「本当に自由に」試行錯誤する機会を子どもたちに――“本気の遊び場”プレーパーク
です。
子どもの興味関心によって「かたち」を変えていく
公園とプレーパークのちがいは、「用意されているもの」を見るとすぐにわかるでしょう。公園では、遊び方が決まっている遊具があって、それを使って遊びますよね。もちろん、公園の「かたち」を変えることなんてありません。
ところが、プレーパークでは遊具の代わりに「道具」や「材料」があって、プレーパークそのものも「かたち」を変えていくのです。たとえば、マッチと新聞紙、薪を使ってたき火をしてもいいし、シャベルを使って地面に穴を掘ったり川をつくったりしてもいい。廃材を使って、むかしから人気の秘密基地をつくる子どもたちもいます。つまり、子どもは自分の興味関心に従って新しくなにかを生み出し、それに合わせてプレーパーク自体も「かたち」を変えるというわけです。
イメージとしては、公園にもある「砂場」が近いかもしれませんね。砂場では、子どもたちは山をつくったりトンネルを掘ったり川をつくったりと、比較的自由に遊べますよね。その高い自由度が施設全体に広がっているのがプレーパークといっていいでしょう。
先にいくつか挙げましたが、道具と材料はほかにもいろいろなものが用意されています。道具ならシャベルにのこぎり、金づち、バケツ、ほうき、ネコ車など。材料なら材木にロープ、ご近所から頂いてきたさまざまないらないもの……(笑)。近隣の人や、利用する子どもの保護者に内装業者、解体業者、工務店の人などがいると、「どうせ捨ててしまうものだから」と、いろいろな廃材を譲っていただけることもあります。
つまり、プレーパークでは、利用者が訪れるたびに利用できるものが変わっていくわけです。
プレーパークのつくり手側であるわたしたちは「未完成をデザインする」といいますが、プレーパークとはいつまでも完成することがない場所といえます。そこが子どもたちにとってはたまらなく面白い。
子どもは遊びが好きだといっても、完全にお膳立てされた場所で「はい、どうぞ」といわれて遊んだところで、面白さは限られてしまいます。子どもたちが最大限に面白がれるように、いろいろな可能性や隙間をあえて残しておく――。それが、プレーパークの目指している遊び場づくりです。
いまの子どもは自由に試行錯誤する機会を失いつつある
そんな遊び場にいる「プレーリーダー」の存在も、公園と比較した場合のプレーパークの特徴といえるでしょう。