「店員さんに叱られるよ!」はNG。「子どもを伸ばす我慢」と「ダメにする我慢」
という快感を覚える→自立心が育つ
たとえば、小さい頃はオムツが必須ですが、ある程度成長すると、一定時間我慢してからおまるやトイレで用を足せるようになりますよね。すると、親御さんが「よくできたね!」と褒めてくれます。和田氏いわく、このとき子どもは「お母さんに頼らずに自分の力でできた!」という自立の快感を味わうのだそう。
子どもは、その快感をもっと味わいたいためにまた我慢し、さらに自立の快感を味わう……というループで、我慢する力と自立心を伸ばしていきます。そのため、我慢と自立には、親が褒めてあげることが欠かせません。子どもが我慢できたら、きちんと褒めてあげましょう。
一方の「子どもにとって悪い我慢」について、東京家政大学ナースリールーム主任の井桁容子氏は以下を挙げています。
×大人の都合で子どもを我慢させる
自宅では許していることを、ほかの人に「だらしない親だ」と思われたくないがゆえに、人前でだけ「ダメ」と叱ったことはありませんか?普段なら許していることを、イライラして「ダメ」と禁じたことはありませんか?このように、大人の都合で我慢させるのはNGです。
子どもには、大人の都合はわかりません。井桁氏いわく「あるときは良いけど、あるときはダメ」と対応を変えると子どもは混乱し、その行為が良いことなのか、我慢するべきことなのかわからなくなってしまうそう。
×威圧的に「ダメ」と我慢させる
「子どものため」「しつけ」という理由でなんでも「ダメ」と我慢させたり、子どもがやりたがらないことを無理にやらせたりすることはNGです。
なぜダメなのか、子どもがきちんと理解できなければ、禁止してもまた同じことを繰り返してしまうでしょう。威圧的に我慢させるのではなく、「なぜダメなのか」「なぜやらなければならないのか」を説明してあげることが大切だと、井桁氏は言います。反対に、理由を説明できないものは我慢させるべきではないと言えますね。
×人のせいにして我慢させる
「店員さんに叱られるよ」「あのおじさんが怒ってるよ」「先生はこう言ってたよ」など、第三者のせいにして叱ったことはありませんか?
このように、親以外の誰かのせいにして我慢させると、子どもは「その人の目の届かないところならやっていい」と解釈してしまい逆効果です。なぜダメなのか、親自身の思いを説明してあげなければ、我慢ができるようにはなりません。