「考える力」を奪う親のNG行為。いま、マニュアル通りにしか動けない若者が増えています
力のない人々)
つまり、これまで長いあいだ私たちは「頭がいい」=「記憶力がいい」「パターン化された思考ができる」ことだと刷り込まれているため、「考える力」の重要性を軽視してきたわけです。
「考える力」が育まれないまま成長すると、どのような大人になるのでしょうか。筑波大学附属小学校前副校長の田中博史先生は、「子どもたちは小さくても『自分で考えたい』生き物である」ことを前提としたうえで、「自分で考える前に先に決められてしまう生活を繰り返していると、自分で決めないですぐにほかの誰かを頼るようになる」と話します。
考えることができないから、アイデアが浮かばず、決断することもできないーー。これでは「その人らしい」人生を歩むことは難しいでしょう。わが子には自分の力で人生を切り開いてほしいと願うのなら、たくさんの習い事をさせるよりも「考える力」が身につく訓練をしてあげるべきです。
子どもが考えることをやめてしまう親のNG行為
子どもの「考える力」を奪ってしまう親のNG行為として、次のような言動には注意しましょう。
■正解を与える
悩んでいるわが子を見ると、つい手を差し伸べたくなるもの。
そこですんなりと答えを教えてしまうと、子どもは「わからない」と言えば大人が正解を教えてくれると思うようになり、考えることをやめてしまいます。
■イライラして急かす
なかなか答えにたどり着けない子どもに対して、「まだできないの?」と急かすのはやめましょう。急かされた子どもは焦ってしまい、じっくり考えられなくなります。狩野さんは、「イライラしそうになったら、『いまは、この子の考える力の熟成期間』と思うようにするといい」とアドバイスしています。
■子どもの「どうして?」攻撃から逃げる
知的好奇心が旺盛な子ほど、親に何度も「どうして?」とたずねてきます。きちんと向き合いたくても、頻繁に聞かれるとつい「いま忙しいの!」「あとでね」と適当に流してしまうことも。前出の田中先生は、「必ずしも大人がすべて説明しなければならないわけではない」と述べています。それよりも、「一緒に考えようか」と向き合うことが大事です。
また、「そんなこと、お母さんも考えたことなかったよ!すごいね!」とほめてあげることで、子どもは自分の「考える力」に自信をもつようになります。
子どもの「考える力」を伸ばすために親ができること
子どもの「考える力」