知的障害息子「親なきあと」に備えた自立準備。中学からのレスパイト利用、ショートステイ…わが家の場合【読者体験談】
グループホームで新型コロナウイルスの感染が広がってしまい、息子は一時期帰宅ができなくなりました。この長期滞在をきっかけに、その後は月2回の帰宅が定着しました。今ではすっかりグループホームが息子の居場所になっています。
Upload By ユーザー体験談
とにかく「見学」と「質問」で子どもの居場所を探す
レスパイト、ショートステイについてはとにかく見学し、聞きたいことは遠慮なく聞くことが大事だと感じました。いきなり泊まるのが心配なら、日帰りできるかを聞いておくのも良いと思います。
現在の息子は、グループホームで穏やかに生活しています。特別支援学校卒業後に入った就労継続支援B型での仕事も続いています。
老後は、同じ施設が老人ホームを運営しているので、そこに入れたら……と親なきあとをイメージしています。
イラスト/海乃けだま
エピソード参考/RINRIN
(監修:井上先生)
青年期のお子さんが学校に通うためにアパートに下宿したり、一人で生活する体験をすることはよくあると思いますが、障害のあるお子さんも親から離れて生活する機会が選択肢としてあることは大事だと思います。それぞれのご家庭の事情でショートステイのニーズは異なると思いますが、このコラムのご家庭のようにグループホームへのステップとして体験されるのも良いと思います。
親御さんとして、最初は心配なことも沢山あるとは思いますが、ショートステイでのさまざまな体験がお子さんにとって貴重な経験になっていくと思います。しかしながら地域によってはショートステイの枠が不足しているという現状もあります。その場合、それぞれの地域の自立支援協議会などで行政のほうにも働きかけていくことも大事だと思います。(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。