“他人との比較”で得た幸せは長続きしない。「幸福学」で分かった、親子で幸せになる方法
ということです。そのうち、心の状態に着目すると、幸せな心の状態というものは数え切れないほどあります。それらを因子分析という手法によって整理したところ、4つにわけることができました。つまり、心がその4つの状態にあれば、強い幸福感を得られるというわけです。それらを、わたしは「幸せの4つの因子」と呼んでいます。
【幸せの4つの因子】
「やってみよう」因子「ありがとう」因子「ありのままに」因子「なんとかなる」因子では、子育て中の親と子どもはどうすれば幸せになれるのでしょうか?4つの因子それぞれをベースにお話しましょう。まずは「やってみよう」因子から。いまの子どもたちの多くは幼いときからたくさんの習い事をしたり、塾に通ったりしています。
なかには、「通わされている」といったほうがいい子どももいるでしょう。これが大問題。やりたくもないことをやったところで幸せを感じられるでしょうか?答えは考えるまでもなく「ノー」ですよね。人は、自分の意志で「やってみよう」と思うことをやることで幸せを感じられるからです。
親であるみなさんに注意してほしいのは、親自身も「やってみよう」と思っていなければならないということ。「自分は英語が苦手だったから」と、子どもを英語塾に通わせているだけでは、親の「やってみよう」が足りません。「幸せは伝染する」ものですから、親も「やってみよう」ということが日常になければならない。つまり、親は親、子は子で、それぞれが好きなことをやることで互いに幸せが伝染し、親子そろって幸せになれるのです。
子どもに感謝し、子どものありのままを認める
ふたつ目は「ありがとう」因子です。イメージしやすいことだと思いますが、感謝の気持ちを忘れない人は周囲といい人間関係を築けるので、当然、幸せを感じることができます。ところで、みなさんは子どもに感謝していますか?あるいは、夫や妻に感謝しているでしょうか?子育ては本当に大変なものです。協力が足りないパートナーや駄々をこねる子どもに対して、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。でも、それでは幸せはあなたから逃げてしまいます。「わたしのパートナーでいてくれて、わたしの子どもに生まれてくれてありがとう」という気持ちを忘れず、日常的に「ありがとう」と口にするようにしてください。
3つ目は「ありのままに」因子です。この因子を潰してしまうのは、「他人との比較」