子育て情報『“他人との比較”で得た幸せは長続きしない。「幸福学」で分かった、親子で幸せになる方法』

“他人との比較”で得た幸せは長続きしない。「幸福学」で分かった、親子で幸せになる方法

です。このことにも、「やってみよう」因子と同じように、いまの子どもがたくさんの習い事をしていることが悪影響を与えていると感じています。子どもが習い事をしていると、親としてはどうしても他の子どもと我が子の出来を比較してしまいがちです。そうして他人と比較されてばかりいる子どもが幸せを感じられるはずもありません。

そもそも、子どもの生育には非常に大きな個人差がありますし、親の希望でやらせている習い事が、その子が得意なことではないかもしれません。親の勝手な理想の子ども像を我が子にあてはめるのではなく、我が子の「ありのまま」を受け入れ、また子ども自身にも「ありのままの自分でいいんだ」と思わせてあげましょう。

前野隆司先生インタビュー_親子で幸せになる方法04


失敗した子どもに「グッジョブ!」と声をかけるアメリカ人

最後は「なんとかなる」因子です。「自信がない」「どうせ自分には無理」とネガティブ思考でチャレンジを恐れる人と、「なんとかなる」とポジティブに考えてさまざまなことにチャレンジしていく人ではどちらが幸せになれるでしょうか?答えはもちろん後者です。
そして、子どもをポジティブ思考にするために重要となるのは、親の言葉かけです。

ここで、わたしがアメリカに住んでいたときに妻から聞いたエピソードをお話しましょう。その日、妻はまだ幼かった子どもを公園で遊ばせていました。すると、アメリカ人の子どもが転んでしまった。その子の親は、どんな声をかけたと思いますか?日本人なら、「大丈夫?」と心配し、「だから気をつけなさいっていったじゃない」なんて小言をいってしまうかもしれません。

ところが、アメリカ人のその母親は、間髪入れずに「グッジョブ!」といったのだそうです。驚きですよね。アメリカ人は、子どもがなにかにチャレンジして失敗するたび、「グッジョブ!」「ナイストライ!」と声をかける。
それを何度も繰り返すのですから、仮にもともとは引っ込み思案の子どもだったとしても、どんどんポジティブになっていくはずです。民族性というところもありますから簡単ではないかもしれませんが、みなさんも、もっと前向きな言葉を子どもにかけてあげることを意識してはどうでしょうか。

前野隆司先生インタビュー_親子で幸せになる方法05


『「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方』
前野隆司 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン(2018)
前野隆司先生著書


■ 慶應義塾大学大学院教授・前野隆司先生 インタビュー記事一覧
第1回:“他人との比較”で得た幸せは長続きしない。

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