イヤイヤ期が来ぬまま小4に…自閉症息子、自己主張よりルーティン優先だった幼少期
と泣き、うまく履けずにまた泣く……。話には聞いていたものの、初めて目の当たりにした『本物のイヤイヤ期』はなかなか壮絶でした。
スバルはここでも少数派で、イヤイヤ期がまだ来ていませんでした。
スバルは車が大好きで、毎日ミニカーを並べ、車のよく見える公園へ行き、車のカタログをボロボロになるほど読んでいました。私はこれらのこだわりを、スバルの自我の芽生えであると感じ「車を眺めて過ごしたい」という意志を表現しているのだと思っていました。
しかしイヤイヤ期の子の内側から発せられる強く熱い意思や、爆発したかのような自我を目の当たりにし「スバルのは外に向けた自己主張というより、自分の中で趣味に没頭しているだけだな」と思いました。
イヤイヤ期の子の姿を通して、2歳はこんなに高度な自己主張ができるのかと驚きました。
スバルは言葉が遅いから自己主張できないだけ……というのとは、ちょっと違うなと思いました。
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自己主張のないイエスマン
この頃のスバルはイエスマンで、「これするよ」「あそこへ行くよ」「これを着るよ」といった指示を理解し淡々と従いました。
テレビで子ども番組を見ている途中で「時間だからおしまいね」と消されても、泣いたり騒いだりする事なく素直に別の遊びをはじめます。
たまに「そろそろ寝るよ」と遊びを中断させようとした時に、まだ遊びたそうなリアクションをする事もありました。しかし、寝る時に着るスリーパーを羽織らせファスナーを閉めた途端、突然真顔になり布団に潜って行くのです。
布団に入ってから寝るまではまた別の戦いになるのですが、とにかくファスナーを閉める事がスイッチになり、スバルは全ての遊びを中断し自ら布団に入るのです。
今となっては自分のしたい事よりもルーティンを優先する特性だと分かるのですが、当時はまるでインプットされた事を実行するスイッチでも付いているのかと思いました。
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あまりにも淡々と指示に従う姿を見て、少し焦った私は、スバルの意志を引き出そうと「どうしたい?」「何食べたい?」なんて曖昧な質問を投げかけたりしましたが、発語がないのに答えられるはずもなく、愛想笑いで流されてしまうのでした。とは言え日常の中にスバルの意志はちゃんとあるのです。
「コレとコレどっちにする?」みたいな質問にはジェスチャーで「コレ」