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寝返りはいつから?事故防止やサポート方法、寝返りしない場合の相談目安【医師監修】

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赤ちゃんの寝返りはいつから?遅い場合いつまでに寝返りする?


赤ちゃんがあおむけの状態から、自分の力で身体を回転させて姿勢を変えることを寝返りといいます。 寝返りは赤ちゃんの発達過程の一つですが、早い場合や遅い場合はいつからするのか、詳しい時期を紹介します。

赤ちゃんが寝返りをするのは、首がすわり、腰を自らの意志で動かせるほどに運動発達が進んでからです。寝返りを行うタイミングは赤ちゃんによって異なりますが、生後3ヶ月頃から始まり、遅い場合でも生後6ヶ月~7ヶ月頃には約90%の赤ちゃんができるようになると言われています。ごく少数ですが、早い場合は生後2ヶ月頃から寝返りがみられることもあるようです。

赤ちゃんの寝返りには前兆があり、寝ている状態から身体をひねったり横向きにしはじめ、そのあとに腰をひねれるようになるといよいよ寝返りが近い合図です。

乳幼児健診などで寝返りができたかどうか判断するには、「左右どちらかだけでも仰向けの状態から腹ばいの状態に姿勢を変えることができる」とされています。

まずは左右どちらからでも姿勢を変えられることが寝返りの基準となります。
「右側からの寝返りしかしないけどいいのだろうか」と気がかりな方もいるかもしれませんが、基本的に寝返りが上達するとどちらの向きからも寝返りができるようになってきます。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf
参考:Ⅱ 調査結果の概要|厚生労働省

https://www.city.kameoka.kyoto.jp/soshiki/92/3425.html
参考:寝返り|亀岡市

寝返りの時期が早い子は要注意?寝返りし始めた頃に気をつけること


寝返りは仰向けからうつぶせに姿勢を変える行動です。寝返りは早い場合は2ヶ月頃からし始めると紹介しましたが、寝返りをし始める時期に注意することを解説します。

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、赤ちゃんに予兆や既往歴がないにもかかわらず突然原因不明の死に至る病気のことです。令和4年には日本で47名の乳幼児が亡くなったという報告もあり、国内における乳幼児の死亡原因の4位になっています。

SIDSはうつぶせに寝かせたときに発生率が高くなるといわれており、基本的には1歳になるまでは赤ちゃんを寝かせるときには仰向けにすることが求められています。しかし、赤ちゃんが寝返りをうてるようになると、仰向けに寝かせていても途中でうつぶせに変わる可能性があります。赤ちゃんが自ら仰向けに戻ることができない時は、保護者が姿勢を変えるようにしましょう。
また、睡眠中に窒息するリスクを減らすためにも、寝かせるときには口をふさぐ可能性がある柔らかい寝具などの使用は避け、子どもが寝ている周囲に枕やぬいぐるみ、首に巻きつくよだれかけなどを置かないようにすることが大切です。

寝返りをするタイミングは2ヶ月頃~7ヶ月頃と個人差があります。寝返りが早い場合はその分うつぶせ寝についても早くから注意する必要があります。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-035.html
参考:乳幼児突然死症候群 / SIDS | e-ヘルスネット

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000181942_00007.html
参考:11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です|厚生労働省

寝返りをし始める頃は子どもはさまざまなことに興味を持つようになるほか、身体の発達と共に移動範囲や手の届く距離も長くなってきます。そこで、事故が起きないように周りの大人が気をつけたいことを紹介します。

事故につながるものとして、
・ベッドでのうつぶせ寝
・ベッドからの転落
・階段からの転落
・お金や電池などの誤飲
・ストーブなどに触ってのやけど
などがあります。

ベッドや階段の前には転倒防止の柵をつける、床の上は片づける、触って危ないものは置かない、カバーをかけるなどの対策を取って事故を未然に防ぐことが大切です。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/dl/s0714-3f.pdf
参考:1. 誤飲に対する母子健康手帳による保護者への啓発|厚生労働省

https://www.pref.aichi.jp/kosodate/hagumin/growing/age.html
参考:健康と安全|あいちはぐみんネット

なかなか寝返りしない……寝返りが遅い時の練習やサポート方法は?


