小学生の忘れものどうしたらいい?教科書、宿題、プール道具…効果的なサポート方法は?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】
の置き場所を分けてしまうのもひとつかと思います。そうすることで、「きっとここにあるだろう」という予測を立てやすくなります。
「必要なものを探し出す」というのも練習が必要なときもあります。「どこにありそうか?」を予測することが苦手な場合は、例えば保護者が選択肢を出してお子さんに探してもらうという方法もひとつです。保護者がすべて探してしまうと、本人が見つける練習にならないので、『自分で探す練習』としてヒントを出しながら探してもらうとよいと思います。
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イレギュラーな持ち物を忘れてしまうとき、どうする?
A:イレギュラーな持ち物についても、基本的には前日の確認や、保護者が少し丁寧に関わっていくことは有効だと思います。
忘れものをしてしまうことで、学校の活動ができないというのは、本人もつらいですよね。忘れものを先生に言えずに一人で困ってしまっている、という場合もあるかもしれません。
しかし、忘れものをしたときにも、先生に言う、先生にどうすればよいか聞いてみる、友達に言って貸してもらうなど、いくつかリカバリーする方法があるかと思います。学校に予備を置いておく、親しい友達の方から声をかけてもらうなどの工夫をされている方もいらっしゃいます。「忘れないための工夫」とあわせて「忘れたときに対応できる」という点もポイントです。
忘れたことを黙っていたり、思わずごまかそうとしたりするのではなく、「先生に言う」「友達に助けを求める」など行動できることは大切なスキルです。「忘れたときに誰に言いに行けばよいか」など、忘れたときの対応についても折に触れて伝えていくとよいでしょう。
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まとめ
忘れものをしないよう、学校の準備を習慣化させていくためには、どうしても最初は保護者がある程度手間をかけてサポートする必要があるかもしれません。そのための時間を確保するというのは、保護者の方にとっても大変かと思います。しかし「明日の予定や必要な持ち物を確認する」「必要な物を部屋の中から探して持ってくる」「そろっているか点検する」などを、お子さんが一つずつ学んでいく機会が必要だと思います。
ただ、誰でも忘れものをしてしまうことはあります。その際に適切に援助を求められることは、大人になっても大事なコミュニケーションスキルの一つです。