「特性を検査する」ってどういうこと?【LITALICO発達特性検査監修者・井上雅彦先生インタビュー】
【特性】眩しさを感じやすい感覚過敏の特性がある
【困りごととなる行動】教室で窓側の席に座ると、顔を伏せて授業に参加できない
【原因】窓側の席の光の差し方が強すぎて、教科書を開いたり、前を向いて長時間過ごすことが苦痛
【行動と環境への働きかけ】
・授業に参加するという行動に変えるため、席を光の入りにくい内側にする
・授業中はカーテンを引く
・サングラスをかけるなど
なくなってほしいのは、「授業に参加できない」という困りごとであって、特性ではないという考え方もポイントですよね。
個人的には、「障害」という概念を、個々の環境と個人との相互作用である「行動」を単位として捉えることで、「障害者」「~障害のある人」というラベルづけから脱却できると思います。
特性から生まれる困りごとや障害自体を具体的行動に落とし込むことで、環境や対応を変化させ、解決していくことはできるのではないかと思います。一つひとつの行動が変わっていくことで、最終的に、特性や困りごとについても、変わったり薄まったりしていくことはあると思います。
LITALICO発達特性検査で分かること
「特性」を知るための検査として、LITALICO発達特性検査で具体的に分かることをあらためてまとめると、以下が挙げられます。
1. お子さまの特性や困りごとの傾向
まずはお子さまの特性や困っていることの行動傾向に気づく
2.お子さまの特性や困りごとの背景要因
いくつかの背景要因が提示されることで理解がより進む
3.特性や困りごとに合った対応方法やサポートの方向性
サポートを試して本人に合うものを探していく
この3つのステップをセットでやってみることで、特性理解をスタート地点にして、行動に働きかけることができるのではないでしょうか。もちろん家庭でできることには限界もありますし、できることからやってみるだけでもいいので、提案された支援の中から試してみてください。お子さまに合っていたサポートなどを抽出してサポートブックなどに記録したり、プリントしてまとめたりしていくといいですし、もしうまくいかなかったとしても、専門家や周りの人に相談する材料にしたり、より本人や状況に合わせてカスタマイズする方法はないか、考えるのもいいと思います。
Upload By LITALICO発達特性検査 編集部
特性理解のための最初のツールとしてのLITALICO発達特性検査
保護者さまや本人が特性を知り、それに適した対応法を知ることで、周りもサポートがしやすくなり、困りごとが減らしていける。