寝返りをする時期は赤ちゃんによって個人差があるため、基本的に練習しなくても自然とできるようになります。
しかし、なかなか寝返りをしないと心配な保護者もいらっしゃると思います。ここでは寝返りを促すサポート方法について紹介します。

寝返りができるようになるためには、身体を伸ばす運動や回転させる運動が必要になってきます。寝返りを促す練習としては、あおむけの状態の赤ちゃんに身体の左右一方からガラガラなどのおもちゃを見せることで、身体を回転させる動作を誘導する方法があります。また、仰向けの状態で片方の足を反対の足の外側にかけ、そのまま回転するように腕を持ちながら寝返りをサポートする方法もあります。寝返りの姿勢で身体の下から手が抜けなくなっているときは、優しく抜くようにしましょう。

ポイントとして、ふとんなど柔らかい場所では力がうまく伝わらないため、固めのマットの上などで行うことや、厚着をしていると動きに制限が加わるため動きやすい服装にするなどがあります。また、体重が重い赤ちゃんも寝返りがしづらいことがあるようです。


寝返りの時期は個人差がありますので、過度に気にせずに遊びの中に取り入れるくらいの気持ちで臨むようにしましょう。

https://www.pref.kyoto.jp/kosodateqa/karada_15.html
参考:寝返りをしない [子育てQ&A]|京都府

https://www.hamamatsu-pippi.net/sodan/hamasukuqa/hamasukuqa-list/7989.html
寝返りの練習はどのようにする? |浜松市子育て情報サイト ぴっぴ

寝返りと発達障害や疾患との関係は?不安な時の受診の目安とタイミング


寝返りは早い赤ちゃんだと2ヶ月頃からはじめて、7ヶ月頃には90%ができるようになると言われています。

寝返りのタイミングが早い、または遅いことと発達障害や疾患の関係を解説します。

まず、寝返りが早い、もしくは遅いというだけで発達障害と関連があるのかという根拠は現在のところありません。しかし、ASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害のある赤ちゃんは動きのぎこちなさや手足の協調の困難、筋緊張低下などがみられることも多く、そのため寝返りの時期も目安より遅くなるということはあり得ます。

発達障害のほかにも、筋肉の疾患、脳性まひ、脳や脊髄の疾患、先天性代謝異常症などがある赤ちゃんには運動発達の遅れがみられることがあり、寝返りの時期にも影響が出ることが考えられます。このように障害や疾患によって寝返りの時期に変化が現れることがあります。しかし、寝返りをするより前におすわりやつかまり立ちなどほかの動作ができるようになる赤ちゃんもいます。


目安として生後8ヶ月以上になっても寝返りをせず、ほかにも気になる様子があればそのタイミングでかかりつけの小児科などに相談してみるといいでしょう。もちろん心配であれば、家庭だけで抱え込まずに、タイミングに関係なく自治体の子育て窓口など相談できる場所に相談することも大切です。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf
参考:Ⅱ 調査結果の概要|厚生労働省

https://doi.org/10.32220/japanacademyofas.12.3_23
参考:是枝喜代治著「ASD(Autistic Spectrum Disorder)児者の初期運動発達の偏りに関する研究 保護者へのアンケート調査を基に」『自閉症スペクトラム研究』12 巻 (2014) 3 号 p. 23-33

https://doi.org/10.11251/ojjscn1969.26.498
参考:山田和孝著「精神遅滞児の運動発達面でのスクリーニング検査」『脳と発達』26 巻 (1994) 6号 p. 498-503

https://www.hamamatsu-pippi.net/sodan/hamasukuqa/hamasukuqa-list/8211.html
参考:寝返りをする前におすわりをするのは問題?|浜松市子育て情報サイト ぴっぴ

まとめ


赤ちゃんが仰向けの状態から身体をひねってうつぶせになる寝返り。運動発達の目安として、早い場合だと生後2ヶ月頃から寝返りをし、多くの場合は生後6ヶ月~7ヶ月頃までには寝返りをすると言われています。

寝返りをなかなかしないと発達の遅れや疾患などを心配することもあると思いますが、赤ちゃんの発達は個人差が大きいことや、寝返りをするより前にほかの動作ができるようになる赤ちゃんもいるため、過度に気にする必要はありません。

生後8ヶ月を過ぎても寝返りをしないことやそのほかに気になる様子がある場合は、かかりつけの小児科、自治体の子育て窓口、保健センターなど身近な窓口で相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。


神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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