペクトラム症の易刺激性からきていると考えられます。
マンションの壁を蹴って穴をあけたり、ドアを壊したりするケースも多いです。
自傷や他傷は抗精神病薬で調整することも可能です。爪をかむお子さんには、「爪はばい菌がたくさんついていてきたないよ」と説明したりしますが、それでも難しい場合は、逆に透明なマニュキアを塗ってきれいにして「噛まないでおきたい」と思わせるようにしてみるのも一つの手です。
いい景色を見て散歩したり、何か運動したり、音楽を聴いたりするのもいいですね。
また、リズムが乱れると癇癪をおこしやすくなるので、サーカディアンリズム(睡眠覚醒リズム)を規則的にすることも重要です。
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