子育て情報『叱っても笑顔の自閉症息子。感情表現のズレ?怒られている理由が理解できない?関わり方の工夫とはーー児童精神科医 三木先生に聞いてみた!』

2022年6月22日 06:15

叱っても笑顔の自閉症息子。感情表現のズレ?怒られている理由が理解できない?関わり方の工夫とはーー児童精神科医 三木先生に聞いてみた!


自分が叱られているのに笑うのはなぜ?

みん(以下、――):Pは私に対して他害をしてしまったときなどに、私が痛がっていてもアハハと笑うことがあります。私の反応を見て楽しんでいるのかもしれませんが、こちらがそのことに対して怒っていても、叱られている状況を理解するのが難しいのか?それでも笑っていたりします。

三木先生:叱られたときに笑うというのはその内容や程度にもよるのですが、お母さんが「やめて」と言っても笑っている場合は、お母さんの反応を見て笑うのがP君にとって一連の遊びになっているんだと思います。普通に怒られているのにヘラヘラしているときは、感情表現のずれの可能性もあるかもしれません。

――顔は笑っているけれど、心の中では怒られて嫌だなと思っているかもしれないんですね?

三木先生:それはあると思います。怒られて嫌だ、怖い、悲しいと思っているかもしれませんね。ASDのある子は思っていることと表現がずれていることがあるので、 「顔で笑って心で泣いて」みたいな可能性も考えながらP君の様子をよく見てみる必要があります。そういうことは、外(療育園)でもあるのですか?

――あるみたいです。
日頃怒らない優しい先生が怒ったら、苦笑いをしていると聞きました。

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少しずつ怒っていった方がいいの?

三木先生:楽しそうにしているわけではないのなら、やはり本人の表現の仕方の問題なのかな?とは思います。「今は怒っています」と、相手が怒っていることをP君にラベリングしてあげても良いかもしれませんね。

――そうですね、そう考えるとPは「怒られる経験が少ない」のかもしれません。家でも療育園でもあまり怒られることがないので、そろそろ少しずつ怒っていっても良いのでしょうか?

三木先生:怒っているという振る舞いと怒られているという出来事の説明を、両方一度にやった方が良いかもしれません。自分が浴びているものと意味が一致していない可能性もあるので、相手が何故怒っているのか?自分は何故怒られているのか?をその都度言ってあげる。言葉のラベリングをちゃんとしておくというのは大事だと思います。


こちらの感覚では「怒っているんだから分かるでしょう?」と思ってしまうのですが、P君のような子はその状況の判断がなかなかできないのかもしれないので…
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なぜ自分が怒られているのか理解できていないのかも…

――それはそうかもしれません。

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