子育て情報『「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり』

2019年6月18日 09:37

「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり

もちろん、家族がそろって食事をする場合には必然的に品数が多くなり栄養面で優れているとか、家族の会話によってコミュニケーション能力が育つといったように共食のメリットはたくさんあります。ただ、共食については、その頻度というより中身が大事なのです。

いつも家族全員がそろって食事をしたとしても、誰かがスマホをいじっていれば共食とはいえません。会話がなければ家族関係が良くなることも子どものコミュニケーション能力が育つこともないでしょう。つまり、共食の頻度が減っているいまだからこそ、週末など家族が集まれるときの食事をいかに楽しい場にするかということを意識してほしいのです。

先述の足立先生が小学生を相手に行ったグループインタビューで、子どもたちは興味深いことを答えています。子どもたちは、「家族全員で食事をしたいと思っている」「でも、親にはそれをいわない」のだそうです。なぜならば、幼いながらも親が忙しいことをきちんとわかっているからです。
その健気な思いを考えれば、家族みんなで食事ができる限られた時間こそスペシャルなものにしてあげてほしいですね。

「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり


『白熱教室 食生活を考える』
松島悦子 他 著/アイ・ケイコーポレーション(2016)
「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり


■ お茶の水女子大学生活科学部・松島悦子先生 インタビュー一覧
第1回:「食育=食生活の教育」ではない!?常識を超えた、食育の“真のねらい”
第2回:「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり
第3回:子どもに「調理」をさせるメリット。料理をする子・しない子の“内面”の大きな違い(※近日公開)
第4回:「父親のかかわり」で食は2倍豊かになる!料理が苦手でもできる食育の方法とは?(※近日公開)

【プロフィール】
松島悦子(まつしま・えつこ)
お茶の水女子大学生活科学部非常勤講師。専門は食育、家族社会学、消費者科学。お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。東京ガス都市生活研究所勤務、お茶の水女子大学食育プロジェクト講師、和洋女子大学家政学群准教授を経て現職。著書に『子育て期女性の「共食」と友人関係』(風間書房)、『白熱教室 食生活を考える』(アイ・ケイコーポレーション)、『食物学概論』(光生館)、『消費者科学入門』(光生館)などがある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)

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