「店員さんに叱られるよ!」はNG。「子どもを伸ばす我慢」と「ダメにする我慢」
という気持ちや意欲が減退してしまうのだとか。やりたがらなくなってしまった子どもに「やりなさい」と促すのは、やりたがる子どもを「やめなさい」と制するよりも難しく、成長に支障をきたす恐れもあると言います。
何でもかんでも我慢をさせることは、子どもにとってストレスです。「あれもダメ」「これもダメ」と妥協させられ続けた子どもは、「どうせきっとこれもダメなんだろう」と諦めてしまい、意欲を失い、主体性が損なわれていきます。
自分の欲求を我慢するのは、大人でも難しいですよね。幼い子どもにとってはもっと難しいもの。子どもの意欲を殺さずに、我慢する力を育てるためには、子どもに合わせた我慢の度合いを考え、時には我慢しなくてもいい環境を与えてあげることも大切なのです。
子どもが伸びる我慢・子どもをダメにする我慢
我慢のなかには、「子どもでも必ずしなくてはいけない我慢」と「子どもにとって悪い我慢」があります。
しなくてはいけない我慢は、子どもが伸びるきっかけにもなる大切な要素です。まずは、子どもが伸びる我慢についてご紹介しましょう。精神科医で評論家の和田秀樹氏は、我慢が伸ばす3つの力について次のように述べています。
◎こんなことをしたらカッコ悪いと考えて我慢する→社会性が伸びる
和田氏いわく「おもちゃを買ってもらえないから、泣いて駄々をこねたい。でも、周りの人に笑われるから、できない」「すごく楽しくてはしゃぎたい気分だけれど、今は電車の中だからそんなことをしたら恥ずかしい」などの「こんなことをしたらカッコ悪い」という感覚が自分を高めたいという欲求につながり、我慢する力が育っていくのだそう。こうした経験を重ねるうちに、人の目を意識するようになり、社会性が育っていきます。
◎相手の気持ちを想像して我慢する→思いやりの心が育つ
集団生活を送るなかで、時に失敗を重ねながら「こんなことをしたら○○くんは怒るだろうな」「これを言ったら△△ちゃんは傷つくな」ということを覚えて、自分の感情をコントロールできるようになると、相手の立場を考えた思いやりのある行動ができるようになると和田氏は言います。親はどうしても子ども同士のケンカや争いを避けようとしがちですが、子どもはこれらを通して我慢することを覚え、思いやりの心を育てるのです。
◎我慢することで「ひとりでできた!」