子育て情報『学習のフォローや友だち関係…支援や配慮を相談したいとき、学校へのアプローチや連携のコツは?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】』

学習のフォローや友だち関係…支援や配慮を相談したいとき、学校へのアプローチや連携のコツは?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】


学校へお願いしたいことがあるとき、どうしたらいい?

A:学校との連携は、保護者から先生に相談するところから始まることが多いと思います。最初に相談する相手は、基本的には担任の先生になるでしょう。

ただ担任の先生だけでなく、各学校に配置されている特別支援教育コーディネーターという役割の先生に相談してもよいかもしれません。

特別支援教育コーディネーターは、校内の特別支援教育の推進のため、主に以下の役割を担っています。

・校内委員会の企画・運営
・関係諸機関・学校内関係者との連絡・調整
・保護者からの相談窓口

学校へ相談をする際には、初めにどんなことに困っているのかをお伝えしつつ「どうすればいいか悩んでいる」旨を率直にお話するとよいかもしれません。そこから話し合いがスタートして、お子さん本人や保護者の願いと、その学校での人的・物的環境において実行可能なこととをすり合わせていく作業になると思います。

例えば「国語のノートをとることが難しい」という場合、ユニバーサルな支援として、クラス全体に
・穴埋め式プリントを配る
・黒板を書き写す量を減らす
などの対応がとられることもあります。

また合理的配慮として、「ノートテイカーを置くことは難しいけれど、タブレットで写真を撮るのはどうか」などのように、いくつかの案から学校としても持続可能でお子さんにとってもよい対応に調整していきます。


学校での支援や配慮を検討していく際に、最も大切なポイントは、お子さん本人の意志を尊重し、取り入れていくことです。

例えば、「国語のノートは、タブレット端末を使う」と学校と保護者の間で合意していても、お子さん本人が「クラスの中で、自分だけタブレットで写真を撮りに行くのは嫌だな」と思うかもしれません。そういった場合には、まずは他の目立ちにくい場面で使ってみて、お子さん自身が良さを体感し「国語のときも使いたい!」と感じてから、国語の場面でも使ってみる、というプロセスもあるかもしれませんね。

支援や配慮は「一度決めたらOK」ではなく、[Plan-Do-See(計画、実行、見直し)]の観点で調整していくことも大切です。まず試してみて、あまりうまく行かなかったら次の手を考えていきます。お子さんも成長しますし、周囲も変化する中で、困りごとの内容や深刻度も変わってくるかと思います。その意味でも、定期的に見直し、お互いにより良い形になるよう調整していけるとよいでしょう。

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