デンマークの小学校には試験も通知表も存在しない!? 知れば驚く “世界の通知表事情”
On track to meet standard(標準を満たすべく順調に進んでいる)Already meeting standard(すでに標準を満たしている)なかには、学びのヒントや注意点のほか、たとえば子どもが日常生活で楽しく算数と接することができるよう、「一緒に買いものをして値段を見てみましょう」などと、保護者にアドバイスを書いてくれる先生もいるそう。
また、いかに「Effort(努力)」したかを、各科目ごとに以下5段階で評価する欄もあります。
- Of Concern(懸念される)
- Needs More(もっと頑張ろう)
- Satisfactory(良好)
- Very Good(とても良い)
- Out Standing(とびぬけている)
子育ち研究家でライターの長岡真意子さんも、結果に注目するより、子どもの努力を認めてあげるほうが「次はがんばろう!」という気持ちにつながると説いています。
ニュージーランドの通知表は、親と子ども両方の意欲を高めてくれそうですね。
オランダの通知表:人間力を評価
『世界一幸せな子どもに親がしていること』の共著者であるミッシェル・ハッチソンさんは、モンテッソーリ教育(自発的な活動を促して成長させる教育)を行なうオランダの小学校に息子を入学させたそうです。そこで初めて通知表をもらったとき、大きなショックを受けたのだとか。
通知表のなかに、イギリス生まれのハッチソンさんがよく知る「10段階評価」や「ABC評価」がなく、自分の子どもがクラスのなかで優秀なのか下位なのか明確にされていなかったからです。記されていたのは、社交能力や個性に重きを置いた、以下5項目に対する評価だったそう。
一般的な態度環境に対する配慮先生との関係性ほかの子どもとの関係性勉強に対する態度ハッチソンさんによれば、モンテッソーリ教育の学校のみならず、オランダの主な学校では、こうした人間力を評価するような項目を使っているとのことです。
ただし、4歳の最年少学年(Groep1)やすぐ上(Groep2)の場合は、評価項目自体がない場合もあるようです。
そう述べるのは、オランダ企業でクリエイティブディレクションなどを行なう吉田和充さん。吉田さんによれば、オランダの小学校の通知表は、4歳で小学校に入学してからの記録がずっと残されている分厚いバインダーなのだとか。
そのなかには、担任の先生からの細やかな総評のほか、子ども自身のコメントも書かれているそうです。