ただの音楽教育じゃなかった! リトミックの効果とレッスン内容を詳しく解説。
また、ほかの子どもと一緒にリトミックを楽しめるのも2歳児の特徴です。
そこで神原氏がすすめるレッスンのひとつが、「ゴー&ストップで遊ぶリトミック」です。音楽に合わせて自由に体を動かし、音楽が止まったらピタリと止まります。止まるときにポーズをとるようにすると、よりいっそう楽しめるとのこと。慣れるまでは、音楽の停止と同時に、講師が「ポーズ」と声をかけます。
「ボールを使ったリトミック」では、音楽のリズムに合わせて、保護者や友達とボールを渡しあいます。渡すときに「どうぞ」、もらうときに「ありがとう」ということで、言葉のリズムを体感できます。
■3歳児のリトミック
3歳になるとコミュニケーション能力が発達し、グループでのリトミックができるようになると神原氏はいいます。
たとえば、3~4人のグループを作り、曲を聴きながら先頭の子についていくように並んで歩くリトミックなどを実践するのだそう。曲の終わりに“ポーン”と低い音を鳴らして合図をしたら列の向きを変える……といった変化をつけると、音の高低を聴き分けられるようになるといった効果も期待できます。
なお、3歳になると、子どもたちだけでレッスンに参加するケースが増えるようです。国立音楽院の幼児リトミック教室でも、3歳クラスでは保護者から離れて子どもたちだけでレッスンを楽しむようになるとのこと。自分で判断して自分で行動する、ひとり立ちのトレーニングの始まりです。
■4歳児のリトミック
4歳になったら、音の強弱や音階を意識したリトミックが取り入れられます。神原氏が提案する「音階に親しむリトミック」では、音階に合わせて“ドレミファソ”と歌いながら体を動かすことで、音階に親しみつつ、音の高低の変化を感じ取る力を身けられるのだそう。
また、石丸氏によれば、精神面での変化として、4歳以降はレッスン中に「負けず嫌い」や「好き嫌い」といった気持ちが芽生えるのだそう。
「こういう動きは苦手」とか「速いテンポについていけない」などという子も出てきます。ですが、そんな様子の友だちを見て「もうすぐジャンプだよ」と声をかけてあげるなどの思いやりを持てる時期でもあり、そうした経験が人間的な成長につながっていくのです。
■5歳児のリトミック
5歳になると、遊具を何かに見立てた動作をしたり、手足を同時に動かすフォークダンスを取り入れたりできるようになるそう。リズミカルに体を動かすことで、表現力や想像力を身につけられるようになります。