映画鑑賞から読書、図工や作文へ! ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方
いるのです。
家のものがいつの間にかなくなったら、お手伝いさんは困るんじゃないかな?
ぐらいの会話は、親子の間で持ってもいいのかもしれません。様々な視点から登場人物を見るための仕掛けが、原作には確実に施されています。
図工や体育、演劇に作話まで!イギリスの小学校での『小人たち』
さて、『床下の小人たち』は、実際の教室での勉強に展開していきやすい作品です。日本語訳の出版社は実際に自分で読むのであれば小学校5・6年以上としていますが、本が好きな子供たちならずっと早くに読むでしょうし、もっと幼い子でも楽しめる質の良い映画『借りぐらしのアリエッティ』があります。
実際にイギリスの小学校で教材として扱われる時も、対象年齢は6歳から12歳前後と、比較的幅があるようです。
私の子供達の学校では図工の授業でアリエッティの部屋を作っていましたが、演劇や体育に展開することもできるでしょう。
たとえば、演劇教育に関するこちらのサイトでは「借りゲーム」として10分程度のゲームを提案しています。
目隠しをした子供が一人中央の椅子に座る。その椅子の下に鍵を置き、他の子供達は気付かれないようにとろうとする。目隠しをした子供は耳をすませ、「借りぐらし」が来たと思ったら指差してそう言う。
あるいは、一人の登場人物になりきって席に座り、質問に「登場人物として」答える、というアクティビティもあります。読み、理解し、演じる。受け身におはなしを楽しむ以上のことが要求されるアクティビティです。もう少し先に行くと、物語の中心人物である人間の「男の子」になったつもりで、自分にはどんな偏見があるのか考えよう、という作業も入ってきます。
その他にも、小人たちが学校に暮らすことになったという設定で続きを書いてみましょう、小人を見た人間の男の子になったつもりで日記を書いてみましょう、というように、借りぐらしの小人たちを題材に、子供達と一緒にできることはどんどん広がっていきます。
映画を見ながら家庭でも『小人たち』との学びを深めよう
学校で取り上げる作品は、決められた時間で読み、理解しなくてはいけませんが、家庭で読む物語は、アクティビティと読書の間に時間があいても良いのが大きな利点です。
一気に全てのアクティビティに手を出すのではなく、映画を見ながら「いつか大きくなったらタイミングを見て、こういうことをしてみてもいいな」