本番に強いか弱いかは価値観で決まる。「緊張を味方につける方法」の教え方
と察知します。そこでネガティブにならず、「これまで万全の準備をしてきたから大丈夫だ」「扉の向こうには自分の活躍を見るために大観衆が待っている」「汗は出るし手も足も震えているけど問題ない」「これは自分が本気になっている証拠だ」と考えられる。これは、緊張というものを、自分を鼓舞する材料にしている――つまり、味方につけているということです。
はじめて緊張を味わった子どもには、その緊張をしっかり味方にすることを教えることが大切なのです。まずは、これまで知らなかった緊張に出会えたことに、「おめでとう」といってあげてほしい。そして、「ついにきたね。それは緊張っていうんだよ。あなたが本気になった証拠だから大丈夫」「緊張を味方にできたら練習以上にすごいことができるし、もっと大きな感動に出会えるよ」と、緊張をポジティブにとらえられるよう導いてください。
『相手の結果を100%引き出す 実践!ペップトーク』
岩﨑由純 監修・浦上大輔 著/フォレスト出版(2019)
■ 日本ペップトーク普及協会代表理事・岩﨑由純さん インタビュー記事一覧
第1回:子どもの成功も失敗も、親の言葉がけ次第!「ペップトーク」が持つすごい力とは
第2回:子どもの夢を断ち切っているのは親かもしれない。注意すべき「ドリームキラー」発言
第3回:「わたしの子=わたしのもの」と思ってはダメ。“傾聴力”で子育てはもっとうまくいく!
第4回:本番に強いか弱いかは価値観で決まる。「緊張を味方につける方法」の教え方
【プロフィール】
岩﨑由純(いわさき・よしずみ)
1959年10月10日生まれ、山口県出身。一般社団法人日本ペップトーク普及協会代表理事。NECレッドロケッツ・コンディショニングアドバイザー。日本体育大学体育学部体育学科卒業後に渡米し、米シラキューズ大学大学院体育学専攻科修士課程修了。日本初の「アスレチックトレーナー」として数々のスポーツ現場で活躍。
アメリカ留学中に、ペップトークの迫力・思い・魅力を体感し、現在はスポーツの他、教育・ビジネスの世界にペップトークを普及するため精力的に講演活動を行っている。主な著書に『子どもの心に響く励ましの言葉がけ「ペップトーク」』(学事出版)、『想いが伝わるペップトーク』(いまじにあ出版)、『やる気をなくす悪魔の言葉VSやる気を起こす魔法の言葉』(中央経済社)、『心に響くコミュニケーション ペップトーク』(中央経済社)