【不登校の悩みに専門家が回答】自閉症息子の将来が不安…受容と甘やかしのさじ加減は?学校との連携のポイントも
大事なことは、「できた」「大丈夫だった」の積み重ねでしか成長はしないということです。成長は負荷をかければするというものではありません。できそうな何かがあって、取り組んでみて、実際できるから成長するのです。負荷をかけるかどうかというのは大人が考えることではなく、うまくいっていることが続いて、本人が「もっとやってみたい」と思ってはじめて、少し負荷をかけてみようかという話になります。
お子さんが行き渋りや不登校の場合、将来に関しての漠然とした不安についてを相談場面などで保護者の方はよく語られます。このあたりはお子さんとの間で解消しようとしないことがまず大事です。保護者が感じる将来の不安(「このままじゃ将来生きていけないよ」など)をくれぐれもお子さんには話さないでください。
自分の将来がどうなるかなんて子どもには分かりませんし、そうした言葉のインパクトは強く、まるで呪いのようにお子さんに伝わることもあります。
お子さんには自分の未来は明るいと感じていて欲しいところです。だからこそ、そうした将来への不安等の話は大人の間で扱ってほしいと思います。
担任の先生はお子さんの今の生活を支えてくださるパートナーですが、もう少し長期的な視点で相談ができそうな相手としてスクールカウンセラーや地域の教育相談、教育支援センター、また不登校のお子さんの親の会などでそのあたりを話題にするとよいでしょう。進路についての情報を正しく知るだけで、この先どうなっても大丈夫だなと感じることができることもあります。お一人で情報収集していると、ネット上の情報が玉石混交なため不安も増大するかもしれません。ぜひ相談機関を活用していただければと思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。