子育て情報『「自分の障害についてもっと知りたい」就職した20才の自閉症娘が中学以来の「障害再告知」を望んだ意味』

2023年1月17日 06:15

「自分の障害についてもっと知りたい」就職した20才の自閉症娘が中学以来の「障害再告知」を望んだ意味

本人の理解力に合った言葉選びと文字を書きながらの説明は、視覚優位の娘にはとても有効な方法です。

医師からは『これからどのようにして周りの人たちに助けを求めていくのが良いか』のアドバイスもありました。


2度目の障害告知では

二度目の障害の説明でも、事前に本人と親で『娘の長所と短所と思われることの書き出し』をしました。その内容は6年前とほとんど違いはありませんでしたが、新たに

“自分のことばで相談を持ち掛けるのは、ハードルが高い。
相談してくれる人が向いてくれたら話せる。自分から働きかけることが苦手”

が加わりました。

娘は自らに主治医に「自閉症」「発達障害」「アスペルガー症候群」「ADHD」の違いや「自分は何に当てはまるのか」「障害の重さはどの程度なのか」などを質問しました。

娘の質問に対し、主治医は図を書きながら娘に分かるように説明をしました。

そして診断名は大事な個人情報だということも娘に伝えました。


娘をとりまく環境の変化

私は当初、再度自分の障害についての説明を望んだ娘の心境がよく分かりませんでした。でも娘と医師のやり取りを見ているうちに、娘が“学生”から“社会人”になったことが大きく影響しているのだと感じました。

『学生』でなくなると、選択の自由度が増し、煩わしいもの、嫌なことを避けることもできます。学生時代は限られていた交友関係や活動範囲を広げることが可能です。一方で、自ら行動を起こさなければ人間関係は希薄になりがちです。周りの人は本人の意思を尊重します。そして自身の行動には責任が伴なってきます。


そんな中で娘が自分の障害を再確認したいと思うのは自然なことだったのかもしれません。


これからも

親は子どもが何歳になっても親ということには変わりありません。そして子どもに障害があると、子どもを守りたいという気持ちはことさら大きくなります。でも自分の障害を理解しようとしている娘の姿を見て、私は彼女を一人の大人としてもっと尊重し、対等なスタンスで接していくべきなのだろうと感じました。

これからも人生の節目やターニングポイントを迎えるたびに、娘は自身の障害についていろいろと考えることでしょう。そしてそのとき、私もまた新たな気付きを得るのだと思います。

いつになるか分かりませんが、そのときまで体も心も頭も(笑)元気でいたいものです。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.