「起きる時間」を意識させるだけ! 子どもの早起きを楽にするちょっとしたコツ
興味深いことに、起床時間を意識することでもコルチゾールの分泌を調整することができるのです。
ある実験で、寝る前に「朝9時まで寝てもいい」と「6時に起こします」と言った場合とを比べてみると、6時に起こすと伝えた条件では朝5~6時にコルチゾールが多く分泌されたのに対して、9時まで寝ていいと伝えた条件では朝5~6時のコルチゾール分泌は少ないものでした。
つまり、起きる時間を意識することで、寝ている間でも体の中で起きるための準備が始まるのです。夜寝る前に「明日は7時に起きようね」と声を掛けてあげることも大切なのかもしれません。
また、朝から活動できる体をつくるためには、朝食も大切です。体内時計の中心は脳の中にありますが、体のあらゆる細胞も体内時計を持っています。内蔵の時計はきちんと食事を取ることで作動するのですよ。
朝食を英語では “breakfast” といいますが、これは “fast(断食)” を “break(破る)” ことを意味する言葉です。
朝食が7時、昼食が12時、夕食が夜7時とすると、寝ている間が1日で一番長い食べない時間(断食)になり、朝食が “breakfast” になります。この断食を破ることが、体内時計の朝のスイッチになっているのです。
もし朝食を食べないで昼食、夕食、夜食を食べたとすると、昼食が “breakfast” になり、内臓の体内時計がずれてしまいます。週末はゆっくり起きて朝食と昼食を合わせてブランチを取るというご家庭もあるかもしれませんが、朝食は毎日決められた時間に摂ることが大切なのです。
週末にのんびりすると「ソーシャルジェットラグ」に!
ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)という言葉をご存じでしょうか。週末にいつもよりゆっくり起きたり、夜更かしをしたりすることで、海外旅行で長距離の飛行機に乗ったときと同じような時差ボケ状態を作り出してしまうことを指します。
ソーシャルジェットラグになると、体内リズムが乱れます。その影響は翌週の前半まで及び、日中のパフォーマンスを低下させてしまうのです。
また、子どもの日中の活動機能や学業成績にも、ソーシャルジェットラグは影響します。日本の幼稚園・保育園児を対象とした研究では、朝型の子どもに比べて夜型の子どもはソーシャルジェットラグが大きい傾向にあり、多動傾向があるほか、仲間関係にも悪影響があることがわかっています。