子育て情報『子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック』

子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック

先にお伝えしたように、線条体は行動と快感を結びつける器官ですから、「行動」をイメージすることで重い腰も浮きやすくなるのです。いま、「ドン」「ガバッ」「ガシガシ」という言葉を使いましたが、オノマトペ(擬声語)を使うと線条体の活動がはじまりやすくなります。

また、実際には楽しくないことも口角を上げて取り組めば楽しくなるという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。1980年代頃から感情心理学において言われてきたことですが、これは脳科学の点からも正しいと言えること。口角を上げると脳のなかでドーパミンという快楽物質の分泌が盛んになり、記憶効率が高まりスキルアップしやすくなることがわかっているからです。

苦手な科目の勉強に取り組む際には、子どもにニコニコしながら楽しそうにやるよう教えてあげる。とはいえ、小さい子どもなら理屈で理解することは難しいかもしれません。であれば、親御さん自身も、面倒なことをニコニコしながらやってみる。
そういう姿を子どもに見せてあげてください。

子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック


『男の子がさいごまでできる めいろ』
『女の子がさいごまでできる めいろ』
子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック
子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック

篠原菊紀 監修/KADOKAWA(2018)

■ 脳科学者・篠原菊紀先生 インタビュー一覧
第1回:記憶力の要は「記憶の仕方」にあり。親が知っておくべき「記憶の脳科学」
第2回:子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック
第3回:子どもの気質をテストで診断。脳のタイプ別「“勉強好き”に育てる方法」(※近日公開)
第4回:「間違った褒め方」していませんか?子どものやる気を維持させる「褒め方」メソッド(※近日公開)

【プロフィール】
篠原菊紀(しのはら・きくのり)
1960年生まれ、長野県出身。東京大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。東京理科大学諏訪短期大学講師、助教授を経て、現在は諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授、地域連携研究開発機構・医療介護・健康工学部門長、学生相談室長。「茅野市縄文ふるさと大使」という肩書も持つ。応用健康科学、脳科学を専門とし、「遊んでいるとき」「運動しているとき」「学習しているとき」など日常的な場面での脳活動の研究をしている。教育関連の他、アミューズメント、自動車産業などとの共同研究も多数。
子どものための「脳トレ」に関する著書も数多い。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)

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