子育て情報『HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?診断は受けられる?「繊細」「敏感」などの特徴と対処法、発達障害との関係について解説【専門家監修】』

2022年11月27日 14:15

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?診断は受けられる?「繊細」「敏感」などの特徴と対処法、発達障害との関係について解説【専門家監修】

「神経質」などと思われて、理解を得られないことがあります。

エレイン・N・アーロン博士によると、HSPは、全人口の15~20%、5人に1人程度と考えられていますが、HSPがない人の方が大多数であり、HSPについて人からの共感されにくいといわれています。そのため、周りに合わせようとすると無理をすることになり、消耗しやすくなります。さらに、「気にしすぎる自分がいけないのではないか」「自分がおかしいのかもしれない」と考えて、気持ちを飲み込むことも多く、自分に自信が持てなくなり、自己肯定感が低くなりがちです。

HSPの場合、次のような悩みを持ちやすいと考えられています。

・大きな音や強い光が苦手
・小さな音や匂いも気になる
・些細なことでも、深く考えすぎる
・他人の言動に振り回されやすく、対人関係に疲れやすい
・緊張しやすい
・生活の急な変化に弱く、動揺しやすい
・映画やドラマの暴力的なシーンが苦手
・たくさんのタスクをこなさなければならなくなると、混乱することがある
・忙しくなると、一人で静かに過ごせる刺激の少ない場所にこもりたくなる
・「内気な人」「敏感な人」だと周りの人に思われている


HSPを改善する方法

HSPは医学的な概念ではなく、「心の病」や「障害」とは異なるもので、「治療する」「努力して改善する」というものではありません。しかし、「自分は何に困っているか」を知ることで対処することができる場合があります。

HSPの場合、敏感で繊細なのは、偏桃体という脳の部位(感覚的な刺激に対して無意識的・反射的に対応する)の機能が、過剰に働きがちであるためだといわれ、それは、その人が生まれつき持っている「気質(特性)」であると考えられています。


このような気質は、人に限らず鳥、魚、イヌ、ネコ、馬、霊長類など、100種類以上の動物に見られることから、「繊細さ」は、生き物の生存本能(生き残るための戦略)の一つであるともいわれます。

つまりHSPは、先天的な気質です。精神疾患などとも異なり、「治療する」とか「努力して改善する」というものではありません。HSPを正しく理解して「うまく付き合っていく」方法を考えていくことが、「疲れやすさ」や「生きづらさ」を和らげていくことにつながります。


HSPと発達障害との違い

HSPと「発達障害」の違いについて、議論されることもありますが、HSPは状態像であり、その原因や背景はさまざまであると考えられます。

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