チックに「気づかないフリ」見守るだけじゃだめだった?病院受診で知った自閉症息子の気持ちに涙
と感じ、このことについて話さないようにしていました。
それに以前は「クセになるからやめな」と注意されていたので、指摘されないならそのほうが良かったのです。
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3年生になったある日、いつもは時々出るだけのブンブンが1日中おさまらなくなりました。
クラスでのトラブルがきっかけでブンブンが出て、トラブルが長期化したため悪化したのです。スルーを決め込んでいた私が思わず両手で顔を支えてしまったほど、激しい動きで首を振っていました。
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その時はじめて「チック」という言葉を使って今のスバルの状況を説明しました。
そして「専門家へ相談に行こう」と病院へ行く提案をしました。スバルは「専門家」に対して絶対的な信頼があるので「専門家に相談すればチックが良くなるかもしれない」とホッとしていました。
スバルの中でチックの悩みは終わっていなかった!
チックの相談をしようと思い立ち小児神経科や児童精神科へ予約の電話をしたものの、最短で半年後の予約しか取れませんでした。
そして初診までの半年の間にチックの原因となったクラスでのトラブルが収束に向かって行き、それに伴いスバルのチックもおさまりかけていました。初診の日、私の中ではチックは終わったようなものだったので、その時抱えていた別の困りごとをメインに相談していました。
しかしスバルの中ではチックの悩みは終わっていなかったのです。
スバルは少し緊張した顔で「あの!チックをなくす手術ってできますか?」と聞きました。
先生は「チックをなくす手術はないけど……」と断わったあと、スバルに分かりやすくチックについての説明をしてくれました。
ほかにもスバルが質問した「チックとトゥレット症候群の違い」なども説明してくれました。最後に「チックを治す手術はないが、チックの原因となる気持ちを落ち着かせる薬や漢方はある。今はその時ではないけど、またひどくなったら相談してほしい」と話してくれました。スバルは漢方が何か知りませんでしたが「漢方」という強そうで頼もしい響きに食いついていました。「チックを気にしなくて良いんだよ」「そのうちおさまるよ」という言葉より「いざとなったらぼくのバックには専門家と漢方がついている」ことがスバルにとっては大きなお守りになりました。
私はスバルがチックについてそこまで思い悩み、下調べをし質問を用意し、今日という日に挑んでいたとは知りませんでした。