オノマトペで作文の表現力を伸ばす――「富士山が“ジョジョッ”とあらわれた」でも間違いではない!?
人とは違うオノマトペが出てきたときほど「すごいね」「いいね」「かっこいいね」「すてきだね」と子どもを褒めてあげてください。
文豪・宮沢賢治も愛したオノマトペ
もっとも、まだ作文慣れしていない子どもに「オノマトペを使って書きなさい」と言っても、難しいかもしれません。仮に「めのまえに、ふじ山が、あらわれたのです」と書いたとしたら、「どんなふうに現れたのかな?現れた様子に音をつけてみようか!」と自然な形で誘導してあげてください。
また、日頃から、オノマトペを使うゲームを、親子で楽しむのもおすすめです。バナナを食べながら「食べている様子を『モグモグ』以外の音で表現してみよう」とか、「お父さんが怒っているときの様子を音で表現してみよう」とか。どんなお題でも構いません。親子のコミュニケーションも促されるうえ、情景や様子、自分の気持ちなどをオノマトペで表現するいいトレーニングにもなります。
かの文豪、宮沢賢治は、オノマトペの名手としても知られています。
「風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました」(『注文の多い料理店』より)などが一例です。彼の作品が老若男女に愛されたのは、その独特でリアリティのある情景・感情描写にあったのかもしれません。
賢治のみならず、世の子どもたちもまたオノマトペの名手です。自由な発想に彩られた子どものオノマトペは、作文の魅力とクオリティを格段に高めます。もちろん、オノマトペで表現する楽しさを知った子どもは、作文を書くことが好きになるでしょう。
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