【子どものストレス原因・症状・対処法】不安な気持ちを表現できない幼少期のSOSサインに注意
子どもが幼稚園や小学校に馴染めないでいると、「私の育て方が間違っていたのかな」と自分自身を責めてしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。それが強いストレスとなり子どもが敏感に感じ取ってしまうと、子ども自身のストレスにもつながるというわけです。
ストレスに対して必要以上に不安を感じたり、ネガティブな思考にとらわれたりすると、ますます悪循環にはまっていくため注意が必要です。
ストレスが引き起こす心と身体のトラブル
ストレスを感じることで、子どもの心と身体にはどのような変化が表れるのでしょうか。
■ストレスによって表れるSOSのサイン
<心の変化>
・イライラしやすくなる
・怒りっぽくなる
・急に落ち込む
・感情の起伏が激しくなる
<身体の変化>
・食欲がなくなる
・便秘、下痢
・熱が出る
・寝つきが悪くなる
・朝起きられなくなる
洗足ストレスコーピング・サポートオフィスの伊藤絵美先生は、「大人に比べて子どものストレス反応は『身体化』『行動化』しやすい」と述べています。
身体化とは、「お腹が痛い」「眠れない」「おしっこがしたくなる」などの状態を指します。低学年くらいまでの子どもは言語化する能力が未熟なため、身体的な不調として表に出やすくなるのです。
行動化とは、「動物をいじめる」「妹や弟をいじめる」「ものに当たる」「友だちに手を出す」といった様子を指します。
低学年~中学年くらいでは、自分よりも弱いものに苛立ちをぶつける傾向があります。
いずれも意識的ではなく、心のモヤモヤを表面化して自分なりにバランスを取ろうとしているため、親がただ言い聞かせるだけでは根本的な解決にはつながりません。
「お腹が痛い」には要注意!
子どものストレス反応としてもっとも多いのが「お腹が痛い」と訴えることです。もちろん病気の可能性も否定できないので、まずは医師の診察が第一。そして医学的に明確な問題が確定できなかった場合に、ストレスに由来するものかもしれないと考えましょう。
腸内の免疫の働きに詳しい理化学研究所の大野博司氏は、「新しい環境の変化へのストレス、また食べ慣れた家庭での食事から給食に切り替わるような変化で腹痛を引き起こすことがある」といいます。
慣れない環境での生活が続き、ストレスが溜まることや食事がこれまでと変わることで、胃酸の分泌が増えて粘膜を傷つけたり、腸内細菌のバランスが崩れたりすることがあるらしいのです。