【4歳~7歳の発達段階】学びの「基礎」を育むヒント
これは「言葉には明確な意味と比喩的な意味がある」ということを理解しているからです。
【教育のヒント】
言葉の持つ意味を理解しはじめる5歳くらいの子。「ごっこあそび」も好きな年頃ですが、これには、ことば(セリフ)やもの(おもちゃ)を巧みに使い、状況や社会的なできごとを他者と演じることで、想像力や自制心を学ぶ重要な役割があります。
また、ごっこあそびに伴う子どもの空想ドラマは、貪欲に知識を吸収させるチャンスだと、教育コーチングオフィスSaita Coordination代表で(財)生涯学習開発財団認定コーチの江藤真規さんは言います。たとえば以下のように、親も一緒になって子どもの好奇心を上手に利用して自然に学びを増やすのもよいでしょう。
《ごっこあそびで「テーブルマナー」を知る》
お姫さまごっこで「お姫さま、きょうはナイフとフォークでお食事をしてみましょう」と誘ってみます。たとえおもちゃのカトラリーでも、扱い方が自然と上達していくのがわかるはずです。
《ごっこあそびで「文字の練習」をする》
学校ごっこの先生役になったら「さあ、ノートに名前を書いてみよう!」と促し、生徒役になったら「先生!『山』ってどう書くんですか?」と子どもに聞けば、一生懸命調べたり覚えたりしようとします。
もちろん、ごっこあそびの最中で「そうじゃないでしょ!」などと叱るようなことがあってはいけません。「こうするともっと素敵なお姫さまね」「◯◯くん、書けるようになったね!」などと褒めながら、あくまでも遊びのなかで、さりげなく教えてあげるのがよいでしょう。
■6歳—日常生活の工夫で学習の土台づくり
【6歳頃の子ども】
児童期の入り口に立つ6歳。この頃には、物語の展開を構成する起承転結がわかるようになったり、時間の概念を獲得したり、また、文字や数などの知的な活動への興味も芽生え始めます。自分や友だちの名前、街の看板などの文字を読んだり、エンピツで文字を書いたりする子どもも出てきます。【教育のヒント】
小学校入学前後は特に、先取り学習に励む親子などに影響を受けて焦ってしまったりしがちですが、お手伝いやふだんの生活のなかで学びをつかみ取れることもたくさんあります。たとえば算数なら、小学校入学前に15くらいまで数えられれば数の概念はしっかり頭に入っているので、それ以上は無理に教えなくても大丈夫、と『IQがみるみる伸びる0歳から6歳までの遊び方・育て方』(廣済堂出版)