子育て情報『「子育てから逃げたい」保護者の心の余裕を確保するには?発達障害の子との向き合い方8つのヒントも【精神科医・田中康雄】』

2023年11月21日 06:15

「子育てから逃げたい」保護者の心の余裕を確保するには?発達障害の子との向き合い方8つのヒントも【精神科医・田中康雄】

その予想が外れる時は、その子が保護者の思いを超えて「成長した」ためで、喜んでよいことです。でも多くの場面では、想定内にことが運ばれます。意外な展開は少ないのが現実です。結果が予測できるのであれば、それを回避することもできるはずです。それがなぜ難しいかは、僕たちはどうしても挑戦してステップアップしてほしいという「願い」があるからにほかありません。

回避することは、逃げることは、いけないことではありません。「逃げるは恥だが役に立つ」というテレビドラマのタイトル(これはハンガリーのことわざからきているそうです)ではありませんが、子どもに想定内で失敗体験を積ませるよりも、ほんの少しでも成功体験を積ませる。そのために、転ばぬ先の杖よりも、転ばせないための手段を優先するわけです。
でも、もし、子どもがやりたい、頑張ってみたいとしたら、その時はハラハラしながら見守りましょう。うまくいかなかったとしてもその決心に、うまくいけばその努力を、褒めることができます。

6.一人で抱えこまず、周りの人を頼る
これも頼ることは抵抗があるかもしれませんが、役立ちます。昔から三人寄れば文殊の知恵というように、一人よりもよい知恵が、対策が生まれるものです。一人で抱えこむと、とても寂しくなります。遠慮なく周囲にSOSを出しましょう。

7.がむしゃらに頑張るだけでなく、息抜きや休息を大切に
これこそ「天の岩戸」作戦です。保護者が倒れたら誰がこの子を支えるのかと考えると、保護者に心身の安定、健康こそが大切なことです。


8.園や学校に行きたがらないなら、無理に行かせない
これは、行きたくないといったらすべて撤退するということではありません。行きたくないと語る、態度を示すわが子のつらさを保護者がどう感知するか、生活状況から推測して判断することになります。

実はその判断は日々揺れるはずです。「無理に行かせない」といってもちょっと押したほうがよいかな、静観したほうがよいかな、と日々保護者の思いは揺れ続けます。そんな時、未来に対してこの子の成長を信じ、周囲の信頼できる方々と相談し、家族で話し合いをし、それでも悩み続けるなかで日々苦渋の選択をするものです。子どもたちの成長は、日々付き合っていると大変な思いもあるのですが、振り返るとあっという間の時だったなぁと思うようなこともあります。

そんな必ず来ることを信じて、関わり続けてほしいと思います。

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