「昼寝のせいで夜なかなか寝ない」問題の解消法。朝のグズグズ防止にも効果大!
子どもの目の水晶体は大人より澄んでいるため透過性が高く、大人より光の影響を強く受けてしまうもの。夜遅くまで塾の蛍光灯の下で勉強していると、子どもの体内時計は夜型化しがちです。日没後はできるだけオレンジ色がかった白熱灯色の照明の部屋で過ごし、寝る前のスマートフォンやゲームも避けるようにしましょう。
疑問5:普段は何時ごろに起してあげるのが最適ですか?
誰もが寝起きはぼーっとしますね。この眠気を引きずっている状態を「睡眠慣性」といいます。この状態は個人差がありますが、だいたい起床から1~2時間ほどです。その時間帯に朝ごはんを食べて、体と頭をウォーミングアップする時間にしましょう。学校の授業が8~9時頃に始まるとしたら、6~7時ぐらいに起きるような習慣をつけていくと良いのではないでしょうか。
ただ、早く起きることを気にして睡眠時間が短くなるより、睡眠時間の確保を優先してください。7時半に起きて学校に間に合うのであれば、それまでの時間は「睡眠」にあてて、充分に寝ることの方が大切です。
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睡眠不足が借金のように積み重なり病気のリスクを高め、日々の生活の質を下げることが「睡眠負債」と呼ばれ、メディアでも取り上げられるようになりました。子どもだけでなく、親も、自分の問題としてしっかりと考えていかなければいけないでしょう。次回は駒田先生に、どうしたら質の良い睡眠時間を確保することができるのか、早寝のコツなどをお話しいただきます。
■ 明治薬科大学准教授・駒田陽子先生 インタビュー一覧
第1回:“世界一寝不足”な日本の子ども。「11時間37分」が示す、眠りにまつわる切実な問題
第2回:寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」
第3回:「昼寝のせいで夜なかなか寝ない」問題の解消法。
朝のグズグズ防止にも効果大!
第4回:「起きる時間」を意識させるだけ!子どもの早起きを楽にするちょっとしたコツ(※近日公開)
【プロフィール】
駒田陽子(こまだ・ようこ)
明治薬科大学 リベラルアーツ准教授。早稲田大学にて博士号(人間科学)取得。日本学術振興会特別研究員、国立精神・神経医療研究センター特別研究員、東京医科大学睡眠学講座准教授を経て現職。日本睡眠学会、日本時間生物学会の評議員を務める。睡眠が心身の健康に及ぼす影響の研究に従事。
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