「親の言葉遣い」に見る、成績優秀な子が育つヒント。語彙力が伸びる会話の特徴
と考えてしまう。もちろん、知育系の教育にしろ、芸術系、体育系の習い事にしろ、子ども本人が「やりたい!」と思っていることなら、さまざまなものを得ることができるでしょう。
そのなかでも、わたしが注目しているのが語彙力です。わたしも携わったある研究では、なんらかの習い事をしている子どもは、一切習い事をしていない子どもより語彙力が高いという結果が出ました。大好きな習い事をしていれば、先生や同じ教室に通う友だちとも積極的に話すことになります。そのコミュニケーションによって、語彙力が伸びたのだと推測できます。
ただ、面白いことに、知育教育を受けた子どもが、たとえば体操教室に通った子どもより語彙力が高いかというと必ずしもそうではありませんでした。語彙力というと、知育教育で伸びるイメージを持つと思います。
でも、なによりも言葉は実際に使わないと身につきません。語彙力の伸びという点では、習い事の種類ではなく、習い事をすること自体に意味があるのです。
そして、語彙力と学力には非常に強い相関関係があります。幼児期の語彙力が高いほど、小学校以降の学力が伸びることがある研究であきらかになっているのです。その理由について、わたしの考えをお伝えしておきましょう。
語彙力というと、たくさんの単語を知っていることだと思うものですよね?もちろん、ある程度の数の単語を知っていることも重要ですが、その使い方も知っておかなければ、本当の意味で語彙力があるとはいえません。
小学校以降になると、たとえばテストの問題文に使われているそれぞれの単語がいったいどういう意味を持ち、ひとつの文としてなにを要求しているのかを理解する必要があります。幼児期に触れる具体物を指す言葉とちがって一気に抽象度が上がり、そういう内容も含めて理解できる語彙力が求められることになる。
高い語彙力を幼児期に身につけておけば、勉強の最初の段階(小学校)でつまずくこともないでしょう。だからこそ、幼児期の語彙力が学力の伸びに大きく関与していると考えることができるのです。
楽しく豊かな会話が子どもの語彙力を伸ばす
そうなると、「幼いときから子どもの語彙力を伸ばしてあげたい」と親御さんは考えますよね。そのために親御さんができることは、日常で豊かな会話をするということ。豊かな会話とは、なるべく具体的な言葉を使う会話です。「こそあど言葉」を多用する家庭で育った子どもとそうではない子どもでは、後者のほうが小学校の成績が優秀だという研究結果があるほどです。