「大好きだよ!」で子どもは育つ。“愛されている自覚”が自己肯定感を高め、勉強姿勢までも変える
7つの法則』(柏書房)のなかで、言葉かけでは「行動承認」だけでなく「存在承認」を大切にすることを説いています。
*存在承認=存在そのものに対する承認
「生まれてくれて、ありがとう」「あなたがいてくれるだけで、うれしい」など
*行動承認=行動に対する承認
「◯◯ができてえらいね」「◯◯してくれたから、大好きよ」など
(引用元:川井道子 (2014) ,『“言うことを聞かない子”が、おどろくほど変わる!「HAPPYワード」7つの法則』,柏書房.)
ふだん使われているほめ言葉のほとんどは、「行動承認」によるもの。子どもにポジティブな声かけをするときは「テストで満点」「スポーツで1位」など、人より優れた部分をほめることが多いと思います。でも、そればかりが増えてしまうと、子どもは「人より優れていないと認めてもらえないんだ」と感じてしまうようになるのです。
でも、特別な「良くできたこと」や「いいところ」が見つからなくても大丈夫。日頃から「存在承認」による言葉かけをすることで、子どもは自ずと自己肯定感を育むことができるのです。
「ありのままのあなたを愛している――」
具体的には、以下のような言葉が有効だと言えそうです。
「いつだって◯◯ちゃんが大好きだよ」
楽しんでいるときも悲しんでいるときも、ギュッと抱きしめながら伝えたい言葉です。
「生まれてきてくれてありがとう」
何ひとつできなくても愛しかった赤ちゃんの頃を思い出して。親でいられることの喜びを伝えましょう。
「がんばっているね!」
ただ結果を待つのではなく、がんばっている子どものありのままの姿をほめてあげましょう。
「結果は気にせず、楽しんでおいで」
テストや試合がどんな成績を残したとしても、愛情に変わりがないことが伝わる言葉です。
「愛されている自覚」が勉強する姿勢を変える
また、子どもに愛情を伝えることは、勉強に対する姿勢にも好影響を与えるようです。
精神科医で和田秀樹こころと体のクリニック院長の和田秀樹氏は、母親は子どもに対し、勉強するから愛しているのではなく、愛しているから勉強してほしい、というメッセージを伝える必要がある、と言います。
「勉強しないとお母さんに嫌われるから勉強する。お母さんが恐いから勉強する」というマイナス感情で勉強させるのではなく、「お母さんは僕のことを愛してくれている。僕が勉強すると、大好きなお母さんがもっと喜んでくれるから勉強する」 というプラス感情の方向に持って行ってあげてください。
(引用元:和田秀樹(2013)