2022年6月10日 06:15
障害児子育て、陥りがちな「比べる病」を脱して。発達の仕方が違うだけ、成人した息子との会話で感じる成長
遅れているのではなく、発達の仕方が異なるだけ
知人で、自閉スペクトラム症がある4歳のお子さんの親御さんがいます。その親御さんも私と同じように、定型発達のクラスメートとわが子を比べては落ち込み、障害があるお子さんと比べては「わが子のほうができることがあるんだ」と感じてしまうと言っていました。
お子さんは、保育園でもなかなか友達と遊べず、走り回っており、送迎時にその様子を見ては他の子どもたちとわが子を比べて落ち込んでいたそうです。
ところが、療育に通い始めると、
同じ4歳児でも、もっとじっとしていられない子どもや、発語がない子どももいました。「うちの子だってできること多いじゃない」と気持ちが少し軽くなったそうです。
でも、翌朝、保育園に送っていくと定型発達の子どもたちを目にし、また落ち込んでしまいました。
息子がまだ幼く、療育に通っていた時のこと。同じ療育を受けていたお子さんの親御さんは、小学校入学時に1年入学を遅らせる就学猶予を検討していました。
そして私に「一年くらい遅れていると思えばいいんだよね」と言いました。
私は「いえいえ、5歳になったとき定型発達の4歳児と同じようにできる訳ではないと思うよ、発達の仕方が違うんだと思うよ」と伝えました。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1422228.htm
参考:就学義務の猶予又は免除について | 文部科学省
比べるのは仕方がないけれど
他の子とついつい比べてしまうのは仕方がありません。「比べちゃうよね、それが親だよね」とかつての私を思い出し、共感しました。
また、お子さんによっては一年遅らせることで、落ち着いたり指示が通るようになって、通常学級で学べる場合もあるのかもしれません。
私は、自閉スペクトラム症のある子どもを定型発達の子どもと同じように成長させようとするのは子どもにとっても苦しいのではないかと思います。
入学時期を一年ずらし、療育を行えば追いつくわけでもありません。療育は子どもがより暮らしやすく、学びやすくなるために行うものであって、定型発達児に近づけるために行うものではないと思います。
他の子どもと比べて一喜一憂するのではなく、その子自身の成長を見守っていくことが大切なのだろうと思います。ただ、成長はします。発達はします。