集中力が鍛えられる一人遊び。子どもの思考をストップさせる“ひと言”に気をつけて!
子どもは2歳頃から、自ら一人で遊ぶようになります。自分なりに遊びを考え楽しんでくれる……となると、親は少しの間解放されたような、でも少し心配なような、なんとも言えない気持ちになるかもしれません。
なかには、まだ上手に遊べないからとすぐに手助けしようとしたり、寂しいだろうと一緒に遊んであげる親御さんも。
でも実は、一人で遊ぶ時間は、子どもの成長にとってとても大切な時間。幼い子どもが一人何かに没頭しているとき、親はどうしてあげるのが望ましいのでしょうか。
思考をめぐらす一人遊びに、お邪魔は厳禁
真剣に積み木を重ねたり並べたりしている子どもは、それだけでも頭の中で思考をめぐらせることを楽しんでいます。積み木の上にもう一つの積み木を乗せたらどうなる?三つ目を乗せたら、どうして全部が崩れてしまうのかな?そんなことを考えながら、自分の手で考えを試しているのです。
ここで親が「こうすると倒れないね」「高く積み上げたいの?」「おうちを作ってみよう」などと口出しをしてしまうと、そこで自主的な思考はストップしてしまいます。
東京大学名誉教授・白梅学園大学学長の汐見稔幸氏は、子どもが自主的にやろうとする意欲を育てるには、親がいつも先周りをすることは避けるべきだと言います。
子どもが自分でやり始めたことは、なるべくそのままやらせてあげます。ちょっと後ろから見ていて、危ないときは助言をする、助けを求めていたらサポートする、という態度がとても大事だと思います。
(引用元:汐見稔幸(2011) ,『0〜3歳 能力を育てる 好奇心を引き出す』,主婦の友社.)
安心安全な環境の中、親はすぐに応えられる場所に
では、一人遊びの最中は、親はどの程度の距離を持って見守るべきなのでしょうか。
事故の不安がある場所や誤飲の心配があるものが近くにあったりするのなら、親はすぐそばにいるべきですが、親も子も安心できる場所であれば少し離れていても大丈夫。
子どもが自分をめぐる世界をひとりで探索するのを見守ってやるのは、なによりも大切なことです。ただし、その環境が安全な場合に限ります。子どもは経験を重ね、新たな挑戦に立ち向かうことを学び、自力で問題の解決方法を見つけだします。親がすぐ近くにいることをわかっていれば、子どもはさらに勇気づけられ、自立心の芽生えの兆候が現れます。
(引用元:デズモンド・モリス(2009)