イギリスの小学校では○○がクラスメイトの家を旅して回る!? 文字への興味を高めてくれる “秘密道具”
実は親の間では「あー!ぬいぐるみが来ちゃった!いったい今週末は何をしよう!」と悲鳴が上がることもあるのですが、それでもクラスのぬいぐるみがやってくると、子供達は大喜びです。
ぬいぐるみの元になる絵本を読んでもらったり、お話の内容を考えて週末の計画を立てたり。お母さんやお父さんが文章を書いているのをそわそわ覗き込みながら「字が書けるっていいな」と思ったりもします。もっと年齢が高い子供達だと、今度は子供達自身が文章を書くので、クラス全体の交換日記のようになります。
我が家はトップバッターだったので、残念ながら私は他の家庭の日記を読むことができなかったのですが、学期が進んでからぬいぐるみをもらった家庭では、トラがいったい他の家庭ではどんな冒険をしたのか、今までの軌跡をたどるための読み聞かせも発生していたようです。
入学して数ヶ月くらいした頃には、下の子はクラスメイトのお母さんやお父さんに「○○くん、トラの日記読んだよ!お寿司美味しそうだったね!」と話しかけられていましたから、そんな効果もあったようです。
お話の主人公のおもちゃは、絵本への興味を高めてくれる
クラスのぬいぐるみがやってくるまであまり意識していなかったのですが、自分のための絵本が一冊一冊、目の前で増えていった上の子と比べ、気づいた時にはすでにたくさんの本が周りにあった下の子は、あまり絵本に興味を示さない子供でした。
もちろん、読み聞かせは同じように行っていましたし、上の子が本を読む様子も目にしていたのですが、上の子の時と違い、本を欲しがったり、自分から「読んで」とリクエストしたりすることが、少なかったように思います。
けれど以前、イギリスでこよなく愛されている絵本としてご紹介した『グラファロ』だけは別格で、何度もリクエストをされました。
さすがベストセラーだな、と思っていたのですが、考えてみると、下の子が『グラファロ』の絵本に積極的に反応し始めたのは、3歳ぐらいの頃、おもちゃ屋さんで、グラファロのモチーフのついたお皿やスプーン、ぬいぐるみなどを目にしてからのことでした。
たくさん本が周囲にありすぎて、どれに興味を持っていいのかわからない状態になっていたのかもしれません。街角で見かけたぬいぐるみに何かのセンサーが反応したのでしょう。
グラファロも、はらぺこあおむしも、ピーターラビットも、古典的に愛されている絵本のキャラクターには、ぬいぐるみやおもちゃになっているものが数多くあります。