デンマークの小学校には試験も通知表も存在しない!? 知れば驚く “世界の通知表事情”
子どものコメントは、仲の良い友だち、コミュニケーション、好きな活動や遊びなどについて。
また、評価は「何段階」と表現しない絶対評価で行なわれ、個々に設定された目標(基準)に対して上であったか下であったか(※吉田さんは“平均”と表現)、前回からどのくらい伸びたか、といった内容が記されているそうです。
つまりオランダの小学校は、学業的に優れた子どもというよりも、人間力の高い子ども、かつ自律的に成長しようとする子どもを育てようとしているわけです。
ユニセフが2013年に発表した「子どもの幸福度調査」では、オランダが第1位となりました。なんだかその結果に納得してしまう、心の知能指数(EQ)が高まりそうなオランダの通知表です。
アメリカの通知表:積極性が評価される
アメリカ在住の日本人の子どもたちへ教育サポートを行なう在米現地教育コンサルタント、高橋純子さんによると、アメリカの通知表はレポートカードと呼ばれるもので、地域や学校によってフォーマットが異なるそうです。
評価対象となるのは、国語や算数といった教科だけでなく、
――などもあるそう。
それらに対し、1~5(もしくは4)、A~Fの文字、あるいは Excellent、Good、Satisfactory、Needs improvement、Unsatisfactory の頭文字をとって評価をつけます。
加えて先生が、子どもの良い部分や努力が必要な部分などを書いてくれるそうです。ちなみに、開成学園の校長・柳沢幸雄さんによれば、アメリカの小学校で通知表に「He is quiet in the class(彼はクラスで静かです)」と書かれていたら要注意なのだそう。
日本人の感覚だと「大人しくていい子だと褒められている」と思ってしまいそうですが、じつは「知的刺激に反応していない」ことを意味しているのだとか。
柳沢さんはアメリカで子育てをした際に、意見を言ったら加点、レポートを頑張ったら加点といった、アメリカの加点主義を実感したといいます。これが、チャンスさえあれば自分の意見を述べるアメリカ人の根源だと同氏は述べています。
通知表の評価項目からもわかるように、アメリカでは、小学校から自分で考え行動できているかどうか、しっかりと自己主張できているかどうかが重視されているようです。