自閉症息子が「学校に行きたくない」理由。中学受験で気づいた登校に必要な条件とは?
とか「障害支援」を謳っている学校ではなかったのですが、明る過ぎるのが苦手なタケルのために、席替えの時にはいつも外の光が直接入りにくい、眩しさに耐えられる程度の明るさの席を選ばせてもらえたそうです。
朝身体が動かないことは中学生になっても変わらなかったので、遅刻はそれなりに多かったのですが、この学校では比較的落ち着いた学校生活を送ることができました。
何が原因なのか本人には分からないことも...
タケルが登校渋りをしていた当時、タケルにASD(自閉スペクトラム症)があることはまだ分かっておらず、眩しさや音で非常にストレスを感じる「感覚過敏」も、私たち親は知りませんでした。
タケル自身も、快適な環境を手に入れて初めて「うるさかったんだ!」「眩しかったんだ!」と気が付いたようです。ずっと「何が原因なのか分からないが学校に行くと頭がむにゃむにゃする」という状態だったのです。
そりゃあ「何が嫌なの?」と聞いても、理由が出て来るわけないよなあ、と、当時を振り返って思うのでした。
執筆/寺島ヒロ
(監修:室伏先生より)
タケルくんの登校渋りのご様子について詳しく共有くださり、ありがとうございました。定型発達のお子さんでも、ご自身の感覚、感情を表現するというのは難しいこともあります。
特に、ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんは、自身の気持ちや感じていること、状況などを言語化することが苦手なことが少なくありませんし、困りごとが周囲の人から想像、理解してもらえないことも多いようです。
タケルくん、ストレスの多い環境でも頑張って通学されていたのですね、頑張られましたね。通学習慣をつけるためにも大事な小学校低学年の時期、学校に行きたくないというお子さんを休ませてもいいのかどうか、迷われたり、不安になられる親御さんも少なくないと思います。行きたくないといいつつも、頑張って通学を続けていくうちに困りごとが薄れてくることもありますし、頑張って通学を継続したことが自信に繋がることもあります。一方で、行きたくないという訴えが、身体や心の重大なSOSのこともあります。環境の調整や困りごとへの対策ができて、学校での生活がより快適に、楽しくなれば一番よいのですが、それが難しい場合には、通学を促すだけでなく、休むということが必要なお子さんもいらっしゃいます。例えば、お子さんと相談して、フル参加すると疲れ過ぎてしまうから、週の一部はお休みするという対策をとっているご家庭もあります。