特別支援学級で正解だった?悩む母が納得した入学式前日の「ある出来事」
たくさんの困り事
スバルは3歳で自閉スペクトラム症と診断されました。
スバルは小さなことから大きなことまでたくさんの困り事を抱えていました。なかには成長や経験によって解決することもありました。
しかし困り事は次から次へと現れ、なくなることはありませんでした。
何度も「『コレ』ができるようになれば世の中で言うところの『普通』に追いつけるのに……」と思っていました。
その考えは経験と共にゆっくりと溶けていき「スバルはスバル」と思えるようになるのですが、小さな頃は「追いつかなければ」という焦りが常にあった気がします。
悩んだ末、特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)へ
幼稚園年長時のスバルの進路をどうするかという時期に、さんざん悩み、納得がいくまで何度も見学し、わが家はスバルの就学先として特別支援学級の自閉症・情緒障害学級を選びました。
そして就学相談を経て無事に特別支援学級の自閉症・情緒障害学級への就学が決まりました。
この頃のスバルは幼稚園の中で集団への指示が通らなかったり、指先や運動面で先生の補助が必要なほど不器用だったり、ちょっとずれたコミュニケーションを取ってしまったりという困り事を抱えていました。
家や公園など少人数で過ごす時と比べて、集団の中に入ると爆発的に困り事が増えるスバルをずっと見てきたので、少人数で過ごせる特別支援学級はスバルに合っていると思いました。
ただ自分自身が経験したことがない「特別支援学級」に少なからず不安はありました。
その不安を解消するために何度も見学を重ねたのですが、実際に入学して、学校での様子を見ないことには完全に安心することはできませんでした。
入学式前日、特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)に入る新1年生のみ体育館へ集合
入学式の前日の夕方、特別支援学級に入る新1年生は体育館に集合しました。
翌日の入学式のために会場の準備が終わった体育館で、担任の先生から「明日ここで入学式をするんだよ」と説明がありました。
「あそこの入り口から入ってきてこの椅子に……」と説明は続きましたが、スバルと新しいクラスメイト達はソワソワして集中していませんでした。
我慢できなくなった1人がその場を離れたのを皮切りに、蜘蛛の子を散らすように数人がその場からいなくなりました。
彼らが体育館の中で散り散りに何をしていたかというと、会場のチェックです。