子育て情報『映画鑑賞から読書、図工や作文へ! ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方』

映画鑑賞から読書、図工や作文へ! ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方

しまいにはホミリーを捕まえてビンに閉じ込めてしまうのです。


泥棒小人を捕まえた

と、ハルさんは言います。

映画鑑賞から読書、図工や作文へ! ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方


原作『床下の小人たち』——様々な視点から物語を味わう糸口に

『アリエッティ』の原作である『床下の小人たち』は、第二次大戦の記憶がまだ新しい1952年に発表されました。それから半世紀以上、ずっと英語圏の(そして日本の)子供達をワクワクさせ続けてきました。人間からいろいろなものを借りている小さな人たち、という発想が秀逸です。


映画鑑賞から読書、図工や作文へ! ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方

原作ではポッドと言う名前が(豆のさや)という意味だということがわかるようになっています。作品中で指摘はされませんが、お母さんのホミリーの名前は(教会のお説教)という意味ですから、小人たちは名前も人間から「借りて」いるのです。

それにしても、子供達にお説教をする役目をしょっちゅうあてがわれてしまうお母さんの名前が「ホミリー」というのはうまくつけたものです。

映画『アリエッティ』ではあまり光を当てられていませんが、原作でとても重要になるのが「借りる」ことと「盗む」ことの違いです。

原作では、男の子とアリエッティはこんな会話をします。


「借りる(中略)きみは、そういうんだね?」

「ほかに、なんていえばいいの?」とアリエッティがききました。

「ぼくなら、盗む、っていうね。」

この会話の中でアリエッティは、こんな風に説明します。

盗むというのは借りぐらしの小人の間で起きることで、人間のところから物をとっていくのは盗みではない、と。
男の子はアリエッティの説明を面白がって受け入れます。読者である子供達も、「そうだね」と頷くのかもしれません。

でも、ここで一度立ち止まって考えてみましょう。原作でも、ジブリの映画でも、小人を「泥棒」と呼び、捕まえようとするのは、使用人たちです。映画では家政婦のハルさんですが、原作では料理人のドライヴァおばさんです。使用人はお屋敷の中では弱い立場です。小さなものがなくなった時には真っ先に疑われてしまいます。切手や安全ピンであれば、なくなっても困らないでしょうが、宝石やお金がなくなったら、すぐに職を失いかねません。


実際に原作ではアリエッティの家に「エメラルドの時計」が飾ってあると書いてあります。まさに、なくなった時に大騒ぎが起きて、女中が一人や二人解雇されていてもおかしくないような品物も、原作のアリエッティたちは「借りて」

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