子育て情報『「気がつけばいつも孤立」いじめの標的だった10代、敬遠された20代、発達障害に気づいた30代。40代となった今は――発達障害の私の悲しみの軌跡』

2022年9月3日 14:15

「気がつけばいつも孤立」いじめの標的だった10代、敬遠された20代、発達障害に気づいた30代。40代となった今は――発達障害の私の悲しみの軌跡

職場でもしょっちゅう先輩や上司と衝突して、反抗的だとか変わってるとか言われるし、同僚の中ではやはり浮いてしまう。当時まだ自分が発達障害だと気づいていなかった私なりに、どうしたら「みんなと同じ」に周囲とつきあえるのか試行錯誤していましたが、どうしてもうまくいきませんでした。

20代半ばで関わった職場では、古参の人たちの中に私が新しく入った形のところがありました。古参の人たちの中で、ある「いじられキャラ」の人をからかって皆が楽しそうにしているので、私も同じようにすれば皆と同じようになれると思い、その人を皆と同じようにからかってみたら、その場の全員が明らかに引いた反応をしました。

ここでも私は、先にも書いた「何を言うかよりも誰が言うかが重要」ということを分かっていませんでした。当時は「どうして同じことをやっているのに私がやると歓迎されないんだろう」と全く理解できず、ずっとモヤモヤ…。


発達障害を自覚、なぜ周囲と違うのかがわかるようになった30代以降

ずっとモヤモヤしていた私にも、ついに自分がなぜ「皆と同じにできない」のかを理解できる日がきました。30歳になって発達障害を自覚したときです。


自分は発達障害というもので、その特性のひとつのコミュニケーション障害によって、私は周囲とうまくなじめなかったんだ。私のコミュニケーションの仕方は、定型発達といわれる人たちのコミュニケーションの仕方は違うんだ。

長いこと暗闇の中を進んできた自分の道が、初めて1本のライトで照らし出されたかのように、「自分は発達障害者だった」という発見は、私に自分の苦しかった人生経験を「コミュニケーション障害」という観点から把握し直す視点を与えてくれました。

あれ以来10年間、自分と定型発達の違いについて考え続けています。擬態がうまくなった面もあり、必要なときには最大限擬態しますが、そのぶん非常に強いストレスを感じ、疲労困ぱいしてしまいます。

困るのが、ASDによくある、喋り方や表情が平坦になりがちな傾向を私も持っているということです。「あれは言わない、これはこう言う」と特定のやりとりの内容をいくら訓練しても、普段から無意識に出る喋り方や表情まではコントロールできません。私はこれを女性のASDに多い苦労ではないかと考えているのですが、ASDのある人の喋り方の平坦さや無表情は、女性にジェンダー的に求められる理想像と相反するものなので、どうしても「(女のくせに)

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.