子育て情報『ダウン症のある人の平均寿命・平均余命は?最高齢は何歳?成人期の医療における課題も【医師監修】』

2023年3月1日 14:15

ダウン症のある人の平均寿命・平均余命は?最高齢は何歳?成人期の医療における課題も【医師監修】

特に、先天的心疾患や先天性消化器疾患などの治療が乳幼児期から行われることで、ダウン症のある人の寿命は飛躍的に延びています。胎児期や乳児期などの早期にこれらの合併症を把握できるようになり、外科手術などの高度な医療を受けられるようになったためです。また、早期療育や生活改善が実施されるようになり、合併症の予防・身体の運動能力の向上がうまくいっていることも寿命が長くなることにつながっていると考えられます。

「平均余命」という言葉を知っていますか?平均余命とは、「ある年齢の人々が、その後何年生きられるかという期待値」のことです。一般に知られている「平均寿命」とは、「0歳での平均余命」のことなのです。60歳の男性が、「平均寿命」が80歳だからといって、「残りの人生は20年だ」と単純に考えるのは間違いです。

令和3年の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が81.47歳 、女性が87.57歳です。65歳男性の「平均余命」は、19.85年になっています。
65歳男性の残りの人生は平均約20年になる、ということです。つまり「平均寿命」から計算した16年よりも4年ほど長生きできそうである、ということを表しています。これはダウン症のある人でも同じことが言えます。

さらに、ダウン症の場合、生まれてすぐから10歳になるころまでに亡くなるケースも少なくないため、平均寿命はかなり短くなります。例えば0歳のダウン症児の平均余命は48.9歳ですが、1歳のダウン症児の平均余命は51.2歳となっています。1歳でもこんなに違うのですから、10歳を超えたダウン症のある子どもたちは、もっともっと長生きできるでしょう。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34622557/
参考:Causes of death in patients with Down syndrome in 2014-2016: A population study in Japan

ダウン症がある人の死因は、年代によって異なります。ダウン症がある人は、先天性の疾患を持つことが多いため、乳幼児期はそれが原因で亡くなる人が多いのですが、老年期になるとダウン症のない人と大きな差はありません。


2014年から2016年の日本におけるデータによると、乳幼児期から18歳までのダウン症のある人の死因は、先天性心疾患と白血病・リンパ腫などが多くなっています。

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